BOOKSCAN(ブックスキャン) 本・蔵書電子書籍化サービス - 大和印刷

世界中の本好きのために

斉藤徹

Profile

1961年、神奈川生まれ。1985年3月慶應義塾大学理工学部卒業後、同年4月日本IBM株式会社入社、1991年2月株式会社フレックスファームを創業。2004年同社全株式を株式会社KSKに売却。2005年7月株式会社ループス・コミュニケーションズを創業し、ソーシャルメディアのビジネス活用に関するコンサルティング事業を幅広く展開。ソーシャルメディアの第一人者として、ソーシャルメディアのビジネス活用、透明な時代のビジネス改革を企業に提言している。講演回数は年間100回を超える。

Book Information

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

危機は最高の人生経験


――会社経営で大切にしていることは、何でしょうか?


斉藤徹氏: 一度、会社倒産の危機に直面してからかもしれませんが、僕は「好きこそものの上手なれ」を大切にしていて「好きなエリアでオンリーワンになるのがいい」と社員に促しています。得意分野をブログやソーシャルメディアを使って発信していくと、会社が押しつけたり、教育したりしなくても、社員は自発的にそのエリアの勉強をし始める。勉強は、インプットするだけではなく、インプットしたものをアウトプットして、それに対して反応がくると、どんどん成長するのです。個々の社員が自分の好きなエリアで専門性を持ち、プロフェッショナルとしての自覚を持つことが、会社の力になっていくんです。多くの会社はゲゼルシャフトだから、目的に向けて社員が外に向かないよう、個人の顔は出さないようにして、会社として1つの方向にまとめようとする。ループスはそれとは正反対で、会社内部ではなくお客さんの方を見て、自分が興味を持つエリアの人たちを見る、という発想。企業哲学・価値観は共有し、信頼関係を持ちながら、みんなが内側ではなく外側を向くような組織が僕の理想で、そういう組織になってくると成長の度合いが全く違ってくると思います。

――危機を乗り越える時に大事だと感じておられるものはありますか?


斉藤徹氏: 危機は最高の人生経験。神様がその人が解ける範囲内で最高の知恵を絞ったパズル、つまり「神のパズル」だと思っています。チャレンジングであればあるほどそのパズルは複雑で解くのが大変なんですが、でも必ずそこには光があるはずなのです。でも、お金を目的にしたりすると、あるはずの光がなかったりもします。人間の究極善は「人の幸せ」ですから、「幸せ」を考えると、必ずそこに解があります。ですから、お金や名誉ではなく、「本当に自分の求めていたものは何だろう」ということに気付くことが大切なんです。いずれにしても、「失敗」という経験をどう考えるかが重要です。どのようなことでも相関関係ですから、「自分のせいでこうなった」と思うか、「人のせいでこうなった」と思うか、人間はその2つに分かれます。自責を感じる人は、失敗から成功よりはるかに大きな大切なものを得られますが、他責にする人は何もそこから得られず、不信感に陥ってしまい、「人を信じるのはやめよう」、「信じるのはお金とペットだけ」という風になってしまうわけですが、それでは不幸せですよね。

――まず自責を問うところから始めるということですね。


斉藤徹氏: 僕は自分をコントロールできる範囲というのを、とても大切にしています。自分との闘いもそうですが、自分をコントロールできるエリアに集中することが非常に重要です。自分で決断して、失敗したわけですから、何かあった時に他の人のせいなどとはあまり思いませんし、そういう風に思わないと幸せになれないんです。自分でコントロールできないことをどうにかしようと思ったら、どんどん不幸せになっていくだけです。

机上の空論は嫌い


――昔からそういった行動基準だったのですか?


斉藤徹氏: イメージとして描くようになったのは、本を読むようになってからです。いわゆる経営指南の類が多かったかもしれませんが、本を一番多く読んだのは30代の頃でした。組織論やリーダーシップ論などを何百冊と読みました。辛い時期もありましたので、本を読むわずかな時間が、僕にとっての生きている証しといった感じがしていたんです。しかも、経営者としてすぐに実行することができたので、本から得た知識を、生の世界、社会を学んで自分のものにするということを繰り返してきました。

――読むだけではなく、解を得るための実践ができたことが大きな強みとなっているのでしょうか?


斉藤徹氏: 僕は、机上の空論は嫌いなんです。西洋の本だと『7つの習慣』や『人を動かす』の2冊に大きく影響を受けました。論理的な展開が素晴らしいと思います。

――そうした本は、ご自身が書く時にも影響を与えていると思いますか?


斉藤徹氏: 現実的に『7つの習慣』の「インサイド・アウト」という考え方を、僕は著書の『BEソーシャル!』の基本としています。『7つの習慣』で個人に対して言っていたことを、僕は企業に当てはめたのです。素晴らしいものを作ろうと思えば思うほどスランプに陥ってしまって、この「インサイド・アウト」の考え方に至るまでは、悶々としていたこともありました。特に論理構成の部分の「自分の言いたいこと」を、どう論理的にまとめるかということでずいぶん悩みましたが、家にあった本を全て読んで、『7つの習慣』を読んだ時に「これだ」と閃いたんです。

著書一覧『 斉藤徹

この著者のタグ: 『チャレンジ』 『コンピュータ』 『ソーシャルメディア』 『独立』 『SNS』 『アート』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
著者インタビュー一覧へ戻る 著者インタビューのリクエストはこちらから
Prev Next
ページトップに戻る