中園直樹

Profile

1974年大阪生まれ、宮崎育ち。小説家、詩人。小学校3年から大学2年までいじめられ続け、何度も自殺を考えたことから、いじめや自殺をテーマとしている。教育実習で受け持った生徒のほとんどが、17歳から温め続けた処女作『オルゴール』に感動したことから、作家への道を本格的に決意する。現在はカナダの学生2人から始まり、75ヶ国が参加している、日本で知られていない世界的いじめ反対運動『ピンクシャツ・デー』の日本での普及に努めている。
公式HP「詩と小説の小箱」http://nakazono.nanzo.net/
Twitter : @naoki_nakazono

Book Information

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――ブックスキャンという会社は、ご存じでしたか。

中園直樹氏: いやぁ、この話を聞いて初めて『あ、こんな会社があるんだ』と(笑)。

――電子書籍との関わりも含めてお伺いします。今回ご紹介していただく『オルゴール』なんですけど、今でもホームページで無料で公開されていて、無料で公開したから紙では売れなかった、もしくは無料で公開したから逆に広まった、といったことはありますか。


中園直樹氏: こればっかりは分からないんですけどね。『出していなければもっと売れたのに』という人もいれば、『出していたから売れたんじゃないか』という人もいて。もう実際に出してしまっている物なので分からないんですよ(笑)。でも時代もあるのかな。僕は2000年からホームページを出しているんですけど、2002年に出版されるわけじゃないですか。
出版された後も、僕は商売でやっているわけじゃないので、タダで読めますよとネット版を薦めるんですけど『ネットで文字を追うのは疲れるから本を買うよ』(笑)と言ってくださる方が結構いるんで、そう考えると、プラスにはなっているのかなと。ただ、アクセス数がそんなに多い訳ではないので、多分平均して1週間に100アクセス前後ぐらい。すごい売れてる時でも1000いったら超ビックリするみたいな、程度のアクセス数なわけですよね。だからどうなんだろうなって。その辺りは、ちょっと、本当、わからないですね。

――では、公開方法云々ではなく、出版社のプロモーションの仕方などが大きいという所でしょうか。


中園直樹氏: うーん…。これって自費出版なんですよ。当時は(出版社のプロモーションとかは)なかったんですよ。今でこそ文芸社って『B型自分の説明書』シリーズとか、いっぱいヒット出ていますけど、文芸社で初めて売れた小説って、僕の『オルゴール』の2ヶ月前の2001年12月に出版されてた山田悠介君の『リアル鬼ごっこ』なんですよ。だから当時の文芸社さんにはなんのノウハウもない様な状態で。
たまたま『リアル鬼ごっこ』、『オルゴール』と売れていったという段階なので、僕も文芸社さんに対してきつくガミガミ言ったりっていうか(笑)。要は出版社としても売れる本が出ると思っていない状況でたまたまヒットしたという感じだったので。でもそこで思ったのは、出版前からインターネットの評判で反響大って書いてあるじゃないですか。当時ネットで評判があったから本が出版されるとかって、少なかったと思うんですよね。2002年はまだブロードバンド時代でもなかったですし。

――そうですね。


中園直樹氏: そういう珍しさもあったと思います。あと、愛読者カードって挟まっているじゃないですか?それで来る感想を見ると、9割9分9厘、中学生・高校生とかの若者(笑)。一方、僕のホームページはメールもできるようになっていて、そっちも9割9分9厘が中高生とかの若者からの感想で(笑)。友達に勧めましたっていうのがすごい多いわけですね。ああ、僕の知らないところで中高生がクチコミで広めてくれているんだってわかったっていう感じだったんですよ。

――その頃中高生というと、ネットで買うとか、ネットで知ってから実際の本を買うという新しい流れを作っている人たちですよね。




中園直樹氏: 効果があったとしたら、そういう事だったのかなっていうのがあるんです。僕の親戚とか友達が買おうとした時には、もう在庫がなかったんですよ。身内って結構冷たいから、1ヶ月ぐらい経って本屋に行って『お前の本、無いよ』って(笑)。で僕は文芸社さんを突っつくわけですよ。『なんか、無いって言われるんですけど、どういうことですか?』って。そうしたら『いや、ちょっと…』ってすごい言葉を濁らせる訳ですよね(笑)。そういうのが続き、ガミガミ言ったからかどうか分からないですけど、ようやく2刷が出来、といった感じで徐々に刷りが重なって、気が付いたらこんなことになっていました(笑)。

――じゃあ、一緒に作り上げてきた感じですかね、今のこの流れも含めて。


中園直樹氏: いやぁ。そうなんですかね。そうだと僕としても嬉しいんですけど、実際のところは学者さんにでも分析してもらわないと分からないですよね。あと、増刷を何回か重ねてくると文芸社さんも広告を出してくれるようになって来ましたし、メディアからの取材も来るようになりましたので。その力もあったはずだとは思いますし。最初のうちは全然(広告が)なかったわけですよ。自費出版の会社ですので、著作者のお金で広告を出すというシステムなんですよね。だから何刷りも重なってきて、例外的に徐々に広告も出してもらえるようになったという感じですよね。文芸社さんとしては『リアル鬼ごっこ』が前にあったのと、それからこの『オルゴール』が出て、次に秋山香乃さんの『歳三 往きてまた』というのが2002年の4月に出版されたんですよ。2001年の12月、2002年の2月、4月とトントントンと。これはちょっと売り出してみようかなという気にもなったのかな(笑)。そうした最初の頃にたまたまいた、という運の良さもあるとは思いますね。

――出版の形態はいろいろあると思いますが、文芸社さんと一緒にやられるのはなぜでしょう。


中園直樹氏: そもそものきっかけに戻りますと、僕にとって自著っていうのは、『いじめによって自殺する子を減らす』っていう想いがあるんですね。それを実現するための手段の1つなんです。1つと言ったのでお分かりの通り、今は2つの手段を使ってるんですね。1つは、この出版している著書ですね。もう1つが日本では知られていない、2007年にカナダの学生2人から始まって、世界75カ国に広まっているいじめ反対運動。

著書一覧『 中園直樹

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