BOOKSCAN(ブックスキャン) 本・蔵書電子書籍化サービス - 大和印刷

世界中の本好きのために

池田紀行

Profile

1973年横浜生まれ。事業会社、マーケティング会社、ビジネスコンサルティングファーム、マーケティングコンサルタント、ネットマーケティング会社クチコミマーケティング研究所所長、バイラルマーケティング専業会社代表を経て現職。キリンビール、P&G、トヨタ自動車などのソーシャルメディアマーケティングを支援する。宣伝会議、JMA(日本マーケティング協会)講師。『ソーシャルインフルエンス』『キズナのマーケティング』(アスキーメディアワークス)『ソーシャルメディアマーケター美咲Ⅰ/Ⅱ』『Facebookマーケティング戦略』(翔泳社)など著書多数。専門分野においてメディア取材や連載など、各種メディアでも活躍中。

Book Information

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

目標を意識して、本を血肉にする


――読書とは池田さんにとって、どのような行為でしょうか?


池田紀行氏: 何かの本に書いてあった「生きるために水を飲むような読書」という言葉が、僕は大好きです。人は水を飲まないと生きていけないけれど、飲んだらおしっこで出てしまう。でも、どうせ出てしまうのだったら、飲まなくても良いか、といえばそうではない。読書も同じで、僕も読んだ本を全部覚えているわけじゃないし、本を開いてから「そういえばこれ前に読んだな」ということもある。でも、どうせ忘れてしまうのだから読んでも意味がないというのは、違います。赤線を引いたり、付せんを貼ったり、Evernoteにまとめたりして、ポイントを忘れないようにするという読書術もありますが、それよりも「読んだ時にピンとくること」が大切で、それは、その時の血肉になっているはずなんです。その時に必要なものをその本から吸収し、それから1ヶ月くらいはその本に影響を受けながら仕事をしたり、意思決定をする、ということの連続の中で僕は成長してきたのだと思っています。ベストセラーだけど心に刺さらなかった、という場合もありますし、誰も注目していない地味な本でもタイミングさえ合えば素晴らしい本になる。だから「自分の人生を大きく変えた本は?」と聞かれると困ってしまいますが、今まで読んだ本は、飲んだ水の1滴と同じように、全て僕に影響を与えてくれていると思います。

――本を血肉にして、行動につなげるための心構えのようなものはありますか?


池田紀行氏: 「意識的に生きる」ことではないでしょうか。むかし夜のニュース番組で、「あなたは今幸せですか」という質問を新橋や銀座の人たちに聞くという特集があったのですが、皆、「え?いま幸せか?うーん、考えたことなかったな…」といった感じなんです。当時の僕は、それを見て、「えー!ありえないー!」と驚いたことを覚えています。今幸せかどうかを考えたことがない、などということはありえないと僕は思います。意識的に生きてれば今自分が幸せなのか、不幸せなのか、幸せになるためには何が足りていないのか、どうやってその目標を達成するのか、ということを自然に考えるはず。今欲しいものはこれ、したいことはこれ、ありたい自分はこうだ、というピラミッドが、ある程度頭の中でイメージできるはずです。僕は、数値的、定量的にいつまでに何をするといったことを、若い頃からずっと習慣づけてきました。イメージ画像を部屋に貼ったり、手帳に書いたりして、夢や目標が長期記憶の引き出しの奥に入らないように、短期記憶のテーブルの上に出続けているよう、意識しています。その結果、意識的にイメージし続けている目標は、だいたい達成していると思います。

読者に伝わる表現を模索している


――どのようなことを心がけて本を執筆されていますか?


池田紀行氏: 僕が書いているのはビジネス書なので、マーケティングの現場で悩んでいる方々が読んで「なるほどな」で終わらずに「行動や仕事の仕方が変わるようなもの」を書きたいと思っています。あるべき論や理想論ではなく、自分にもできると思えるように、わかりやすく噛み砕いて書くことを大切にしています。自分が分かっていることは往々にして人も分かっていると錯覚してしまいがちなのですが、分からない人もいます。だから、書きながら「ここわかりづらいだろうな」という箇所は、丁寧に説明をしながら少しずつ前に進めていくことに気を配っています。『ソーシャルメディアマーケター美咲』という本もそういうコンセプトで書いた本です。

――『ソーシャルメディアマーケター美咲』は、漫画表現などが効果的に使われていますね。


池田紀行氏: ソーシャルメディアマーケティングは、読んでもイメージがつかみづらいことも多いので、読者の頭の中にくっきりとしたイメージができて、ちゃんと実務に活かせるよう本にしたい、という想いがありました。そのためには、手段は問いません。表紙がマンガだと馬鹿っぽいとか、ハードカバーの方が権威性がある、なんて声も聞きますが、僕の場合、「読者に伝わるかどうか」を最も重視していますので、その辺はあまり気にしていません。

――新しい本の形として、電子書籍についてはどのようにお考えになっていますか?


池田紀行氏: 僕が本やブログを書くのは、できる限り多くの人たちに、自分の伝えたいことが伝わってほしいからで、電子書籍の登場は、その手段が1つ増えたのだという考えです。

――電子書籍として読まれること、あるいは紙の本をスキャンして読まれることに抵抗はありませんか?


池田紀行氏: 紙の本でもスマホでもタブレットでも、読者の方が一番便利ないしは快適に読めるデバイスなりシーンなりで、僕の書いたものに触れていただけるのであったら何でもOKです。極端な話、ページを破いてカバンの中に入れて、その1枚が自分の中で消化できたら、ゴミ箱に捨ててもらっても構いません。むしろそのくらいの方が著者冥利に尽きます。

著書一覧『 池田紀行

この著者のタグ: 『チャレンジ』 『コンサルティング』 『ソーシャルメディア』 『マーケティング』 『変化』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
著者インタビュー一覧へ戻る 著者インタビューのリクエストはこちらから
Prev Next
ページトップに戻る