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世界中の本好きのために

池田紀行

Profile

1973年横浜生まれ。事業会社、マーケティング会社、ビジネスコンサルティングファーム、マーケティングコンサルタント、ネットマーケティング会社クチコミマーケティング研究所所長、バイラルマーケティング専業会社代表を経て現職。キリンビール、P&G、トヨタ自動車などのソーシャルメディアマーケティングを支援する。宣伝会議、JMA(日本マーケティング協会)講師。『ソーシャルインフルエンス』『キズナのマーケティング』(アスキーメディアワークス)『ソーシャルメディアマーケター美咲Ⅰ/Ⅱ』『Facebookマーケティング戦略』(翔泳社)など著書多数。専門分野においてメディア取材や連載など、各種メディアでも活躍中。

Book Information

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主体的に、前へ、前へ


――マーケティングの本も、その頃にたくさん読まれたのでしょうか?


池田紀行氏: ものすごくたくさん読みました。理論書から始まり、ブランドマーケティング、商品開発、マーケティングリサーチ、店頭や流通のメカニズムまでとにかく幅広く。診断士資格の学校でも、マーケティングの理論は勉強していましたので、さらに深堀していた感じです。僕が本を通して今の仕事の足場となる知識を吸収して、それを身につけることができたと思うのは、23歳から28歳の頃だと思っています。本で学んだことを、とにかくすぐに目の前の仕事に活かしてみる、ということを意識的に行っていました。僕の仕事人生のバイオリズムを折れ線グラフで書くとすれば、明らかにこの5年間で異常に上がっていると思います。

――その5年は勉強に打ち込んだ感じでしょうか?


池田紀行氏: うちの社是に「トライバルメディアハウス20訓」というのがあって、その中に「人の2倍働き、人の2倍遊ぶ。全てが仕事で、全てが遊びである」というものがあります。僕は20代の頃は「世の中で一目置かれる存在になるためには、マーケティング業界で頑張る人たちをごぼう抜きしていかなければいけない」と思っていたのですが、マーケティングは理論だけでは良いプランニングはできないわけです。消費者の考えを学ぶには、はやっているものに対する肌感覚が必要なので、遊ばなくてはいけないし、女の子を口説けなければ、人の感情の機微も分からない。その頃は眠ろうと思って寝たことがほとんどなくて、ドアを開けっ放しでスーツのまま床に倒れて、うつ伏せのまま朝を迎えたことも多かったです。とにかく全力で仕事をしているか、全力で勉強をしているか、全力で遊んでいるかという生活でした。

――その頃は、コンサルタントとして身を立てたいというお気持ちはありましたか?


池田紀行氏: 診断士の勉強をしているうちに、将来の目標が「社長になること」から「コンサルタントになること」へと変わっていきました。でも、25歳だった僕は、どうやってなればいいのか分からなかった(笑)。だから、当時のアンダーセンやボスコン、マッキンゼーなど、有名なコンサルファーム20社くらいに履歴書をアポなしで持って行ったんです。当然、全滅しましたけど(笑)。失うものなんて何もなかったので、怖いもの知らずだったのか、馬鹿だったのか、アポなしで履歴書を持って行くことにも尻込みすることはありませんでした。「Nothing to lose」が僕の座右の銘です。1冊目の本を書いたのも、出版社30社に、企画書を送ったのがきっかけでした。女の子を口説くのも同じなのですが、僕の場合、ただそこに突っ立っているだけで女の子から「あなたのことが好き!」なんて告白されることは絶対にない。何もしないで本を書いてくれ、うちの会社で働いてくれ、などと言われることはないんです。いかに自分が主体的に、相手を口説き落とすか、チャンスをつくり、ものにするか、ということでしか道は拓けない。その行動によって状況が上昇するか下降するかは分からないけど、確実に前には進むだろうというのが僕の考えで、すごく大切にしていることなんです。とにかく、行動あるのみ。前へ、前へです。

考え方が変わるからこそ、生きる意味がある


――その後、マーケティング会社、コンサルティング会社などで活動されてから、会社を立ち上げたのですね。


池田紀行氏: いまの会社をおこす前、29歳のときに、マーケティングコンサルとして独立したことがあります。事業はそれなりに順調でしたが、当時の僕は、このまま一生1人でやっていこうと思い、バイト1人雇いませんでした。自分以外の人生を背負うということが、小心者の自分にはできなかったんです。それから、コンサル時代の先輩に誘われて33歳のときに、ネットマーケティング業界に転職してきました。

――それから、いまの会社を立ち上げ、今度は社員を増やしていこうと思われたのはどうしてだったのでしょうか?


池田紀行氏: 見えざる手に導かれて、というのが正直なところです(笑)。今の会社は7人で始めたのですが、紆余曲折がありながらも次第に優秀なスタッフが増えて、現在は50人を超えるところまできました。今は、もっともっと世の中にポジティブな影響を与えられる存在になりたい、と思っているところです。正直言って、当時の自分の感覚から考えたら想像できない規模になっています。固定費を考えても毎月何千万円ですし、社員には家族もいますから、10年前の自分ではとても背負いきれないと思ったでしょう。僕は、人からよく「池田さんって超ポジティブだよね」と言われますが、本当はネガティブなのです。ネガティブというより、心配症。心配だからこそ、ありとあらゆるシミュレーションを立てて、何があっても大丈夫、と安心できるまで伏線をはっていくんです。これでどうだろう、こっちはどうだ、とあらゆる方向から検討してぐるっと1周すると、ほかの人からはポジティブに見えるみたいです(笑)。最近は、自分の思考が1周したらどうなるか、ということが分かってきたところもあるので、考えなくても「やってみなきゃわからないんだから、とりあえずチャレンジしようよ!」といった考えに変わってきました。

――行動を続けることで考え方にも変化があったということですね。


池田紀行氏: 僕は「それをやったら自分が自分じゃなくなる」という言い方が好きじゃないんです。その言葉には、今の時点で自分は完成されている、というニュアンスがあるように思います。でも、それでは成長できないし、自分の考えが変わらないんだったら、生きている意味がない。価値観や思想や信条も、今のものよりも変えた方がより成長する、自分のことをもっと好きになるといったように、良い方向に向かうのであればどんどん変えていけば良いと僕は思っています。その点で、僕は人や本との出会いが、どのような考えや価値観を持って毎日の意思決定をしていくかという意味で、僕に大きな影響を与えてくれていると感じています。

著書一覧『 池田紀行

この著者のタグ: 『チャレンジ』 『コンサルティング』 『ソーシャルメディア』 『マーケティング』 『変化』

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