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世界中の本好きのために

細谷功

Profile

1964年12月7日、神奈川県鎌倉市出身。東京大学工学部卒業。卒業後、株式会社東芝にて原子力技術者(約8年間)を務め、その後、ビジネスコンサルティングの道へと進む。コンサルタントとしての専門領域は、・業務改革(新製品開発、営業・マーケティング、生産領域)・戦略策定(技術領域、システム領域等)・グローバルERP導入、・プロジェクトマネジメント・チェンジマネジメント等と幅広い。著書に『地頭力を鍛える』『アナロジー思考』(東洋経済新報社)、『Why型思考が仕事を変える』(PHP新書)、『象の鼻としっぽ』(悟桐書院)等があり、思考力に関連した講演やワークショップ等も企業や学校、各種団体向けに多数実施している。

Book Information

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アメリカの電子書籍は、現在Kindleが主流


――細谷さんご自身、電子書籍は利用されていますか。


細谷功氏: Kindleを利用しています。最近、Kindleはマーケットとして、かなり完成度高くなってきているような気がしますね。

――普通の書籍と電子書籍だと、どちらのほうが利用する割合が高いのでしょうか。


細谷功氏: まずは雑誌に関しては、かなりの割合で電子版を利用する率が高くなってきています。その理由は、やはり「いつでもすぐ買って読めること」。中吊りやCMなどで見出しを見た瞬間に、iPadなどの電子媒体でパパパっと買える。これは、雑誌のようにすぐに読みたいメディアに対しては、一番のメリットですよね。検索性も高いですし。

新聞に関して言うと、以前から何度か電子版と紙との間をいったりきたりしていたのですが、最近、また電子に戻って、それが現在定着しつつありますね。

そして、書籍はなどの単行本というものに関しては、まだやっぱり持ち歩いていますよ。常に10冊くらいは持ち歩いている感じなんですけど。

――10冊! すごい数ですね…。


細谷功氏: 電子版を取り入れたことで、「慢性の肩こりが解消できるかな?」と思っていたんですけどね…。でも、結果的に何が起こったかというと、日本語の本は全く減らずに、「iPad」とか「Kindle」という「ちょっと重い本」がさらに一冊増えたという感じでした(笑)。

なぜ5 冊も10冊も持ち歩いているのかというと、仕事の参照図書なんです。たとえば、色々なトピックが出てきたときに、「さぁ、このトピックやろう」と思ったら、そのトピックに関連するものをガーッと引っ張ってくるんです。そして、いっぺんに10冊とかまとめ買いして、それを常に読むんですけど、全部を端から読むわけではないんですよ。「10冊全部読んでいるのか」と言われると、下手すると半分ぐらいはまったく読まなかったりする。こうした使い方をする本に関しては、本当は電子の方が圧倒的に有利なのですが、日本語ではまだコンテンツが非常に少ないので、全部の本を持ち歩かざるを得ないんです。

反対に、本当にカバートゥカバーで読むのであれば、紙の形状で持ち歩いているほうが、読みやすいとは思いますよ。

日本で電子書籍が発展するには、ユーザー側がそろそろ「まとめる」必要がある


――今後、日本において電子書籍はどういった使われ方をしていくと思われますか。


細谷功氏: なんでもそうなんですけど、物事には「発散」、すなわちダイバージェンスという時代と、「収束」を意味するコンバージェンスの時代がある。発散から収束に向かう課程で、製品ライフサイクルには、アーリーアダプター(Early Adopter)、いわゆる「新しい物好き」がいる。

電子書籍は、いまインターフェイスもいろいろと存在しています。アーリーアダプターたちが使っているうちは、色んな機能があって、ある者はアプリから、またある者はウェブから入る、というように、いろいろと入り口が違うんです。



さらにインターフェイスの種類がいろいろとあるわけですが、「新しい物好き」はこういうものの比較対象も楽しむんですよね。「この中で、これがいいよ!』って回りに発信すること自体が、この人たちの楽しみなわけだから。いよいよ商品が大衆化しようとしたときには、ユーザーインターフェイスがちゃんと統一されていなければいけない。今は、個別の機能や、出版社、端末の種類など、いろいろと差別化ポイントがありますが、今度はこれをまとめていく作業が必要。そういった流れを経てはじめて大衆化されたといえるんですね。

最終的には、全ての電子書籍がポータル化していくことが必要ですね。ユーザー視点で見ると、今は提供者がいっぱいいて、色んなデバイスが出されていますが、これをユーザー側の方でまとめなくちゃいけない。多分この流れが電子書籍でも起きないと、ぐっとブレイクポイントにいかないような気がします。

――ハードひとつにしても、いろいろありますもんね。


細谷功氏: 電子書籍もそうですけど、入り口が全く違います。まず、端末が違います。iPadから入るのか、iPhoneから入るのか。それとも、Kindleから入るのか。これは便利な方に行きますよね、外でiPhoneを使っても、家に入った瞬間にiPadで次のページが読めるとかね。

あと、アプリにしても、リーダー形式のアプリから行くものもあれば、雑誌のポータルみたいなところからもあれば、Wifiのストリーミングからもあれば、ダウンロード型もある。とにかく、色んなものがある状態です。

それから電子書籍の保存形態も、ストリーミングやローカル保存など、ユーザー側が選んでやらないといけないという状態が今の状態。それがメーカー側にすれば、差別化のポイントになるということなんで、それをどんどんまとめていくことだと思います。

色んな業界で、この現象は起っています。たとえば、パソコンのOSしかり、ビデオのVHSとベータの話もしかり、現在のブルーレイとHDもしかりで、結局、最初のうちは差別化するから色んなものが出されていく。でも、結局統一された瞬間にマスにワーっていくというのは、すべてにおいてそうなっていると思うんですよね。

――現在、電子書籍市場に一つひとつあふれている差別化ポイントを、キレイにまとめていけば、大衆化=マス化に繋がりますよね。


細谷功氏: たとえば、アメリカではKindleが事実上の標準(=デファクト)になりつつあるようですから、もうアメリカはマスの状態に近づいているようですよね。Kindleには読みたい本は全部あるので、アメリカでも大衆化への過程はもちろん経たんでしょうね。でも、やっぱりAmazonの強さというのが圧倒的にデファクトとしてあるので、ベンチャーなども出たけれども、あくまで傍流にしかなれなかったというところでしょうか。

一方、日本は完全に本流が枝分かれしていますよね。国道の真ん中が大渋滞しているような感じです。アメリカでは高速道路みたいなものがバーンと通っていて、一般道では色んな人が色んなことをやってる。でも、今後、アメリカのような時代になっていくというのが、日本の電子書籍業界の流れのような気もします。

著書一覧『 細谷功

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