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浜田和幸

Profile

1953年生まれ、鳥取県出身。東京外国語大学中国科卒業。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。新日本製鐵、米戦略国際問題研究所、米議会調査局等を経て、2010年参院選にて鳥取県から立候補し当選。総務大臣政務官、外務大臣政務官兼東日本大震災復興対策推進会議メンバー、国民新党幹事長(兼代表代行)を経て、現在無所属。専門は「技術と社会の未来予測」「国家と個人の安全保障」「長寿企業の戦略経営」。未来研究の第一人者として、政府機関、経済団体、地方公共団体等の長期ビジョン作りにも、積極的に協力している。 ベストセラーとなった『ヘッジファンド』(文春新書)をはじめ、『快人エジソン』(日本経済新聞社)、『たかられる大国・日本』(祥伝社)など、著書多数。

Book Information

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信頼関係を築くためには、直接会って話すことが大切



現在参議院議員を務められる浜田さんは、国際政治経済学者として長年ご活躍されてきました。東京外国語大学外国語学部中国語学科を卒業後、新日本製鐵に入社。ジョージ・ワシントン大学大学院では政治学を学び(博士号)、アメリカの戦略国際問題研究所や、同国連邦議会調査局での仕事も経験されており、国際関係、なかでも日中関係のエキスパート。テレビやラジオでもコメンテーターとして人気を博し、「たけしのTV タックル」などへも出演されています。著書には、ベストセラーとなった『ヘッジファンド』をはじめ、『石油の支配者』、『恐るべきTPPの正体 アメリカの陰謀を暴く』などがあります。多岐にわたる問題を本質的に解決していく浜田さんに、本への思いや、世界が抱える課題などについてお聞きしました。

あらゆる情報を集め、お互いの思いをぶつけ合う


――様々なお立場で議員を経験されていますが、参議院議員の浜田さんの強みはなんでしょう?


浜田和幸氏: 国会議員と言っても生身の人間ですから、持っている時間は1日24時間、1年365日、これは誰にでも共通に与えられている無形財産です。それをどうやって最大限に生かすかということを考えると、自分にとっての優先順序というかプライオリティが大切になります。私は今参議院議員ですが、大きな政党に属してないがゆえに自由に時間を設定できる強みがあります。これまで自民党や国民新党を経験し、今は無所属です。おのおのメリット、デメリットがあります。ですから、今自分が置かれている「自分で考え、自分で行動できる環境」を最大限に生かし、自分を選んでくれた有権者の方々のためにも精一杯頑張りたいと思っています。

――比較的長い任期を持つ参議院議員で、どういった視点をお持ちでしょうか?


浜田和幸氏: 参議院議員は6年間の任期があるわけですから、短期的な目標だけではなくて中長期的な観点から、日本やアジア、そして世界に貢献できるような日本のあり方をしっかり議論し、政策として実現せねばと思っています。つい先日のクリミア情勢など、刻一刻と変化する国際情勢の中で、常に世界が今どういう課題に直面しているのか、日本が世界から何を求められているのかといったことを、冷静に判断することが大切です。中国がなぜこれだけ日本に無理難題を言ってくるのか。あるいは韓国やロシア、アメリカからも、歴史認識やTPPなどをめぐり、自分たちの都合のいいような主張をゴリ押しされている側面もあります。彼らは一体なぜそういう身勝手な政策を日本に対してぶつけてくるのかを理解することが重要です。それには相手の立場に立って考えるという発想が欠かせません。

――自国の立ち位置を考える時、浜田さんの場合、どういったことを心がけていますか。


浜田和幸氏: 国や個人に関わらず相手(国)の立場に立って考えるためには、新聞や雑誌、ネットなど、複合的なソースから情報を集めることが必要となります。もちろん日本の新聞にも様々な報道がなされていますが、それは日本の編集者や組織のフィルターを通してのものですから、必ずしも実態が正確に反映されているとは限りません。またスペースも限られているので、情報量といっても氷山の一角にもならないくらいです。ですから、新聞から得た情報を、自分なりに補うことも大事で、特に海外の非日本的な情報をできるだけ広く集めるという努力も有意義です。しかし、いくらメディアの人々が取材をして書いたとしても、生身の人間が関わってこないと、例えば、オバマ大統領が何を考えているのかという本音の部分はなかなか分かりませんよね。となると今度は、オバマ大統領に近い人、オバマ大統領のアドバイザー、あるいはスポンサー、そういった人と個人的な信頼関係を築くことで、他では得られない情報を常にギブアンドテイクで入手していくための時間が必要になるでしょう。政治家だけの仕事をしていたのではそうした国際的な人脈を活かした情報収集は難しいと思われます。私の場合には、国会議員になる前から30年以上にわたり、海外の人たちとも接点があったので、それを今最大限に生かしています。



――どのようにして、信頼関係を築かれたのでしょうか?


浜田和幸氏: 直接会って話をするという人間関係を、国の大小は関係なく、多くの国で築いてきました。世界中には198もの国がありますが、そこで生きている人は基本的にみな同じ生命体です。肌の色や宗教が違っても、人間としての生を受けた限りは、家族に対する思いや、自分の生まれ育った地域に対する思い、自分の国がもっと強く豊かになってほしいとの願い、そういった共通の部分はあるわけです。そういう中で、お互いがどういう力を合わせていけるかというところで、まずはお互いの思いをぶつけ合う。その中できちんと約束を守り、相手の触れてほしくないことにはあまり触れないという思いやりがとても大事になってくる。私は世界の友人たちと毎日何十通ものメールのやり取りをし、電話でも話をしています。また、お互いに訪ね合い、交友関係を深めています。おそらく、私は国会議員の中で一番多く海外に行っているのではないでしょうか。

ペンパルをきっかけに、世界中と繋がる


――外国の方との交流を図るため、様々な国へ行かれたと思いますが、何カ国くらい行かれたのでしょうか?


浜田和幸氏: これまで120近い国を回りました。東京外大に通っていた頃はアルバイトをしてお金を貯め、一番安いチケットを手に入れ、ペンパルで親しくなった人のところに泊めてもらいながら世界を旅したものです。

――外国との文通を通して人脈をつくっていたのですね。


浜田和幸氏: 当時は多くの雑誌に「文通の相手、求めます」というコーナーが必ずあったものです。「日本ペンパル協会」もありました。国内だけではなくて、世界中から文通相手を紹介してくれるので、台湾やアメリカなど、さまざまな国の人と手紙をやり取りしていました。ある程度親しくなってからホームステイをさせてもらい、さらに関係が親しくなりました。そういうことから始まって、世界の国々を直接訪ねて回ることになったわけです。

著書一覧『 浜田和幸

この著者のタグ: 『英語』 『海外』 『歴史』 『雑誌』 『政治家』

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