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世界中の本好きのために

河合敦

Profile

1965年東京都町田市生まれ。地元の中学・都立高校卒業。青山学院大学卒業(文学部史学科)。早稲田大学大学院博士課程単位取得満期退学(日本史専攻)。「わが祖先を語る」を秋田書店「歴史と旅」に投稿、編集長に見いだされ、25歳で「歴史と旅」に寄稿。その後、歴史読本などにも寄稿、共著で本を執筆するようになる。第17回郷土史研究賞優秀賞(新人物往来社)。第6回NTTトーク大賞優秀賞を受賞。現役の高校教師として日本史を教えるかたわら、多数の著書を執筆。難しい日本史をわかりやすく楽しく教えるのがモットー。

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編集者との二人三脚は大切


――名残惜しい部分もあれど、少しずつ電子書籍へのシフトは進むと。では、その中で出版社、編集者の役割は、どうなるとお考えですか?


河合敦氏: やはり、今までの出版社は必ずしも要らなくなってきますよね。著者と編集者さえいれば、あとは別に出版社じゃなくてもお金を出してくれる企業やスポンサーがあればいいですし。編集者自身が有能であれば、作品を公開してうまく回していけちゃう。

誰でも簡単に、有料にして本にできちゃうことを思うと、今の出版社っていうものは今後、変わらざるを得ないんじゃないですかね……。構造的に必要なくなってきますよね。編集者というのも、電子的なことが分かってかつ編集ができる人が、重宝されるんじゃないですかね。

――ちなみに、先生にとって、こういう編集者はありがたい、というのはありますか?


河合敦氏: やっぱり作品を最初に読んでくれるのが編集者なので、しっかり読んでくれて、批判をくれる編集者がありがたいです。あとは営業上手な編集者。部数の決定とかも、今は営業側の力が強かったりするので。営業側の判断で初版を減らして、売り切れちゃって、一番売らなくちゃいけないときに本がないという大失態も、結構あることなんです。



出版は初動が命なので、出た瞬間、売れたらどんどん出して行くのがベスト。僕はこの辺りは幻冬舎さんがうまいなと思ってます。売れると思った本は、どんどんコマーシャルして。で、売れていると評判になると、またいいサイクルで、どんどん売れていくんですよ。

――マーケティングの力ですね。


河合敦氏: そうですね。その辺を営業側としっかり決めてくれる人がありがたい。編集者がうまくプレゼンをして、売れるのをアピールして。あとは、発売するまでの間に、「内容が難しいからこうしたら?」みたいな修正をしたり、章立てを工夫したり、売れるタイトルを付けたりと、そういうやり取りをしっかりやって。タイトルもとても大事なんですよ。ほとんど編集者がつけるんですけどね。

――先生も、そこの部分に関してはタッチされていない。


河合敦氏: タイトルはほとんどタッチできないですね。ときどき「どうしますか?」って聞いてくれる方もいますけど、最終的には編集部がつけるんです。鳴かず飛ばずでダメだった本を、違う出版社で同じ原稿でタイトルだけ変えて出したら、10倍ぐらい売れたなんてこともあって、タイトルって大きんだなと実感しました。

――そうなると、二人三脚というか、編集者の役割はやはり大きいのですね。


河合敦氏: 大きいですね。励ましてくれたり脅してくれたりしますもんね。

――脅しですか(笑)


河合敦氏: このままではクビになるから、早く書いてくださいとか(笑)。怖いですよね。フリーになれば少し時間の余裕ができるので。紀行文みたいなものがやってみたいです。司馬遼太郎さんの『街道をゆく』のように、いろいろ歩きながら歴史を語るといった感じで。

――それは本当に楽しみです。


河合敦氏: ありがとうございます。足を伸ばして取材するといった、今まで忙しくてできなかったことをやってみたいなと思っています。

――そこにはやはり、教育者としての目線も存分に入ってくる。


河合敦氏: そうですね、それを入れながらね。

――それは本当に読んでみたいです。教科書や小説では分からない、先生なりの視点で歴史がますます語られれば、歴史を好きになる子どもたちも増えていくのかなと。ご活躍を楽しみにしています。本日はありがとうございました。

(聞き手:沖中幸太郎)

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