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櫻井寛

Profile

1954年、長野県生まれ。昭和鉄道高等学校卒業、日本大学藝術学部写真学科を卒業。世界文化社の写真部を経て、1990年からフォトジャーナリストとなる。 第19回交通図書賞を受賞した『鉄道世界夢紀行』(トラベルジャーナル)をはじめ、鉄道旅行関連の書籍が多数。 近著に『知識ゼロからの憧れの鉄道入門』(幻冬舎)、『知識ゼロからの駅弁入門』(共著。幻冬舎)、『人気鉄道でめぐる世界遺産』(PHP研究所)、『終着駅への旅 JR編』(ジェイティビィパブリッシング)、『宮脇俊三と旅した鉄道風景』(ダイヤモンド社)など。

Book Information

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世界を乗り回す“鉄道写真家”という仕事



美しい写真と臨場感で見た人を「動かす」鉄道写真家の櫻井寛さん。現場での感動を写真や文章にして伝える櫻井さんの、鉄道写真家としての原体験、表現に込められた想いを伺ってきました。

止むことのないカメラへの愛情


――(テーブルに置いてあるカメラを見て)これは何ですか。




櫻井寛氏: ヤシカのセクエルという35ミリのハーフサイズのカメラで、今日修理から帰ってきたばかりのものです。モータードライブの音がすごく良いでしょう(笑)。昭和四十三年、中学三年の時に故郷長野のカメラ屋さんで買ったもので、初めて買ったカメラでした。「今度壊れたら修理できません」と言われているので、取り扱い要注意です(笑)。一番愛着のあるカメラですね。

僕が中学生の頃は、家にカメラがある家はそう多くなかったと思います。幸い、うちには二眼レフが一台ありました。リコーフレックスという、僕の宝で親父の形見です。昭和30年代前半に大流行したカメラで、国民的カメラですね。こちらは僕の最後のフィルムカメラで、少し前まで現役だったニコンF6です。これは高校の時に大活躍したペトリV6。当時僕が中学の頃では、1番安い一眼レフでした。さらにこれは大学入学祝いに親父が買ってくれたニコンF。最高級のものを買ってくれて、ありがたかったですね。傷がつくのが嫌なので、すごく大事にしています。僕はカメラをきれいに使いたい。カメラは僕の彼女みたいなものなのです(笑)。

――その「彼女」で鉄道写真を撮るようになったのは。


櫻井寛氏: 僕の父は長野の小海線の中込駅に勤務する鉄道員。母は小諸駅の電話交換手をしていて、職場結婚でした。鉄道カップルの元で誕生した僕は、小さい頃から汽車が好きで図鑑や絵本でよく見ていました。幼稚園のころ、駅の近くの踏切で蒸気機関車のD51を見ることが出来ました。ヘッドライトがピカッとついて……初めて実物を目の前にして「ああ、これが電気機関車か」と感動したのを覚えています。田舎には電車がなかったのです。

鉄道写真の撮影は、先ほど紹介した親父のリコーフレックスから始まりました。今でもこの革を嗅ぐと親父のにおいがしますよ(笑)。初めて原稿料をもらった『鉄道ジャーナル』の写真も、親父のカメラで撮ったものです。6枚撮りのカメラだったので、フィルムを無駄にしないために、「ワンカット目はどこのカーブで……」と絵コンテを6枚書いて準備していました。

著書一覧『 櫻井寛

この著者のタグ: 『ジャーナリスト』 『英語』 『旅』 『アドバイス』 『写真』 『鉄道』 『研究』 『新聞』 『雑誌』 『アルバイト』 『カメラマン』 『写真家』 『現場』

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