「遊び」から始まったプログラミングの道。
――プログラミングを始められたきっかけを幼少期にさかのぼってお伺いしたいのですが、小さいころからコンピュータへの興味があったのでしょうか?
堀田隆介氏: そうですね。ファミコン世代なので、ファミコンのゲームを作りたいなというところに興味を持って、遊んでいたっていうのが最初ですかね。本格的にやり始めたのは、大学になってから。ほとんど独学でした。本はあんまり読んだことはないですね。とにかく作りたいものを作るという感じでやってきました。
――最初のプログラミング体験はどのようなものでしたか?
堀田隆介氏: ふたつあるんですけど、N88ベーシックっていうのと、MacintoshのHyperCardっていうものです。あれが高校生位のときに一番遊んだツールですね。本当に最初は幼稚なもので、全然技術もないし、アイデアがあるわけでもないので、本当に内輪で遊んでいただけですね。
――初めて使われたマシンは覚えてらっしゃいますか?
堀田隆介氏: もともとは父がMacが好きだったようで。Macintosh IIsiというマシンですね。
――ご自分がプログラミングなどが得意だと感じられたのは小学生位のころですか?
堀田隆介氏: いえいえ。楽しいと思ったのは高校生か大学生位ですね。自分は全然勉強ができない子で(笑)。遊んでばっかりいたのが、たまたま良い方向に行ったんでしょうね。
――プログラミングする上で、心がけていることや、大切にしていきたいことはありますか?
堀田隆介氏: 基本的に実用性っていうところが自分にできる唯一のところです。あまり高度な技術を使うことはできないんですよ。日本の製造業っぽいんですが、細かい改善の積み重ねで、自分で使いやすいように、ちょこちょこ変えていけば、自分と似たような人には使いやすいかなあという感じになってくるんですね。本当はもっとシンプルで、アイデア一発勝負で「すごい、このアイデア」っていうかっこいいことをやりたいんですけど。
添い寝アラーム、カメラ用アプリ、アイデアは「必要」から。
――実用性というお話がありましたが、子供と一緒に寝てしまったときに、自分だけが起きるための「添い寝アラーム」は、まさにそういった観点で作られたアプリでしょうか?
堀田隆介氏: そうですね。子供が今3歳なんですけど、寝かしつけてる時に、一緒に寝てしまうんですね。そうするとComicGlassの開発ができないんですよ。これはまずいなと思って作ったんです。
――添い寝アラームの反響はいかがでしょうか?
堀田隆介氏: 結構コンセプトが面白かったみたいで、色んなところで取り上げていただいて。ダウンロードの数は全然ComicGlassにかなわないんですけど、レビューサイトなどで面白いって言ってもらえたので満足しています。
――今後、作ったら便利だな、と思われるアプリはありますか?

堀田隆介氏: カメラが好きで、フィルムカメラを使おうかなと思った時があったんですが、露出が合わせられないんですね。露出計を使うんですけど、重いじゃないですか。だからiPhoneでできたら良いなということで、露出計アプリというのを作ろうと思っています。iPhoneはカメラが付いていますよね。カメラをかざすと内部のパラメーターが自動的に変わりますので、それで露出を逆算するアプリなどはあると思うんですけど、ちょっと物足りないかなというところがあるので、使いやすいように作ろうかなと思ってますね。本当に自分が作りたいなと思ったものを作って売っている感じで、脈絡がなくて、全然戦略的じゃないですけど。
――既に世の中に似たようなものがあっても、物足りないなとか、もう少しこうだったら良いのにというのがきっかけになることが多いのでしょうか?
堀田隆介氏: 大体そうなんですけど、いつもリサーチ不足ですね。ComicGlassを作る時も、ほかのアプリを全然調べずに作り始めてしまって。やっと完成したと思って知り合いに見せたら、「○○があるじゃん」って言われて。でも作ったから良いかっと思って、続けていましたね。
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