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世界中の本好きのために

さくら剛

Profile

1976年生まれ、静岡県出身。中京大学中退。 「『中程度』の引きこもり」生活を送っていたが、アメリカ合衆国やへのインド旅行、南アフリカ共和国から中華人民共和国までのほぼ陸路による旅行記を自身のサイトに書き連ね、最終地の北京からの帰国後『インドなんて二度と行くかボケ!』(アルファポリス)を出版。 以降、自身の海外体験を扱った旅行記をはじめとする著書を多く執筆している。 その他の著書に『三国志男』『感じる科学』(サンクチュアリパプリッシング)など。 近著に、初の小説『俺は絶対探偵に向いてない』(ワニブックス)。 インターネットラジオ「さくら通信」配信中。
http://sakuratsushin.com/

Book Information

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旅は「はぐれメタル」並の経験値が得られる


――本を出版されるきっかけはどのようなことでしたか?


さくら剛氏: 帰ってきて最初はホームページで旅行記を書いていて、それを本にしたいなと思って、出版社を回って持ち込みをしていました。それは実らなかったけれど、出版社が開催していたコンテストみたいなものに応募して、投票制みたいなものだったんですけれど、その投票で1冊目の本が出版に至りました。

――『インドなんて二度と行くか!ボケ!! …でもまた行きたいかも』ですね。インパクトのあるタイトルで、話題作となりましたね。


さくら剛氏: タイトルは編集者に勝手に付けられましたが、最初に見た時はものすごく嫌でした。「本のタイトルってこんなのでいいの」と思いました。しかも長いし(笑)。その後は幸いにも、トントン拍子にほかの編集者の方から声をかけていただくようになって、特に自分で売り込みをせずに今まできたので、結果的に良かったですね。

――表現者として旅行によって得たことはなんでしょうか?


さくら剛氏: 旅に出ると、出来事がものすごく多い。人との出会いという点でも、トラブルという点でも。ドラクエに例えるならば、日常経験がスライムだとしたら一人旅は、はぐれメタルです。一気に経験を積めるから、自分を成長させるためには有効な手段かなと思います。「自分探しの旅」という言い方がありますけれど、確かにそういう側面はある。ただ、多くを求めてはいけない。僕も変わった点もあるけれど、変わらなかった点もすごくあって、根本的には変わっていないですから。

変われないなら、このままの自分で行くしかない



さくら剛氏: 僕は甘やかされて育ったので、寒いのとか暑いのとか苦しいのとか、全部苦手で、そして人ともしゃべれなかった。アフリカ大陸を縦断すれば、暑いのも平気だし、人ともどんどんコミュニケーションを取れるようなやつになるんじゃないかと思ったんですけれど、向こうに行ったら行ったで、暑いのは嫌だった。人との会話にしても、コミュニケーション力は全然つかなかった。現地の人のお宅に招かれたり食事に誘われたりしますが、スーダンの人と日本のオタクでは共通の話題が何一つない。ドラクエの話もできないし、そもそも言葉が通じない。結局海外で感じたのは、日本で引きこもれる環境ってすごく幸せだということです。日本に帰ればトイレも風呂もあるし自分の部屋があって、何不自由なく暮らせる。ブロードバンドは常時接続だし、ゲームもある。日本での引きこもりの素晴らしさを海外でしみじみ感じました。旅で出会う日本人って、みんな「日本に帰りたくない」って言うんですけど、僕は毎日一刻も早く帰りたかった。だから帰ってきて、引き込もれることの幸せを感じて、引きこもりがひどくなったような感じです。その点では結局成長してないです。



――最も変わった部分はどういったところですか?


さくら剛氏: アフリカ縦断やアジア横断の旅を1年以上しても、自分が変わらなかったということは、今後の人生は、もうこのままの自分で行くしかないんだという悟り、気付きを得たことだと思います。今みたいに引きこもりを売りにすることで、外に出て行けるようになった。この仕事は人とすごく会いますが、初対面の人に本来の姿を出して黙っていても全然話が進まないので、無理やりしゃべるようになりました。昔は根暗で、友達もあんまりいなくて、モテなくて、しかもそれを隠してかっこつけるような感じだったんですけれども、今はそれを前面に出して開き直れるようになったというのが成果です。旅行記でも、ブログを書いている人は、自分をよく見せたいというのがすごく伝わってきて、読んでる方は面白くない。人がかっこつけている姿ってムカつきますものね、やっぱり。

著書一覧『 さくら剛

この著者のタグ: 『ゲーム』 『漫画』 『旅』 『作家』 『きっかけ』 『変化』 『笑い』

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