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世界中の本好きのために

田中ウルヴェ京

Profile

1967年、東京都生まれ。日本大学在学中の1988年にソウル五輪シンクロ・デュエットで銅メダル獲得。その後、日本代表チームコーチ、アメリカ五輪ヘッドコーチアシスタント、フランス代表チーム招待コーチなどを歴任。91年より渡米、カリフォルニア州セントメリーズ大学大学院健康・体育・リクリエーション学部修士課程修了。また、アーゴジー心理専門大学院にて、認知行動理論、コーピングを、サンディエゴ大学院にて、パフォーマンスエンハンスメント、アスレティックリタイヤメントを学ぶ。 2001年起業。アスリートからビジネスパーソンまで広く一般にメンタルトレーニング指導をおこなう。著書は50冊。報道番組でコメンテーターを務める。 著書に『1日10分で“なりたい自分”になれる「幸せ習慣」の作り方 』(講談社)など。

Book Information

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執筆は最高の自己表現


――『恋も仕事も結婚も!わくわくハピネス術』には、そんな京さんの想いが込められています。


田中ウルヴェ京氏: 10年以上も前の本ですが、初めての著書でもあり、私が一番気に入っている本のひとつですね。36歳の時の著書ですが、「書く」という作業は思いを表現できるという点は、シンクロのルーティーンと同じでした。音楽に合わせて、田中京を表現できるのがシンクロの素敵なところです。それと同じで、私にとって本を書き記す行為は、脳の活動を自己表現できる方法で、その時の自分の無意識を出すことです。私の本は、実践スキル的な本が多いのですが、“あとがき”はかなり心を込めて書いているので、すごく長くなってしまいます。“あとがき”は自分の知らない無意識の自分が出てくる、一番楽しい時間なのです。

“まえがき”は、シンプルに何が書いているかを書かなければいけないので、技術的アプローチが必要です。編集者とも話さなければいけない部分で、出版社の意向も入れたいと思っています。だから私は「“あとがき”は何を書いてもいいですか?」と編集者に必ず聞きます。原稿を校正しながら、なんとなくノッてきて「最後にこの本では!」と頭の中にパッと降りてきたものを書きます。すごく熱く書いてしまうので、編集者も苦笑いしながら「ま、このままでいきましょうか」と(笑)。自分が後で読んでも「おお、誰が書いたんだろう?」という印象を受けることもあります。

――編集者は、京さんの想いをどのように受け取り、まとめられているのでしょうか。


田中ウルヴェ京氏: 編集者は、客観的に私と読者をつなげてくれる存在です。著者の私はそりゃ主観的になってしまうわけで、独りよがりになることもあり、熱くなりすぎたりすると読者は面倒くさいと思うだろうし、冷たすぎてもダメ。ちょうどいい塩梅を、すごく丁寧に冷静に判断してくれます。特に相性がいいなぁと思う編集者は、言いにくいことも言ってくれる人。そして、原稿をボロボロに赤くして、バッサリ切るけれど、そこに論理的根拠がある人です。やっぱり、読者の役に立つ本でないと届きません。自分では、自分の良さも悪さも「自分の目」でしか見えないし、編集者に聞けば聞くほど学ぶことができるので、そこにきちんと論理的根拠がある指摘は嬉しいものです。

――最新刊『お母さんのイライラ解消・感情の整理ができる本』が、出版されました。


田中ウルヴェ京氏: コーピングを利用した、0歳から2歳くらいまでの、新しい母親・父親たちに向けての子育て本です。母親、父親として、子どもとどう関われば親も子どももハッピーになるか、というようなことのメンタルスキルや、ストレスに対する捉え方、解消法、対処法を書いています。私も、子どもが小さい時は、色々と苦労しました。なかなか眠ってくれない時にイラついたり、心が疲れて悲しくなって急にエレベーターで泣いてしまったり、電車に乗っていて、子どもが泣き止まない時、どうコーピングしたかとか、自分の経験も書いています。

――ウルヴェ家の掟みたいなものはあるのですか。


田中ウルヴェ京氏: 主人は、息子と娘には、まず怒りません。カミナリが落ちるのは、ウルヴェ家が大事にしている「人をリスペクトすること」、「寛容の心を持つこと」このふたつをおろそかにした時です。子どもたちがこの二つを欠いた言動をすると、彼はすごく怒ります。それは、私も大切なことだと思っています。



今日のベストを尽くして成長する 


――コーピングを軸に、新たな挑戦が続きます。


田中ウルヴェ京氏: この春から、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科博士課程の女子大生になりました!このインタビューにもご登場されていた前野隆司先生がいらっしゃる研究科です。土日に勉強をすることになるので、家族に迷惑をかけるかもしれません。そもそもそんな挑戦をしたいなんていったら反対されると思ったので、夕ご飯のたびに何となく「学生に戻りたいかな…」とか、小出しにして言ってました。

――メンタルトレーナーらしく……(笑)。


田中ウルヴェ京氏: 心を読みながら少しずつ(笑)。それで少しずつ既成事実を作って「合格したよ」と言ったら、家族みんなすごく喜んでくれました。自分の暗黙知を形式知にするということを、そろそろしなくてはいけないと思い、ここで学ぼうと思いました。正直、長年、博士を取得することは「足の裏の米粒」だったんですよね。この言葉、あるスポーツ心理学の先生に教えていただいて気に入ってるんですが、つまり、とらないと気持ちが悪い。でもとったからってべつに大した得にもならない。(笑)でも、ここでの学びを活かして、近い将来、自分のコーピング理論をしっかりまとめたいとは思っています。これを読めば、これまで私がアスリートへのメンタルトレーニングとしてやってきたコーピングとは何かが整理されている集大成のような本。これから数年、それに向かっての日々は、ストレスですが(笑)、それこそコーピングを駆使して頑張りたいと思っています。

(聞き手:沖中幸太郎)

著書一覧『 田中ウルヴェ京

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