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世界中の本好きのために

村尾隆介

Profile

弱冠14歳で単身渡米。ネバダ州立大学教養学部政治学科を卒業後、本田技研に入社。 同社汎用事業本部で中近東・北アフリカのマーケティング・営業業務に携わる。 退社後、食品の輸入販売ビジネスで起業。事業売却を経て現職。 その成功ノウハウを、小さな会社やお店に提供している。 年間100本を超える講演・セミナーの分かりやすさとエンタテイメント性への評価は高く、雑誌等でも多く取り上げられる。 近著に『小さな会社のビジョンのつくり方、浸透のさせ方』(PHP研究所)、『「変える」は会社の毎日のお仕事』(朝日新聞出版)、『営業部は今日で解散します。』(大和書房)など。

Book Information

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対立している間に取り残される日本。


――あくまで選択肢が増えるということでしょうか?


村尾隆介氏: 対立構造は必要ではありません。僕らの「小さな会社のブランド戦略」に関しても、表敬訪問をされた時に真似されることに難色を示すのではなく、「みんなで盛り上げていこう」と僕が言ったのと同じで、そこで対立する必要はないと思います。紙でも電子でも、みんなで「この著者はいいことを言っているのだから、みんなでメッセージを広げていこう」というスタンスがいいと思います。

――対立ではなく、協力関係が望ましいということですね。


村尾隆介氏: 僕のように普段から日本人以外に触れ合う機会が多いと、日本がどれだけ置いていかれているかよく分かります。「ジャパンバッシング」から始まり、「ジャパンパッシング」、今はもう「ジャパンナッシング」とすら言われています。僕は日本の新聞ではなく海外の新聞を読んでいますが、アジアならば日本ではなく台湾や韓国の話題が出てきます。本来ならば日本がとるべきだった「国家ブランディング」戦略に関しては、韓国はここ5年ぐらいは目覚ましいものがあったと思います。だから、日本でささいなことでいがみ合っている状況というのは、中近東などの国々における内戦と全く同じだと僕は思っています。内戦がおこっているうちに、どんどん世界は先に進んでしまう。だからそういう対立構造ではなく、一緒に進んで行こう、盛り上げていこうという、そういう感覚は書籍の世界でも僕の仕事の世界でも必要なのです。電子であろうとなかろうと、「活字」という世界、もしくは「知識」や「教養」という世界で盛り上げていけばいいという僕の思いに耳を傾けてほしい、そしてもっと未来の方向へ目を向けてほしいと願っています。

――書き手としてのお立場から、今後の出版社や編集者の役割については、どうお考えですか?


村尾隆介氏: 僕の本も台湾や韓国、中国本土では出ていますが、これからは、もっと英語圏にチャレンジする日本の著者がもっと増えてほしいと思っています。日本の良質なコンテンツを、英語圏の人にも伝わるやり方を確立するのが、電子書籍の会社や、出版社のするべき大きなチャレンジではないでしょうか。漫画だけでなく、日本のビジネス書や自己啓発本も、英語、スペイン語、イタリア語、フランス語で出版された時に、日本の存在感や日本の知識人のあり方がまた変わってくると思います。ですから、出版社と、英語ができる著者に、英語で伝えていくというチャレンジをしていきましょう、と僕は提案をしたいです。英語で出版するのには、いろいろなハードルがあるとは思いますが、電子書籍などいろいろな発表の方法があるので、僕はこの状況を変えていく一翼を担っていきたいと思っています。

――そのように考えるようになったきっかけはありますか?


村尾隆介氏: ジョン・ディマティーニは、ダイヤモンド社から『ザ・ミッション』という本などを出していて、世界を220カ所くらい講演で回っている、自己啓発の権威で世界的な著者なのですが、彼が来日した時に、一緒に朝ご飯を食べる機会がありました。その時に、彼から僕のこれからのスケジュールを聞かれて、次の講演は名古屋だと答えた時、「僕はこのあとテヘランで、すぐホノルルで講演だ。名古屋ならばここから2時間。それだけ英語ができて、本も売れているのに、日本で小さく講演をやっている。おまえはそんな小さな人間じゃないだろ?もっと世界に出て行かないと絶対だめだ」と言われました。彼はその後もメールなどで、出版社などを紹介してくれて、その時、僕の心が動きました。僕自身に、「もっと英語圏でチャレンジしていこう」と思わせてくれたのは彼ですので、僕はジョンに感謝しています。

これからは社会作りの専門家へ。頑張る姿を見てほしい。


――今後の展望をお聞かせ下さい。


村尾隆介氏: 僕は10年間かけて小さな会社のブランド戦略という産業、世界を作ってきたと自分で思っていますので、まずはそのクロージングをしたいと思います。僕が書き残したと思う小さな会社のブランド戦略の本を出して、いよいよ国家ブランディングの本や国のブランド戦略の本を手掛けていきたいです。小さな会社のブランド戦略の重要性を、経営者などの影響力のある人たちにまずは認識してもらい、最終的には「国自体のブランド化」の意義を認識してもらうために、10年計画でやってきました。10年という節目を迎え、これからは「全てはこのためだった」という僕の行き着く姿を見せていきたい。次世代の人が、自分で自分の仕事を作り頑張っている僕の姿を見て「使命感を持って頑張ればできるんだ」という勇気を持ってくれたらうれしいです。そのためにも、後ろで構えてメッセージだけを届けるのではなく、いつまでもフォアランナーとしてビジネスの最前線にいるという「現場感」を大切にしながら、これからは、ビジネスから、社会づくりの専門家という顔を大切にしていきたいと思います。

(聞き手:沖中幸太郎)

著書一覧『 村尾隆介

この著者のタグ: 『コンサルタント』 『ビジネス』 『起業』 『留学』 『メッセージ』 『独立』 『ブランド』 『ブランディング』

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