BOOKSCAN(ブックスキャン) 本・蔵書電子書籍化サービス - 大和印刷

世界中の本好きのために

陳満咲杜

Profile

1992年に来日し、生活費と学費をアルバイトでまかないながら、大学時代より株投資を開始。中国情報専門紙の株式担当記者を経て黎明期のFX業界へ。香港や米国の金融機関で研修を重ね、トレーダーとしての経験を積む。GCAエフエックスバンク マネージングディレクター、イーストヒルジャパン チーフアナリストを経て独立。日本、中国、台湾地域をカバーした執筆、講演、情報サービス、投資家教育などの活動に取り組んでいる。日本テクニカルアナリスト協会検定会員。 著書に『基本にして最強GMMA+RSI二刀流FX』(扶桑社)、『FXチャート分析 マスターブック FX プライスアクション 成功の真実』(実業之日本社)など。

Book Information

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

投資の世界へ


――大学在学中に株式投資を始められたそうですが。


陳満咲杜氏: 株式投資を始めたのは、96年頃でした。アルバイトの収入では限界がありましたし、もっとお金を稼ぐ必要がありました。でも当時は、学生で株をしている人はあまりいませんでした。日本人の学生に「なんで株をやらないの」と聞くと、「お金がない」と言うんです。女の子には「親父くさい」と言われるし(笑)。口座を開いた大和証券の窓口の女性は「学生で口座を開く人は初めて」と言っていましたが、所得は投資のほうがリターンが高く、有望性があるというのは分かっていましたから。実際は失敗していますけどね(笑)。

――株式投資の知識はどうやって身に付けたのですか。


陳満咲杜氏: 私が学生の時に最初に買った、北浜流一郎さんの株の指南本が、今でも活躍しています。北浜さんは有名な人で、書店に本がたくさん並んでいたんです。しかし、チャートブックは高価なので、青山ブックセンターの六本木店で毎晩立ち読みしていました。本に書いてあることを覚えて、夕刊も見て、好きな銘柄も記憶してあとで手書きしたり、そういうことをしていました。それから証券会社の端末からも情報を得ていました。確かに周りは、おじさんおばさんばかりでしたね。

その後、株式投資の経験を生かそうと、中国株や香港株について記事を書く仕事の求人に応募しました。自分の好きなことができるというのは一番いいですよね。私は株を分析したり文章を書いたりするのも嫌ではなかったので、そこへ行くのがいいのではと思いました。株式担当記者は、1年半から2年ぐらい務めました。当時、中国系アメリカ人が、日本でFXの会社を設立したいということで、私が書いた株の記事を見て「FXに興味ありませんか」と電話をかけてきたのです。私は、もともとディーリングをやりたくて、興味があったので働くことに決めました。何年間か働いて、成績も一番良かったんですよ。その後、香港や米国と経験を積んで独立し、今にいたります。独立すると将来が保証されていないとか、不安定だとか言われていましたが、無理をしたり、ストレスに耐えていくことも、最初から覚悟した上でのことでした。

本を読むことで見えてくる新たな景色


――ブログ「陳満咲杜の為替の真実」でFX取引について発信されています。


陳満咲杜氏: このブログを見た出版社の方が、声をかけてくださり、私の最初の本『着物トレーダーを卒業せよ 陳満咲杜の為替の真実』を出版するに至りました。ブログを始めたのは、日本の誤った投資コンセプトを正したかったからです。当時書かれた本で、ドルを買ってさえおけば、放っておいてももうかる…、という本がありました。みんなスワップ金利で。これが間違っているということを正したかったのです。私がブログを書くのは、自分の名前を売ることが目的ではなくて、先進国の日本として、粗末な投資をするということが情けないと思ったからなのです。



――想いを「本」に込められているのですね。


陳満咲杜氏: 本は実際の生活の中には見えない部分を、見せてくれるところが大きいですね。
例えば、山場を越えないと次の景色は見えないから、じゃあ次の景色が何かというのは、少なくとも本がないと分かりません。海外へ目が向いたのも、本をたくさん読んだからというのも大きいと思います。私の家は、本をよく読む家庭でしたから。「家に本棚がある」と言うと「すごい」と言われました。当時はロシアの小説がいっぱいありました。『アンナ・カレーニナ』もありましたしね。今は、海外のヘッジファンドの話を読んでいますが、「そういうところへ行きたいな」と思ったり常に新しい景色を本は見せてくれます。

また、私は絵が好きなので、そういうオークションの本はよく取り寄せています。これは、ベルナール・ビュッフェの絵のカタログです。彼の絵が好きでコレクションもしています。玄関に飾ってある絵もそうです。インテリアの本も好きで、これは女房が出張した時に「買ってきて」と頼んだフランスの本です。私は、良いと思った本は、英語、中国語そして日本語があれば全部買います。比べて見ると、翻訳によって微妙に違っているのが面白いですね。繰り返し読んでいるのはマーク・ファーバー氏の『トゥモローズゴールド』という本です。これはお勧めの一冊です。最近は、他にも全然相場ではない本も読んでいます。

――チャートを立ち読みして勉強されていた頃と比べて、今はPCやタブレットなど電子端末で情報を得ることが容易にできますね。


陳満咲杜氏: 私もKindleを持っています。本も買っていて、結構いいと思っています。日本語や英語の単語が分からない時でも、タップすると、辞書で調べることができて便利ですよね。FXや株の分野にも広がっていく可能性はあると思います。FXはチャートなので、チャートの部分をタップすると拡大できるとか、チャートの画面を動画形式で読めるリンクを貼るといった機能があればいいですよね。

電子書籍で読むのは、だいたいが小説です。最近買ったのはテレビドラマ「半沢直樹」の原作『オレたちバブル入行組』、『オレたち花のバブル組』の作者、池井戸潤さんの最新作『銀翼のイカロス』です。あと、私はあまり漫画は読まないのですが、Kindleにヤングジャンプコミックスの『甘い生活』という無料漫画が付いていて、結構読みましたね。読みやすくていいと思いました。結婚して、家を引っ越した時に本はだいぶ捨ててしまいましたが、一度手に取って読んで、感触をつかんだあとであれば、残しておきたい本などは、スキャンして電子書籍にしておけばいいなと思います。本を経由した形でスキャンするのがいいと思いますね。

この『男の服装術』はヨーロッパの伝統なので、英語のものを読めばいいと思うかもしれないけれど、私は日本のセンスを経由したからこそ、自分が受け入れやすいと思っています。日本人が選んだものは、中国人にも合います。東洋人の体に合ったセンスというのはいいんです。私はアメリカに行っても、サイズもセンスも合わなくて、服は全然買えませんでした。

著書一覧『 陳満咲杜

この著者のタグ: 『英語』 『漫画』 『コミュニケーション』 『海外』 『可能性』 『紙』 『歴史』 『日本』 『アジア』 『テレビ』 『投資』 『本棚』 『子ども』 『お金』 『世代』 『経済学』 『日本語』 『才能』 『アルバイト』 『バブル』 『留学』 『独立』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
著者インタビュー一覧へ戻る 著者インタビューのリクエストはこちらから
Prev Next
ページトップに戻る