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岸朝子

Profile

1923年、東京都生まれ。女子栄養学園(現・女子栄養大学)卒業。 32歳のとき、主婦の友社に入社。料理記者としてスタートをきる。その後、女子栄養大学出版部に移り、『栄養と料理』の編集長を10年間務める。その間、食べ歩き、器の楽しみなど新しい企画で販売部数を2倍に伸ばす。1979年、株式会社エディターズを設立。料理、栄養に関する雑誌や書籍を多数企画、編集する。フジテレビ系列『料理の鉄人』をはじめ、TV出演も多数。 著書に『このまま100歳までおいしゅうございます』(東京書籍)、『おいしいお取寄せ』(文化出版局)、『日本各地の味を楽しむ 食の地図』(帝国書院)など。

Book Information

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いつまでも「おいしゅうございます」



「おいしゅうございます」の名台詞で知られる食生活ジャーナリスト、料理記者の岸朝子さん。料理記者歴60年の間に培った“審味眼”は、幅広い層から絶大な信頼を得ています。東京にある老舗・名店の極上の味みやげを厳選して紹介した『東京 五つ星の手みやげ』(東京書籍)は30万部を超えるベストセラーに。食文化の普及に貢献したことで、世界各国から賞を受けられています。“100歳までおいしゅうございます”を目指す岸さんにとって“食”とは。

“勝手にしやがれ”で60年


――料理記者歴、60年になります。


岸朝子氏: 今日は「わたべ」という、うなぎ屋さんでお昼を頂いてきました。うなぎだけでなく、刺身定食とか、煮魚、焼き魚定食とか、つくだ煮もおいしいし……。私は普段、取材以外ではあまりオフィスには出ないのですが、こういう楽しみがあると出たくなるわね (笑)。『狐峰(こほう)』という江戸千家の会報誌に毎月寄稿していますが、最近だと根津に行ってきましたよ。『このまま100歳までおいしゅうございます』のように、100歳まで生きているつもりでございます。「江戸の子守唄」の“ねんねんころりよ おころりよ”ではありませんが、七時くらいに起きて、朝ご飯をいただいて、NHKの朝のドラマを見て、またひと眠りします。

――日々、どのようにしておいしいものを見つけていくのでしょうか。


岸朝子氏: 最初は人のうわさですね。それから「あの店おいしそうよ」などと誘って、あちらこちらと、フラフラ歩いていくの(笑)。店構えといいますか「あ、ここはおいしいな」とか勘がはたらきます。“勝手にしやがれ”でございまして、食べたいものはどんどん食べています。和洋中なんだっていただきます。お酒も色々と飲んでいましたが、最近は日本酒を一合ぐらい、夕方だけにしております(笑)。たばこも好きですが周りがうるそうございますので……コーヒーを飲む時に一服するくらいで、なかなか吸わせてもらえません (笑)。

「食は生命」 感謝の心でいただきます



岸朝子氏: 食に縁のある家庭でございました。私の両親は「ウチナーンチュ」沖縄出身で、姉(尚道子さん)も「タコさんウィンナー」を考案した料理研究家でした。父は牡蠣の養殖をやっていて、「世界の牡蠣王」と呼ばれていました。沖縄の国頭農学校で、アメリカの先進的農業について学んだのち、ハワイ移民の世話係として船に乗ってアメリカに渡りました。その時に牡蠣の養殖と出会ったそうです。私がこの世界に進む事になったのは、府立第三高等女学校に通っていたころでしたね。友人の作ったロールサンドの味にとても感動してしまいまして、それが食との「はじめまして」でございました。私は「家を出て、都会の洋食屋さんか何かで働きたい」と言っていたのですが、両親からは「とんでもない」と反対されました。それで女学校を卒業して、女子栄養学園(現、女子栄養大学)に進みました。そこで学長をされていた、香川綾先生と出会いました。先生は、のちに“食は生命”という、私にとっておまじないのような言葉を色紙に書き記してくださいました。『栄養学と私の半生記』にも「食は生命と思うべし」と書かれています。先生は、こちらが色々と文句を言っても「これはこうだから」というように、ビシっと答えを返してくるような方で、とても素敵な人でした。

“食は生命”という言葉は、もう私にとってはおまじないのようなものです。私には子どもが四人いて、三人女で、一番下に男の子が一人でございます。食が全ての元気の源、今の世の中、好き嫌いの激しい人も多いですよね。でもうちではそういう育て方はしないで、ピシャっと、ただしちゃう(笑)。生命なのですから、何でも感謝して頂かなくちゃね。

著書一覧『 岸朝子

この著者のタグ: 『ジャーナリスト』 『海外』 『考え方』 『生き方』 『紙』 『日本』 『テレビ』 『研究』 『教育』 『新聞』 『食』 『子ども』 『人生』 『編集長』 『雑誌』

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