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世界中の本好きのために

斉藤徹

Profile

1961年、神奈川生まれ。1985年3月慶應義塾大学理工学部卒業後、同年4月日本IBM株式会社入社、1991年2月株式会社フレックスファームを創業。2004年同社全株式を株式会社KSKに売却。2005年7月株式会社ループス・コミュニケーションズを創業し、ソーシャルメディアのビジネス活用に関するコンサルティング事業を幅広く展開。ソーシャルメディアの第一人者として、ソーシャルメディアのビジネス活用、透明な時代のビジネス改革を企業に提言している。講演回数は年間100回を超える。

Book Information

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本はアート


――電子書籍について、書き手として思うことはありますか?


斉藤徹氏: 媒体が何かという点は、僕は全く意識していません。電子書籍の方が検索性があるので便利かなとも思ったりもしますし、実際の本は本で、昔のレコードのジャケットのような、アート感があるから、「物を作る」楽しさがある。ただ、書いているメッセージ自体は同じなので、「電子書籍だから」、「本だから」という思いは、特にありません。
ソーシャルシフト』を書く前までは、自分の単著というのがそれほど多くなかったこともあって、あまり気にしていませんでした。それまでは本を書くのは「作業」だったので、10万文字も書くのは結構つらかったんです。でも、『ソーシャルシフト』を書いた時は、中身も、ブックカバーも、タイトルに関しても、仕事ではなくてアートを作ろうと思いました。そう思うようになったら、本を作ることが突然楽しくなってきた(笑)。



――書く時はどのような感じなのですか?


斉藤徹氏: 僕の場合、非常にありがたいことに自己実現に近いようなところで本を書かせてもらっていますので、苦しみである反面、筆が乗っている時は本当に楽しいです。集中して書くことができる時間はせいぜい1時間半ぐらいなので、頭が疲れると30分から1時間ほど寝る。そうして頭をクリアにして、また書く。「書いて、寝て、食べて」という感じです。僕はサイクリックに生きてないので、海外に出張に行っても全く時差ボケしないし、「何時になったら寝なくちゃいけない」というような感覚があまりない。頭が疲れたら寝るといった感じで、よく昼寝をします。

――執筆に対する思い、テーマは?


斉藤徹氏: 今はアートを作ろうということに重点を置いています。それと『ソーシャルシフト』を書いていく過程で、「人間にとって本当に大切なこと」に自分自身で気が付き始めました。『ソーシャルシフト』を書きながら、逆に『ソーシャルシフト』から自分自身が学んだのかもしれない。自分の今までの思いや生き方も含めて書くので、50歳になって初めて「これがライフワークかな」と思い始めました。その時々で、会社としてのビジョンは出していますが、それはあくまで会社のビジョンであって、個人のライフワークではありませんでした。
ビジネスは、多くの人にとって一番ストレスを感じることでもあり、人によっては人生の大半の時間を費やすことにもなりますから、ビジネスの部分でみんなが幸せになっていけたら素敵じゃないかなと思いはじめました。そのような思いで「ソーシャルシフトの会」を作って、今もう会員が5000人ほどになっています。単にアートができただけではなく、そのアートをコアとしてコミュニティができたのです。ループスは、僕にとって一番大切なコアとなるコミュニティですが、その外にソーシャルシフトの会というコミュニティができました。ですが、バラバラの夢を持っているけれど、根っこは、「みんなが幸せになるような世の中を作りたい」という思いでつながる、いわば同志の集まり。その僕の思いが本に伝わり、その本がコミュニティを作ってくれている感じがします。

自分の知らない知恵を授けてほしい


――出版社、編集者の理想像はありますか?


斉藤徹氏: 僕は本をアートだと思っていますから、同じくアートだと考えてもらうことが必要です。僕と同じ意見というわけではなく、プロフェッショナルで、僕の知らない多くのノウハウを持たれていて、同じアートを真摯に作ってくれる方。そういう編集者が僕の理想かもしれません。

――今までの編集者で「この人は良かった」という方はいますか?


斉藤徹氏: 最初の『SNSビジネスガイド』は、10人ぐらいの著者で出版したものですが、その編集者はすごかったです。原稿が真っ赤になって返ってきました。著者も十人十色なので、みんなバラバラなことを言うわけですが、それぞれに「ここはこうした方がいい」、「ここはこうして」と色々なコメントを入れて返してくるのです。そこまで突っ込んで、あれだけ情熱を込めて真っ赤な原稿が返ってきたのを見て、すごいなと思いました。
今お願いしている編集者さんがすごい腕利きなんですが、最初に書いたものは「これでは、読者はあまり読まないと思いますよ」と言われました。半分くらいまで書いていた原稿をお蔵入りにして、新たに今、自伝を書いているんです。今まではクラウドソーシング的な集合知の方がいいだろうと思っていましたが、個人の知恵と集合知と比べてみたいと思ったので、今回はソーシャルシフトの会に出さないつもりです。この自伝では、その腕利きの編集者とがっぷり組んでやろうと思っています。

――新しい試み、挑戦のように感じます。


斉藤徹氏: 僕にとっては新しい試みなので、編集者から意見をもらえるとすごくうれしいです。逆に「素晴らしいですね、何にも言うことないです」というようなこと言われると困るというか、編集者には、僕の知らない知恵を授けてほしいと思っているのです。

著書一覧『 斉藤徹

この著者のタグ: 『チャレンジ』 『コンピュータ』 『ソーシャルメディア』 『独立』 『SNS』 『アート』

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