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明橋大二

Profile

昭和34年、大阪府生まれ。京都大学医学部卒業。 国立京都病院内科、名古屋大学医学部付属病院精神科、愛知県立城山病院をへて、真生会富山病院心療内科部長。専門は精神病理学、児童思春期精神医療。 また、児童相談所嘱託医、スクールカウンセラー、NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長も務め、著書『子育てハッピーアドバイス』(1万年堂出版)シリーズは累計450万部を超える大ベストセラーとなっている。 そのほかの著書に『見逃さないで! 子どもの心のSOS 思春期に がんばってる子』(1万年堂出版)、『Dr.明橋の 生きるのが楽になる たったひとつの言葉』(主婦と生活社)など。

Book Information

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自己肯定感を持って、互いに支え合える世界を


――自己肯定の大切さを伝えられています。


明橋大二氏: 人は、他人から必要とされるということほど、支えになるものはありません。これは子どもだけではなく、大人にも同じことが言えます。自殺や “暴走老人”の問題も根底には「誰も自分を必要としてくれない」という思いがあります。そういった思いを持たないために、自己肯定感が必要なのです。お金があっても寂しい思いをしている人もいますし、逆にお金がなくても、すごく豊かな生き方をしている人もいます。たとえ学歴がなくても、人とのつながりの中で支え合って、幸せに生きている人はたくさんいます。『五体不満足』という本を書いた乙武さんも、自己肯定感を口にしています。大切なのは、今の状況を肯定的に捉え、認めることです。

――それでも心が折れそうになったりした時は。


明橋大二氏: それを保つのも、やっぱり人とのつながりだと私は思います。有名な精神科医の斎藤環さんは「人薬(ひとぐすり)」と言われています。 “生きる意欲”を支えていくものは、「あなたのことが大切だよ」とか「あなたがいないと困るよ」というような温かい言葉なのです。自分の辛さをわかってくれたり、自分のことを心配してくれている人の言葉が何よりの薬だし、それによって立ち直っていくこともできます。

精神科の薬は医者でないと処方できませんが、人薬は、どんな人でも処方できます。親から子どもへ、それから同僚同士で声をかけ合うこともできるし、お年寄りに対してもかけることができます。お互いに「あなたが大切だよ」と言い合えるようになれば、もっと生きやすい世の中になっていくと信じています。多くの感想が寄せられますが、これからも心の支えになれる本を書き続けたい、届けたいと思います。

今取り組んでいるのは、「輝ける子」の原稿をもとにして、その後書いたQ&Aなどを加えた本です。「輝ける子」を世に問うて、13年たちますが、子どもたちをめぐる状況は、まったく変わっていないどころか、さらに悪化しているのではないかとさえ思います。
主に小学生の子どもに関わる親や先生、地域の人に読んでもらいたいと思っています。

(聞き手:沖中幸太郎)

著書一覧『 明橋大二

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