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世界中の本好きのために

たかのてるこ

Profile

「世界中の人と仲良くなれる!」と信じ、60ヵ国を駆ける旅人。 映画会社の東映に勤める傍ら、プライベートで旅した映像をテレビ局に売り込み、本人が〈旅人〉と〈制作〉を兼任した旅番組(『銀座OL世界をゆく!』シリーズ)として放送する等、ユニークな活動を展開。デビュー作『ガンジス河でバタフライ』は、今や旅立つ若者の“旅のバイブル”となり、スペシャルドラマ化もされ話題に(のちにDVD化)。

2011年7月、18年勤めた東映を退社し独立。世界中の人々の魅力や、日本のすばらしさを伝える、ラブ&ピースな“地球の広報”として、紀行エッセイの出版、TV、ラジオ、講演、大正大学の非常勤講師など、幅広く活動中。
公式ホームページ】 【TABI-LIFE

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よしもとばななさんのアドバイスで、旅をライフワークに!


――29歳の時に『ガンジス河でバタフライ』でデビューしてから、会社員と作家の二束のわらじを履かれるわけですが、生活はどう変わりましたか?


たかのてるこ氏: 私はテレビ番組のプロデューサーをしていたんですが、休日出勤も当たり前、土日も常に電話がかかってくるような、ずっとオン状態の仕事だったんですね。だから、二束のわらじを履くようになってからは、もっと忙しくなって、プライベートは殆どなかったです。旅に出るチャンスが巡ってくる度に、その旅の経験を本にしていましたが、最後の方は3年に1度ぐらいしか旅に出られなくて‥‥。

会社を辞めてからは、旅に出られるようになったのが、一番の変化ですね。旅をライフワークにしたことで、私が変わったというよりか、人が私を見る目が変わった気がします。「ピースボートに乗りませんか」とか「インドでヨガ取材してみませんか」なんて話、会社員を続けていたら、絶対来なかったと思いますから。

――書かれるようになった直接のきっかけは、何だったのでしょう?


たかのてるこ氏: 友だちのよしもとばななさんが、あるとき銀座でランチを食べている時に、「てるちゃんは、人がなかなか経験できない面白い旅をしているんだから、それを形にした方がいいよ。てるちゃんの旅を、友だちのカメラマンに撮ってもらって、テレビ局に売り込めば、それがライフワークになるよ!」ってアドバイスしてくれたんです。

誰も知らない、私のようなOLが海外を旅したところで、果たして旅番組として成立するのかなぁと思いつつも、旅を表現したいと思ってもんもんとしていたので、よしもとさんの助言ですっかりその気になりまして。休みを10日間取って、大学の同級生だったカメラマンの友だちと、インドを行き当たりバッタリで旅しました。で、帰ってきてから、仕事の合間を縫って、インドの旅映像を編集してテレビ局に持ち込んだんです。なかなか企画が通らなかったんですが、2年後、ようやく自分の旅番組として深夜にオンエアすることができまして。会社員時代、数年に一度でしたけど、プライベートで旅した映像を編集して、自分の旅番組を作ってOAできたのは、会社員生活を続ける上で、すごく大きなモチベーションになりました。その後、全6作、DVD化することもできましたし。

――その、自作自演の旅番組がきっかけで本を書くことになられたわけですが、初めての本はすんなりお書きになれましたか?


たかのてるこ氏: 旅番組を見た編集者の方から「本を書きませんか?」と声をかけて頂いて、酔った勢いで「書きます!」と言ったものの、なかなか「書く」という作業に馴染めなかったですね。文章を書いたこともなかったので、初めの本を書き上げるのに2年もかかりました。

――むしろご自身では、しゃべる方が楽でしたか?


たかのてるこ氏: それまでは、旅から帰ってくると、友達ひとりひとりに旅の土産話をしてたんです。旅の写真を見せながら、「この国でこんな人に出会って意気投合して、家にお呼ばれしてね」みたいな感じで。旅の話を聞いてくれる友達がいつも、「こんな面白い話、私だけが独り占めして聞いているのが、もったいないぐらいだよ!」と言ってくれていたので、それが本を書く上で、すごく励みになりましたね。

初めは書くことに迷いもあったんですが、初めての本、『ガンジス河でバタフライ』を出したら、メールやお手紙をたくさん頂いたんです。それからは、私がいろんな国での旅の体験を書くことで、読んでくださった人が、その国や旅に興味を持つきっかけになればいいなぁと思いましたし、いろんな事情で今は旅ができない人でも、つかの間の旅気分を味わったり、未知の世界を一緒に旅してもらえたらいいな、と思うようになりました。

――文章を書くのは大変でしたか?


たかのてるこ氏: 仕事が忙しかったので、家に帰るのはたいてい夜中でしたけど、初めて本を書くことになったときは、毎日数行でも書くようにしてました。友達と気晴らしにお酒を飲みに行くのもガマンして、2年間、自分が先生で自分が生徒の文章教室に通っていたような感じでした。友だちにも「書く!」と宣言してしまったので、友だちから電話がかかってくると、いつも「どう? 書いている?」とか言ってくるので、みんな編集者みたいでしたね(笑)。

たかのさんの本を読んで、旅立つ人や国際結婚する人も


――たかのさんの本は、旅で出会った普通の人たちの写真がちりばめられているのが印象的です。そこにリアルなライブ感があるんですが、作品を出す時に、何か心がけていることはありますか?


たかのてるこ氏: 一番よく言われるのは「一緒に旅をしている気分になりました」という感想ですね。「読み終えると、自分の旅も終わってしまうような気持ちになって、読み終えたくなかったです」とか言ってもらえると、私も旅の最終日、よく(この旅が終わらなければいいのに!)と思ったりするので、あぁ一緒に旅してくれたんだなぁと思って、本当にうれしいですね。前に、85歳のおじいちゃんからお手紙をいただいて、「本を読んで、映像が頭にありありと浮かび、私も一緒にガンジス河でバタフライしました!」と書いてあって、(ええ!? おじいちゃん、死んじゃうよ!)と思ったりしましたが(笑)、ありがたかったですね。

――インドは、初めて行かれたころとは変わってきましたか?


たかのてるこ氏: インドの田舎は、全くと言ってもいいいぐらい、変わっていないですね。今も10億頭以上の野良牛がいて、牛の多さはハンパないですし(笑)。自然の中で動物も人間も一緒くたになって混沌としている風景は、たぶん100年後も変わらないだろうと思います。

でも、インドは行くたびに新鮮で、毎回驚かされる国なんです。インドに行ったのは今回で6回目だったんですけど、インドのことを自分はまだまだ何も知らないなと思うぐらい、新しい発見の連続でしたね。

――『ガンジス河でバタフライ』の冒頭に、「旅は恋に似ている」と書かれていましたが、今でもドキドキ感はありますか?


たかのてるこ氏: 本気で旅に恋してるんだと思います(笑)。恋も愛も情もあって、ずっと連れ添う友人であり、人生の師匠でもあるし。昔はバイトも長続きせず、自分のことを飽きっぽい性格だと思ってたんですが、旅に関しては飽きることがないですね。

――たかのさんの本を読んで旅に出たという人に、実際にお会いになったことはありますか?


たかのてるこ氏: 講演会で本のサイン握手会をさせて頂くことが多いんですが、私の本を読んで一人旅に行ってきたという方に出会う度に「よくぞご無事で‥‥」と思います(笑)。前に、講演会に子どもを抱いたお母さんがいらして、「たかのさんの本に影響されてラオスを旅して、ラオス人と恋に落ちて結婚しまして。今、そのダンナと里帰り中なんですが、これが子どもです」なんて言われて驚きました。チベット人やラダック人と結婚した人もいたし、考えてみれば、私が本に書いた国を旅して、その国の人と恋に落ちて国際結婚して、子連れで来てくれた読者の人に結構会ってますね。私が本を書かなければ、もしかしたらこの子はこの世に生まれてなかったのかなぁと思うと、ちょっと不思議な気分になります(笑)。今、東京や大阪といった都市では、国際結婚が10組に1人の割合になっていて、日本全体でも多い年には16組に1組位が国際結婚なんです。日本人が日本人とだけ結婚する時代は終わったんだなぁとつくづく思います。

著書一覧『 たかのてるこ

この著者のタグ: 『旅』 『海外』 『健康』 『エッセイ』 『きっかけ』 『ピースボート』 『国際結婚』 『夢』

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