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世界中の本好きのために

本秀康

Profile

1969年生まれ、京都府出身。神奈川県立神奈川工業高等学校デザイン科卒業。1995年、『月間漫画ガロ』7月号掲載の入選作『パーティー大好き』でデビュー。小学館『ビッグコミック』『月刊IKKI』などで連載。また、レコードコレクターであり、音楽誌にも連載を持った。2014年に7インチ・シングル盤限定・アナログレコード専門レーベルとなる「雷音レコード」を立ち上げる。 著書に『たのしい人生』(青林工藝舎)、『ちきゅうのへいわをまもったきねんび』(岩崎書店)、『まじかるきのこさん』(イースト・プレス)、『ワイルド マウンテン』(全8巻/IKKI COMIX) など多数。

Book Information

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仕事は、趣味の延長線上にある


――こちらにお持ちいただいているのは?




本秀康氏: 最近買っている本などを集めてみました。カタログ本が多くなっています。マリオの今まで出た人形のカタログのようなものばかりです。僕にはいくつかの趣味があって、気付かないうちに、趣味のジャンルの研究本ばかり買っているので、やっぱり根がオタクなのかも知れませんね(笑)。仕事も趣味の延長線上という感じです。

――これは、香港ですか?


本秀康氏: はい。香港が大好きで。これは、50年、60年代のショウ・ブラザーズという香港の映画会社で、映画のセット美術を担当していた親子の研究本です。香港の電影資料館という映画関係の博物館の展示カタログですね。

――こういうものは、どうやって手に入れるのですか?


本秀康氏: 僕の『レコスケくん』という漫画が、2000年くらいにアジアで人気が出たのです。今はなくなりましたが、その当時は香港に「レコスケショップ」という、レコスケのグッズしか売っていないお店が6店舗できたので、年に数回仕事で香港に行っているうちに、香港にはまってしまいました。それで、年に数回レコードを買いに行くようになり、レコードだけでは飽き足らず、香港のミニバス(マイクロバス)のミニカーを集めるようになりました。そのミニカーを買うために、香港のタクシーやバスのような交通を色々と勉強しています(笑)。

――香港、レコード、それからミニカーと、面白いものが色々と見つかりますね。


本秀康氏: そうですね。どこからか枝葉が出るような感じです。僕はザ・ビートルズが好きなのですが、佐賀に住んでいた時、有田工業高校にしかデザイン科がなくて、デザインを学びたくて佐賀市からそこまで1時間半かけて通っていたのですが、その通学時間が暇だったので、推理小説でも読もうということで、横溝正史の金田一耕助シリーズを貪るように読みました。その後、金田一耕助も登場する「悪霊島」という映画があって、主題歌がビートルズの「Let it be」だったのです。そこからザ・ビートルズが好きになりました。普通はわき道に逸れると、そっちに趣味がシフトすると思いますが、僕はその両方が残るのです。最近は枝分かれが激しくて、趣味がいっぱいになってきて、どれもあまり深くは追えないという感じになってきていますね(笑)。

――趣味、興味の対象が増えていくというのは、愛着や思い入れがあるからなのでしょうか?


本秀康氏: それもありますが、一種の気づかいなのかなとも思います。「好きだ好きだと言っていたのに、もう私のことは好きではないの?」「いいや、今でも好きだよ!」ということだと思います(笑)。例えば、マライア・キャリーは、22歳か23歳くらいでデビューしていて、可愛いなと思ってアナログは全部買いました。ところが、その4年後くらいにソニーの社長と結婚して、全く興味がなくなりますが、いまだにアナログは全部買っています。正直、本当に辛いですよ(笑)。あと、必死に資本をつぎ込んでマライア・キャリーのレコードを買っていたのに、もう要らないわけだけど、今まで買っていたものが無駄になるのが嫌だから、これを成立させるためにずっと買い続けようという、セコさもあるのかもしれませんね。

情報の切り口と、人脈


――ネットも含めて、電子媒体についてはどのような印象をお持ちですか?


本秀康氏: 仕事面で言えば、やはり資料をググッてすぐ1発で見つけられるという部分では、すごく楽になりましたね。昔は、少しマニアックな媒体だとデータが勝負という感じで、資料などを持っている人が強かったのですが、今はもう、「持っている・いない」の勝負ではなくなっています。僕は情報をどういうふうにネタにするかということを、いつも考えています。人それぞれの切り口があると思いますが、情報の切り口はどの時代でも大切だと思うので、ネタや切り口のアイディア勝負という部分は変わらないと思っています。

――ネットで作品を世に出す、ということについてはどのようにお考えですか?


本秀康氏: 昔は何か作品を出すというのは、投稿がメインでした。実は僕も読者ページに送ったりしていました。今の若い人たちはネットにアップしています。そのほうがマスに見つけられやすいので有利だと思いますね。同じことをしていても、先につながる可能性は今の若い人のほうが多いと思います。それと、人脈ですね。ミュージシャンもイラストレーターも1人有名になるとそのコミュニティーの人たちが、みんなそろって出世していきます。仲間のうちの1人が売れて、それでみんなの意識が高まって、画力、音楽性がアップしていったというのもあるかもしれない。そういうコミュニティー力は、以前は都心に集中していましたが、今はネットで地方の人もつながっているので、昔よりは有利になっているから、すごく好ましいことだと思います。

著書一覧『 本秀康

この著者のタグ: 『アイディア』 『漫画』 『デザイン』 『スポーツ』 『海外』 『考え方』 『可能性』 『紙』 『音楽』 『イラストレーター』 『漫画家』 『アジア』 『研究』 『レコード』 『本棚』 『子ども』 『人生』 『雑誌』 『装丁』 『ルール』 『ミュージシャン』

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