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世界中の本好きのために

中山マコト

Profile

これまで25年にわたって、マーケティング、広告制作、コピーライティング、商品のネーミング考案、販売促進、集客を手掛ける。「自分以外の人のコトバ・発想から、売れるための材料を手に入れ、それを企画・コピーに落とし込んでいく」ノウハウを“キキダス・マーケティング”と名付け、2001年、「キキダス・マーケティング」を設立し、同時にフリーランスとなる。現在は“プロフェッショナルフリーランス”として活動。コピーライティング手法や文章術と合わせ、「売らない営業術」「失敗しない独立起業術」「人脈論」など、独自視点で多くの成功企業、成功店、成功者を生み出すサポートを続けており、主宰する「フリーランスの学校」の生徒は500人を誇る。主な著書に『「バカ売れ」キャッチコピーが面白いほど書ける本』『フリーで働くあなたを成功に導く101のルール』(以上、中経出版)、『フリーで働く! と決めたら読む本』『フリーで働く前に! 読む本』(以上、日本経済新聞出版社)、『40歳からの「捨てる!」人脈術』(学習研究社)など。

Book Information

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きっかけは誘われて行ったアルバイト


――その会社ではどのようなことをされていましたか?


中山マコト氏: 最初は、腕だめしに「アンケートをやってこい」と言われました。すごい量の質問がありましたが、終わらせると1個につき800円ぐらいもらえました。当時は時間がありましたので、うまくいけば15とか20件をクリアする日もありました。15件ならば1万以上稼げますので、当時としてはすごいいいバイトだったと思います。面白かったので続けていると、内勤を経て嘱託契約するという話になり、残業代も全部付いたので、月間20万ぐらいもらっていたと思います。仕事も好きになり、毎日11時ぐらいまで仕事をやっていました。そういった流れで社員になったんです。最初は企画のセクションに入ってデータの解析などをすることになったので、統計などをもう1回勉強し直しました。でも、元々僕は理系男子で好きな分野でもあったので「面白い。データ分析とか自分に向いてるいかもしれない」と思いながら、リサーチの企画書なども作ったりもしていました。リサーチの中には、グループインタビューっていうのが必ずあって、市場の様子を座談会のような形でお客様から聞いていました。仕切り、司会、進行は現場がやっていたのですが、ある時、僕が書いた企画書で結構大きい仕事が通ったんです。上司から「準備しておけ。おまえが書いた企画書なんだから、司会とかも今度からおまえがやるんだよ」と急に言われて驚きました。でも実際にやってみたら結構面白かった。

――そこが1つのきっかけだったんですね。


中山マコト氏: 「意外と人と話すのは楽しい」というスイッチが入りました。お客さんの言った言葉をクローズアップしてクライアントに渡してみたら、なかなか好評でした。それで、コピーを書いたり、商品の名前を付けたりという仕事もしていたら、「それはリサーチ会社の仕事じゃない」と言われて当時の社長と大喧嘩して、その日に辞表を出しました。仲間のたまり場のような居酒屋が会社のそばにあったので「今、会社を辞めてきたんだけど、コピーを書いたりキャンペーンをやったり、データの分析をして統計のシミュレーションモデルを作ったり、なんでもやる会社を僕はやりたいんだけど誰かやんない?」と言ったら3人手を上げてくれたんです。先輩1人と、同期1人と後輩1人。それから2カ月後にその4人で会社を作りました。その会社を8年間くらいやったんですが、そこでも社長と考え方が合わなくなって、それで自分でやろうかなと考え始めました。

「compact but dynamic」


――経営に関してはどのような思いがありますか?


中山マコト氏: 会社を興したら大きくして上場する。そのために資金集めするといった常識論は僕にはよく分からなくて、「上場をせずとも知る人ぞ知る会社」がいい。本気でやるのならば、1年間でものすごい数の仕事を担当できるはずがない。規模を追求しようと思うと絶対に仕事が粗くなっていくのは分かりきっているし、大きな仕事を受けると資金繰りが大変になる。だからコンパクトに利益重視。いい仕事をちゃんとしようと思ったら規模ではないのです。僕がその頃にいた会社で使っていたスローガンは「compact but dynamic」。それは今もあまり変わっていません。

――独立といった次のステージへと中山さんを動かす原動力はなんだったのでしょうか?


中山マコト氏: 自分が困っている時に色々と助けてもらったり、辞める前も応援してくれた人はたくさんいた。恩返しというのはちょっと大げさですが、そういう辛い思いをしてる人がいるのなら、サポートをしたいという思いが僕にはあります。常識といったものを鵜呑みにしているからだめになるということもあるので「それは違うよ」ということを教えたい。僕の周りにも保険の代理店をやっている人がたくさんいるんですが、なぜアポイントばかりを取ろうとするのでしょうか。「保険をやってます」という人がアポイントを取った瞬間に、相手は保険を売りにくると普通は思うはずです。

――警戒されるかもしれませんね。


中山マコト氏: それならば、保険の会社だと言わなくて会うためにはどうしたらいいかということを考えるしかない。最初からいい形で会えることでき興味を持ってもらえたら、その時は保険の話をして、別れ際に名刺を置いてくる。そうして、困ったことがあった時に自分のことを思い出してもらえればいいのです。そういう意味で、「売り込むよりも関係作りが先」ということを教えたいと思っています。

――どの業界においてもそれは一緒ですよね。


中山マコト氏: 時代がこういう風に変化していく中では、どのような人にも当てはまると思います。フリーランスや小さな会社の人は、自分を分かってもらうための効率といったものを追及するしかない。だから「相手の人がこちらに寄ってきてくれる仕組み」をお金と人手を使わずに作る以外に道はない。それを数年前に出した『うまくいく人が必ず持っている黄金の仕組み』という本でも書きました。時間は24時間、体が1個と限られた中でも、仕組みを作れば自動的に動いてくれる。その仕組みのエンジンが僕にとっては「言葉」なんです。個人の場合はキャッチフレーズ、企業ならば社名が、ある意味稼ぐシステムとなることもありますが、今は業種すら分からない会社名も多いです。新宿を歩いていても、どういう魅力のある店なのか分からない店が多い。「寿司屋です」と言うだけではなく、例えば、回転寿司屋で安いんだけど、三崎や塩竈みたいなマグロの専門の漁港とタイアップしていて安いブロックがたくさん手に入るから、「マグロはすごくいいものを安く出せる店です」と言われればマグロ好きが行くはず。そういったように、社名に自分が求めている言葉が書いてあると、すごく分かりやすいから、やはり「言葉」が重要だと僕は思うのです。

著書一覧『 中山マコト

この著者のタグ: 『映画』 『考え方』 『働き方』 『出版業界』 『言葉』 『アルバイト』 『独立』 『フリーランス』

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