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世界中の本好きのために

太田忠

Profile

1964年大阪府生まれ。関西大学文学部仏文学科卒業。国内を代表する人気アナリストの一人として、各種アナリストランキングにおいて5年連続「中小型株」部門トップに輝く。2003年よりJPモルガン・アセット・マネジメントにてマネジングディレクターならびにファンド・マネージャーを経て、2009年より現職。投資助言ならびにコンサルティング業務を行なっており、インターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」は高い評価を得ている。「とっておき中小型株投資のすすめ」「投資をするならこれを読め」「就職・転職 会社選びはここが肝心!」「株式市場は現在進行形」など著書多数。

Book Information

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地道な努力をして、社会に向かって仕事をする


――影響を受けた本や作家などはいらっしゃいますか?


太田忠氏: 渡部昇一さんが書かれている「書斎をちゃんと作りましょう」という考え。「自分の芝生を作って知的生産活動をすることが人生には必要だから、書斎のないお父さんになってはいけません。」という考え方に触れて、本当にその通りだと思いました。感化されたのは20歳ぐらいの時で、自分でも書斎を持って生活をしたいなと思いました。会社勤めをしながらそういう夢だけは心の片隅に持っていたので、徐々に本も増えていって、今は結構大きな書斎があるんです。『私の書斎』や『本棚が見たい!』という本も好きですね。色々な本に囲まれて生活していると、それが自分に伝染して血肉となり、力になるということを、30代の初めぐらいにすごく感じたんです。いずれ自分の本を出せればいいなとは思っていましたが、トップアナリストになって本を書く機会に恵まれました。日経で『トップアナリスト大予測』という、当時のアナリストにとっては憧れの共著の本があったのですが、業種1つに1人だけ書く権利が割り当てられていました。そのトップになったから本を書く機会をもらったわけです。それがきっかけで、この時に一緒に仕事をさせていただいた編集者さんから「太田さん、今度は単独で本を書いてみない?」と言われて、1冊目の『中小型株投資のすすめ』を出版したんです。それが、もう13年前のことです。



――「アナリスト」という仕事が執筆へとつながったという感じでしょうか?


太田忠氏: 結局、目の前の仕事をきちんとこなしてきたことが、どれだけ良かったかということなので、手書きでレポートを書いていた時代からのつながりなのだと私は思っています。でも、きっかけとなった「今日から君はアナリストだ!」というあの言葉がなければ、さらに言えばもし教員試験に合格していたのならば、今の私もいないわけだから、何が幸いして何が災いするか分かりませんね。

――今につながる1つ1つを選ぶ力、原動力は何だと思われますか?


太田忠氏: 生きるということは、毎日目の前のことをこなしていくこと。大学時代の先生で、谷沢永一という有名な国文学者がいて、著書の中で、「足元の草むしりからやれ」、つまり地道な努力こそ重要だということを書かれていて、私はそれに感動したんです。偉い人の真似をしても急には偉くなれないわけで、徐々に認められて世の中に知られていくのであって、そういう地道な努力が大事なのです。「私はなんでこんなに認められないんだ」と、自分の存在を嘆いてばかりいる人は、会社の中でも認められていないんじゃないかな。認められるには、まずは自分のいる部署で「あいつはすごい」と思われなければいけません。それが隣の部署へ伝わり、社内的に「彼はうちの会社の顔だ」という形になってようやく社会が知る。会社に向かって仕事をする意識は大事ですが、社会に向かって仕事をしないといけません。特に30代になるまでに、そういう意識で仕事に取り組むことが大事だと私は思います。

必要なのは、自分戦略


――ご自身の執筆に対する思いは何かありますか?


太田忠氏: とにかく準備体操が大事です(笑)。私自身が文学部出身で、証券会社に入った時に、仕事に関係することを何も知らなかったことが、とてもコンプレックスだったので、会社に入ってから証券の本を買って片っ端から読みました。それが、経済学部でも商学部出身でもない私が、投資書籍のブックガイドの本まで出版できた理由なのではないかと思います。私はたまたま証券業界でしたが、自動車業界には自動車業界の、コンピューター会社ならコンピューター会社に合った準備体操があると思います。その準備をするかしないかが、社会に向かって仕事をできるかどうかの差になってくると思います。だからこそ、準備体操は大切なのです。

――何か使命感のようなもの、読者へのメッセージはありますか?


太田忠氏: あまり「読者のためにこうしたい」とは思わないです。私の場合は、ワンマンショーのようなものなので、自分の今ある力で目いっぱい投げるだけ。それに賛同してくれる人がいれば、なおいいと思います。どのような立派な人生を送ったとしても、死んだら忘れられてしまうのです。人間1人なんて地球上で見れば本当にちっぽけで、歴史から見ても一瞬。「この人がこんな偉業をした」と言っても、結局大したことではないようにも思えてきます。そういう意味では、色んな細かなことに、あまり悩む必要もないと感じています。

私は、哲学は好きで、けっこう勉強しました。今でもプラトンなどを読んでいます。30歳ぐらいまでは自己研鑽や自己啓発本が大好きで、デール・カーネギーの『人を動かす』など、本当にたくさんの本を読んでいました。でも結局、人が成功するには、その人固有のやり方を見つけるしかないので、要するに「自分戦略」が大切だということが分かりました。そういう考えにたどり着いたので、それ以降は、周りを見ていても仕方ないと思って、一切自己啓発の本を読まなくなりました。

著書一覧『 太田忠

この著者のタグ: 『チャレンジ』 『音楽』 『原動力』 『投資』 『独立』 『アナリスト』

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