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明橋大二

Profile

昭和34年、大阪府生まれ。京都大学医学部卒業。 国立京都病院内科、名古屋大学医学部付属病院精神科、愛知県立城山病院をへて、真生会富山病院心療内科部長。専門は精神病理学、児童思春期精神医療。 また、児童相談所嘱託医、スクールカウンセラー、NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長も務め、著書『子育てハッピーアドバイス』(1万年堂出版)シリーズは累計450万部を超える大ベストセラーとなっている。 そのほかの著書に『見逃さないで! 子どもの心のSOS 思春期に がんばってる子』(1万年堂出版)、『Dr.明橋の 生きるのが楽になる たったひとつの言葉』(主婦と生活社)など。

Book Information

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“心”に直接、関わり合いたい



明橋大二氏: 5年生になり大学に戻った頃、高校時代から一番仲の良かった友人が、精神的な病気で入院してしまいました。その後、回復しましたが、当時の私にとっては身近な人間の出来事に、衝撃を覚えました。それが、精神科に進むきっかけになりました。また、音楽雑誌の仕事で知り合った世界には変わった人も多く、そこで考えたことも大きな動機でしたね。そういう世界と接する中で「やはり世の中は、そんな簡単に割り切れるものじゃない。もっと深いところに何かがある」と考え、“心”に、直接関わる精神科の仕事に興味が出てきたのです。

父親も進路について色々と心配してくれていたのか、ある時、九州大学の池見酉次郎先生の『心療内科』という本を教えてくれました。今はポピュラーになりましたが、“心療内科”という言葉は、当時珍しいものでした。その本には、ストレスによって体の異常がおきたりとか、カウンセリングで心を癒やすことによって体の症状が治っていく、という実例が記されており、ぜひ自分も実践したいと思いました。その後、2年間、国立京都病院で内科の研修をして、精神科に入り、今に至ります。

お母さんへの応援メッセージ


――現場から見えてくる、さまざまな気づきを発信されています。


明橋大二氏: 精神科で、医師として自分が目の当たりにしてきたこと、そこで感じたことなどを講演で話すようになりました。その講演録を、たまたま1万年堂出版に就職していた私の同級生に読んでもらったことが、本を書いて伝えることへとつながっていきました。医者の世界では当たり前だと思っていた自己評価や自己肯定感という話が、世の中に役に立つことを知り、ぜひ本にまとめましょうということで出来たのが『輝ける子』でした。多くの方に読んで頂き、版を重ねたことで求めている人々の存在を感じることとなり、それから本で様々なメッセージを書かせて頂いています。専門家の書いた分厚い辞書のようなものは、忙しいお母さんには届きません。私がメッセージを届けたいお母さんに向けて、家事や育児で忙しい中でも、わかりやすく読めるものを心がけています。

――『子育てハッピーアドバイス』シリーズも、漫画付きですね。


明橋大二氏: それまでの『輝ける子』『思春期にがんばってる子』『翼ひろげる子』『この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ』の4冊は、文字中心の体裁でしたが、宣伝のためのパンフレットを作ろうという話になった時に、今までの本の内容をマンガにできないかということで、1万年堂出版の社員である太田知子さんが描いてくださったのです。

マンガにすると、発売二週間で書店から本がなくなってしまいました。限られた層を対象にした育児書がベストセラーになるのは珍しいことで、毎日、読者カードが数百枚寄せられて、マンガという媒体の反響のスゴさに驚きました。

――マンガにすることで、さらに多くの読者に届いたんですね。


明橋大二氏: 不安を抱えつつ、「これでいいのかな?」と思いながら子育てしているお母さんも多いと思います。まわりから「お前の育て方が…」と言われると、ますます不安になってしまいます。私は、常に「心の土台は自己肯定感だ」と言っています。それは親にとっても同じなんです。懸命に子育てをしている親御さんを認め、サポートする姿勢が大切だと感じ、その気持ちを本に込めました。育児書にマンガを取り込んだことで、思わぬ副産物もありました。

――何が起こったのでしょう。


明橋大二氏: 育児書を子どもが読み始めたのです。「お母さんの苦労がわかりました」という愛読者カードが8歳の女子から送られてきたこともありました(笑)。素晴らしいことですよね。

子どもは子育ての当事者なんです。当事者の意見はとても大切で、子育てに関しても、当事者である子どもの存在抜きでは出来ません。今までは、当事者でありながら、自分が本来どういう風に育てられるべきかということが、子どもにはわかりませんでした。それがこの本によって知り、意見を言えるようになったのです。「子どもとのコミュニケーションのきっかけになりました」という感想もあります。思春期の子になると、親に読んでほしい箇所に付箋を付けて、テーブルに置いていたりもするそうですよ(笑)。

著書一覧『 明橋大二

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