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世界中の本好きのために

江口克彦

Profile

1940年2月1日、名古屋生まれ。愛知県立瑞陵高等学校を経て、慶應義塾大学法学部政治学科卒。松下電器産業株式会社入社後、昭和42年・PHP総合研究所へ異動。秘書室長、取締役、常務取締役、専務取締役、副社長を経て、平成16年・同研究所社長に就任。平成21年・退任。その後、執筆・講演を中心に活動していたが、「みんなの党」からの要請に応え、「地域主権型道州制」の政策を掲げ、平成22年7月の参議院議員選挙に出馬、当選。松下幸之助のもとで23年間、側近として過ごす。松下幸之助に関する多数の著作がある。松下幸之助哲学の継承者、伝承者と評されている。それゆえ、松下幸之助経営に関する講演依頼も多い。

Book Information

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日本は東アジアの外交で足元を見られている


――例えば今の日本の現状というのは、ビジネスの世界に置き換えるとどんな会社のようになっていますか?


江口克彦氏: 言ってみれば自分の特許を侵害されても、黙っているというか、そのうちに乗っ取られてしまう、どっちが本家かがわからなくなってしまうというような状態じゃないですかね。会社もつぶれて株主も大損するというのは、日本がつぶれて国民が大損するというか、大迷惑を受けるというのと一緒ですよね。

――今、そういう道を歩んでいるのでしょうか?


江口克彦氏: 結局、根本は民主党の外交政策の稚拙さというか、拙劣さに尽きるわけですよ。だいたい鳩山さんの時にね、民主党政権が中国とアメリカに、日本は正三角形の外交をやるなんて、こんなばかなことを言うからダメなんですよね。そのことによって、アメリカは日本に不信感を持っちゃったわけですよ。やっぱり日本はアメリカにぴったりと沿ってくれるものだと、そういう日米同盟があるんだという思いをアメリカは持っていたと思うんだけれども。そんなアメリカの日本に対する期待を破るような、中国とアメリカと等距離だなんてことを言ったら、アメリカは日本に対する不信感を持ってしまう。そうするとアメリカは民主党政権の日本はそんな考え方なのかということで、柔らかな穏やかな軽視という状態になってきているわけですよ。アメリカがあっての日本というものをロシアも韓国も中国も見てきたのに、アメリカが日本を穏やかに軽視し始めたら、北方領土・竹島・尖閣に乗り込んでいっても、アメリカは日本をそんなにサポートすることはないなと思われてしまう。言ってみれば、民主党政権の外交では、東アジアにおいて弱みを作ってしまった。それで北方領土や竹島や尖閣で、問題が起こるようになってきた。足元を見られちゃったわけですよ。日本に対して領土侵犯をしても、アメリカは日本を助けないだろうと、日本を少なくとも強力にサポートはしないだろうというような思いを持っちゃったから。どんどんロシアも出てくるし、韓国も中国も出てくるということになってしまったわけですよ。だから今日、領土主権が脅かされているのは、まったく民主党政権の拙劣な外交政策によるということが言えるんじゃないかと思います。

国会議員はまじめな人がほとんど


――先ほどのお話に戻りますが、議員としての本分を全うされている方は、江口さんから見て、どのくらいいらっしゃいますか?


江口克彦氏: 国会議員の多くの人たちは、本当にまじめに政治家をやって、国のことを思い国民のことを思っていますけど、具体的に何人かということも言えないけれども、感覚的に言うならば、やっぱり2割~3割ぐらいの人は、政治家を単なる生活費稼ぎ、職業としてしか考えていない。政治家としての仕事は少ないほうがいい、あるいは研究会でも、審議会でも委員会でも発言しなくてもいいと、したくないというような先生方が2割~3割いるというのは確かですよね。

――2割~3割の方を見て、国民は批判したりしてしまう可能性があるんですね。


江口克彦氏: そう。だからそういう人たちによって、国会議員のイメージが作られて、国民によって批判されるというのは、まじめに国会議員をやっている者からすると悲しいとも思います。しかしだからと言って、そういう目で国民が見るのはけしからんということは言えないわけです。少なくともそういう2割~3割の人たちがまじめに政治家をやっていない、言ってみれば税金泥棒だというようなことであるとするならば、私からすれば少なくとも早急に国会議員の3割ぐらいは、削減してもいいんじゃないかなと思う。だから国会議員の定数なんて、衆議院は300人、参議院は100人でいいと思っているんですよね。もう本当に国のことを、国民のことを思いまじめに政治家をやる人たちだけにしたほうがいいんじゃないかと。議員会館でも毎日来ているのは、もう数人。私なんかは毎日来ているからわかりますけれども、周囲を見ているとほとんど来ていないですよね。

――そうなんですか。


江口克彦氏: 何をしているのか、どこにいっているのか、よくわからないけれども。そういう人たちって、私の仲間の国会議員であるというのは、非常にいらだちを感じるし恥ずかしいと感じる気持ちが強いですよね。

国会議員を選ぶ有権者にも責任がある


――ただ、そういった国会議員を選ぶのも国民なんですよね。


江口克彦氏: そうなんですよ。だからね、昨日までスポーツをやっていた選手が突然に国会議員になる、タレントをやっていた人が立候補して国会議員になる。そして当選の時のインタビューに答えて、「私は政治がよくわかりませんから、これから勉強してちゃんとした国会議員になりたいと思います」なんて、そんな人を国民が選ぶ。AKB48の総選挙じゃあるまいし、そんなレベルでかなりの得票を得ているというのは、やっぱり国民の人たちにも考えてもらわなければならないと思うんですよ。国会議員が仕事をやらないとか、国会がうまく機能しない、それはけしからんとか言うんだったら、もっと真剣に国民が考える必要がありますね。そういう人たちを落とすぐらいの真剣な選挙をするならいいけれど、有名であるというだけで50万票、60万票とっていく。そんな選び方をしておいて、今さら国民が「国会議員はけしからん」と言う資格はあるのかということです。まあすべての選挙民が、そういう人たちばかりではないんですけど。やっぱりそういう人たちがでたらめの得票数を得て当選している事実を見ると、私は有権者も反省してもらわなければならないと思いますね。有名だからと言って政策も持っていない人を当選させていくことは、やめてほしい。国会議員がけしからんと言うんだったら、そういう国会議員を選んだのは誰なんだというところまで考えてほしい。近々総選挙があるんですけど、国会が何にもやらないとか、国会議員がちゃんとした仕事をやらないとか、国会議員は何をしているんだと国民もマスコミもいろいろ文句を言うんだったら、今度の総選挙で、よく政策を見て選んでほしいですね。

――確かに有権者はもっとよく考えて選ばなくてはならないですよね。


江口克彦氏: もう一つ、マスコミも政治家や国会議員はけしからんとか、仕事をやっていないとか批判は政治家として甘んじて受けますけど、そういったことを言うのと同時にそんな国会議員を当選させた国民の責任というのも問うてもらわなければいけないと思う。それをマスコミは一言も口にせずにね、ただ政治家が悪いと言う。政治家は勝手になっているわけではなくて、国民が選んでいるわけですから、政治家が悪いというのは、取りも直さず国民が悪いということになります。みのもんたさんなんかは朝ズバッ!なんかで「今の政治家は!」なんてよく言うけど、そう言うんだったら、そういう政治家を選んだ国民を、「なんでこんな人を国民は選んだんでしょう、国民はもっとまじめに候補者の政策を読むなり、真剣にならないと、結果はこうなるんですよ。国民のみなさんもっとしっかりしましょうよ」と、国民にも言ってもらわないと困ると思います。だから、政治家を非難したり批判したりしていても、いつまでたっても直らないですよ。それよりも国民を批判してもらわないと。選挙する人を批判するなり、あるいは教育してもらわないとダメだと思いますね。

印象に残っている本は『政治心理学』


――江口さんは松下幸之助の哲学の伝承者で、よどみのない、見た物の本質をおっしゃっていると思います。江口さんの今の理念、行動につながるところを学生時代のころからお伺いしたいと思います。今まで先生はどんな本を読んでこられたんですか?


江口克彦氏: 私は中学生のころは夏目漱石とか森鴎外だとかの作品をほとんど読みました。高校・大学に入ってからは政治学の本を読んでいきましたし、今では、自分の専門の地域主権型道州制に関する本や、今いくつかの委員会に入っていますから、関連の本を読んだりしていますよね。毎日のように本が送られてきますが、すべてに目を通しているわけではありません。はっきり言ってつまらない本も来ますし、自分の専門外の本も来ます。しかし自分の関心のあるものや、自分の専門の本に対しては一応目を通すことは今でもやっています。

――人生の中でとても印象深い、今でも先生の行動に影響を与えている本を1冊あげるとしたら何になりますか?


江口克彦氏: 政治関連でいうと、中村菊男という慶大教授の書いた『政治心理学』(世界書院)という本ですね。50年ほど前になるんですけど、この本は印象に残っているし、そのころ呼んだエーリッヒ・フロムの『自由からの逃走』(東京創元社)なんて本も頭の中に残っていますね。『政治心理学』なんて、今でも読み返すこともあるし、影響を受けていますね。

――『政治心理学』を最初に手に取られたのは、どういったきっかけでしたか?


江口克彦氏: 中村菊男というのは、私のゼミの先生です。私はそのゼミの先生の影響を受けているし、ゼミの先生の言っていることは今でも、私は政治を考える上でも、政局・政界を考える上で重要だと思っていますね。

――では先生のお考えは、中村先生から受け継がれたものなんですか?


江口克彦氏: そうです。まあ、私は教授にかわいがられたということもあるし、尊敬もしています。40年ほど前に55、56歳ぐらいで亡くなられてしまわれたんですけど、私はどこでも教えていただいた言葉を書いた色紙をまだ飾っています。「人生は闘争なり。素志貫徹。」人生は常に戦いであるということですよね。それは何も人との戦いだけではなく自分との戦いでもあるわけです。悔いのない一生、人生を過ごしたいと思っています。

著書一覧『 江口克彦

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