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世界中の本好きのために

小池義孝

Profile

1973年生まれ。2006年に「気功治療院 一義流気功」を東京都に開設。翌年に気功治療の技術を伝える、「一義流気功教室」を開設。気功治療の内容はどの流派にも属さず、独自の道を歩み続ける。 著書に、ベストセラーとなった『ねこ背は治る!─知るだけで体が改善する「4つの意識」』をはじめ、『はじめての気功─痛みとトラウマが消える!』『背骨ビヨ~ン!体操─体の不調がみるみる消える!』(自由国民社)、『奇跡の30秒背骨ストレッチ』(三笠書房)、『不健康は治る!』(主婦と生活社)など。

Book Information

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世界中に僕の気功や技術を広げて、心と身体のエラーを正したい



一義流気功治療院院長。子供の頃から“気”を感じることができたという小池さんは、「精神気功」や「潜在意識との交流」など、独自の技術があります。また、「異常反応の解体」では鬱病の改善にも大きな効果を発揮しています。著書『ねこ背は治る!』はベストセラーとなり、NHKやフジテレビでも紹介されました。ご自身も各種メディアに出演し積極的に活動されています。小池先生に、著書やご自身のこと、電子媒体のことについて伺いました。

潜在意識も治療の対象


――治療を希望される方はどのような形で来院されるのですか。


小池義孝氏: なんらかの手段で僕のことを知っていただいて、電話やインターネットを通じて来ていただいているみたいです。一義流気功というのは、一義流気功は、知識と技術体系から構成されます。潜在意識というのはそれほど別個の存在ではなくて、自分の精神の中で、自分では確認できない、表面上の意識では分からない領域を、便宜上潜在意識と呼んでいるだけの話なのです。普段から潜在意識の交流というのはおのずと行われていることです。ただ、潜在意識ができることと、表面上の意識でやろうとしていることが違っていると、せっかく体も心ももっと良くできるのに、バッティングしてしまい、これができなくなってしまいます。それに、潜在意識にも実は知識というものがありますが、それも決して平等ではありません。ですから潜在意識に、新しい知識を持って治療を行うことによって、表面上の意識も含めた心全体が変わっていくということを目指しています。

周りとは違う自分に気が付いた


――荒川で開業開院されていますが、ご出身もこちらですか。


小池義孝氏: ええ、出身もこの辺りで、中学校もすぐ近くに通っていました。ボケッと、ノホホンとした子供でした(笑)。しかし、小学校の頃から人の心について知りたいという意識がずっとありました。目的意識もなく、そればかり考えていました。

――人の心について知りたいと思い始めたきっかけはなんだったのでしょうか?


小池義孝氏: 僕は、人よりもだいぶ、おおらかにできているようなのです。他の人が嫌だと思うことを、自分がされても嫌だと思わなかったりします。小学校の1年生の時に担任の先生に「自分がされて嫌なことは人にやってはいけません」と教わって、そうしていたのですが相手は嫌がるのです。それで先生に何度か怒られた時に、「何でそんなことで怒るの?」という感じで、僕は理解できなかったので、子供ながらに「このままだとヤバイ」と思いました。その時、「人は何を考えてどんな世界で生きているのか」、「人の心について観察してデータを集めていかないと自分が成立しないぞ」と思ったのです。
色々、研究、探求をし始めていたら面白くて、ずっと、そのことばかり考えて、大学生の頃までずっとそんなことを考えていました。自分の心の反応を見て、「あっ、これは珍しい反応だ、どうしたんだ」というように(笑)。こういうことを考えつつも、小、中、高は普通の人生のレール上を走っていました。

――では大学は、心理学などの“心”に関する分野を勉強されたのですか?


小池義孝氏: 大学は政治経済学部の政治学科というところです。別に政治に興味があったのではなくて,ポピュラーな政治経済学部が無難だと思ったからでした。希望したものの、その先のことはあまりよく分からなかったので、1番上にあった「政治学科」と「政治学過程」に丸をつけたという次第で…。別にどれも勉強したくなかったのです(笑)。

――大学を卒業されて就職はどうされたのですか?


小池義孝氏: そろそろ就職する段階だなという頃、会社をしている父が、「お前は俺を手伝え」と言ってきたのです。僕は別に、どこか就職したいところがあったわけではなかったので、そのまま父の会社にいきました。

自分の人生、居場所を考えました


――どういった仕事をされていたのですか?


小池義孝氏: その当時、今から20年くらい前の話ですが、インターネットで楽天が出たくらいか、立ち上げの頃でした。「じゃあ、お前はインターネットでこのゴルフ用品を売る係だ」と言われて。ゴルフのこともよく知らないし、販売の経験もないのにいきなり丸投げされました。
楽天に出店する前は自分でホームページを立ち上げて、商品を全部並べて、ホームタブという枠組みのタブを使って注文を取っていました。その当時は、ホームページ・ビルダーもないので、1週間でホームページが作れる本というのを買ってきて、メモ帳でコードを書きながら作っていたのです。今のホームページもメモ帳で開いて自分で作っています。

――その後お仕事は順調にいきましたか?


小池義孝氏: 軌道に乗って人並みの給料くらいになりました。ところが、楽天が従量課金を始めて、ライバルが増えていく中で自分のお給料が、20万円を切るようになり、10万円台前半まで落ち込んでしまいました。ゴルフ用品をネットで売っていくぞ、というモチベーションも始めから高いわけではありませんでした。自分の人生全体を考えた時に、他にネットで売れそうなものを見つけて、売り続けていけば、たぶん一生食うには困らないだろうなと思ったのですが、思った瞬間ゾッとしたのです。「そんな人生は嫌だ」と思いました。この場所にはいたくない。ネット通販はどう考えても僕の長所が生かされていないので、自分が生かされるというのは何かなということを考えました。僕がいなくなっても、別に他の人から買えばいいだけですから、誰も困らないということが、すごく気持ち悪く感じて、「ここぞ自分の居場所だ」というところが欲しいと思いました。ちょうどその頃30歳くらいで、自分の一生を考え始めたのです。

治療院は、ようやく見つけた人生の道


――どのようにして居場所を見つけたのでしょうか?


小池義孝氏: 僕は気やエネルギーに対する感受性がもともと強かったのです。昔、付き合っていた彼女は体が弱かったので、気功の治療のやり方を学んで実行していたということもありました。職業にする気はなかったのですが、「ここはどうかな、もしかしたら向いているのでは」と思ったのです。それでスクールに入りました。卒業する前には治療院のスタッフになり、その中のナンバー2になりました。その間に開業もしたのです。それまでは、流されながらなんとなく生きてきたのですが、ようやく自分の意思で人生の道を1つ決められたのかなというところです。大学にしても、「行かないよりは行っていた方がいいよね」というような気持ちだけでしたから(笑)。

――スクールに通いだしてからは、いかがでしたか?


小池義孝氏: スクールに通いながら知識を得ていく、道を探求していくというように、すごいアンテナを広げて過ごしていたと思います。しかし、まだ「やる気が溢れて絶対にこれで開業する」、という感じでもなかったのです。成功体験があまりないので、自分がやってできるとも思えず、自信もそれほどありませんでした。だから保険として、ゴルフ用品の通販も続けながら、並行して治療院もやっていました。そして、治療院の方がちょっと忙しくなってきた時、エネルギーを集中するために、ようやく通販の仕事をやめたのです。僕は結構、小心者なので、「こうと決めたら全て投げ出して飛び込む」というようなことができるタイプではありません。成功しそうにないメンタリティーでしたね。

――開院して治療するだけではなく、教えようと思ったのはどうしてですか?


小池義孝氏: 正直な話、教室の方は自分のノウハウが流出するのが怖かったので、最初はあまり来て欲しくなかったのです。ですが、教室は患者さんに向けてのメッセージでもあり、自分は「人に教えられるくらいの人ですよ」というのを知って貰えたらいいなと思いました。教えたかったのではなくて、「教える人だと思ってほしかった」というのが、教室を開いた最初の動機です(笑)。習いに来られた人には真剣に教えています。

色々な意味を込めて、本を出版


――本を書こうと思ったきっかけはなんだったのですか?


小池義孝氏: 最初、僕の成功イメージというのは関東圏くらいから人が集まってきて、常に人が絶えず、賑わっている…、というくらいのものでした。そこで「異常反応の解体」というのを開拓すると、今まで太刀打ちできなかった鬱病の人たちが、それ1発でどんどん良くなっていったのです。「ものすごい難関を突破した」と思いましたね。それで成功イメージを、「世界で躍進する」、とか「世界に広げていく」ということに切り替えたのです。ですが、あまりにもその結果が遠かったので、「どうしたらそこに一気に近づけるかな」と考えました。それで、文章を書くのは得意だったので、本を出そうと考えました。本を出して、ベストセラーになれば、世界に近づくだろうと思ったのです。

――本を出版するというのは、大きな意味があるのでしょうか?


小池義孝氏: やはり、本屋さんに並べることで、僕が届けられない人に届けることができるという素晴らしさがあります。ブログやYouTubeを見てくれる人などもいますが、やはり本じゃなければ届けられない年齢層の方たちもいますからね。あと、本を出しているということで、「この人はきちんとしている」と思ってもらえて、そこで初めてブログやYouTubeを見てもらえたりということにつながる事があるのです。

――『ねこ背は治る!』はどのようにして作られたのでしょうか。


小池義孝氏: 当時、文章も全部できあがっていたので、あとは持ち込むだけというような感じでした。それで、手の挙がった3社のなかで1番熱心だった自由国民社に決まりました。イラストについては、最初の原稿の段階で、僕がここにこういうイラストをつける、と全部指示していました。最初からイラストありきで書いていたのです。あとは、編集者の人脈でイラストレーターが決まったというような感じです。直しや、変更などはそんなにはありませんでしたが、イラストに関しては明らかに人体構造上間違っているものなどを直したりはしました(笑)。

――内容はどのようにして決められたのですか?


小池義孝氏: 商業出版で出版社が出してくれそうなものの中で、ベストセラーが狙えるものは何かなと考えた時、「意識するだけで体が変わる」というコンテンツがその答えでした。
意識していなかったものに対して、意識をそこに集中させることができる、というようなことを、読んでいただいたら感じられると思います。

――すごい発行部数のようですね。


小池義孝氏: 『ねこ背は治る!』は19.5万部を突破して、ビジュアル版『ねこ背は治る!』が4万部です。それに派生して出てきた文庫本が13万部なのです。今の時代、10万部をこえることはなかなかないようなので、3万部売れればベストセラーというような感じだそうです。

――これだけ多くの人に読んでいただけた背景には、何か戦略があったのですか?


小池義孝氏: 僕自身の中で、過去に「知るだけで体がこんなに変わるのだ」というサプライズがあったのです。それで、1人1人に細々とセミナーをやっていました。そこで、皆さんこれほど驚かれる、こうすれば理解してもらえるということが分かっていたので、入り口さえ何か取っ掛かりがつけられれば、読んでいただけるのではないかと思っていました。

電子書籍の話題を、もっと


――先生はイラストやマンガを使って分かりやすく本を書かれていますが、電子書籍についてはどのように感じておられますか。


小池義孝氏: 出版業界がうまくやれば、電子書籍はもっと広がると思います。電子書籍リーダーを数万円出して買うことはまだ難しいかもしれませんが、スマホで読むことができます。もうインフラは整っているのです。あとは、電子書籍で本を簡単に買えて読むことができるということを知るだけの段階です。だから、本当はもっとブレイクしていなければおかしいと思います。

――知るためには何が足りないと思いますか?


小池義孝氏: 話題だと思います。例えば、まず1冊で10万ダウンロードをこえているような、シンデレラボーイ、シンデレラガールが誕生すれば、「これはすごい」とマスコミにも取り上げられると思います。そういう話題が、まだ何もないです。だから、まず話題づくりとして、Amazon、Kindleの方で何人かの人気作家さんにお話を持っていって、同時にKindle限定で出版して、「これが読めるのはKindleだけ」とテレビで宣伝するなどすれば、そこで一気にブレイクするのではと思いますね。

価値あるものと、売れるもの


――先生は出版社や編集者に、どのようなことを期待しますか?


小池義孝氏: コンテンツを持っているけれど本にできない人たちがたくさんいると思います。そこを繋ぐということですね。例えば、インタビューして、「ここ素晴らしいですよ、これをこういう構成にしたらニーズとマッチしているからいけますよ」という風にし、本などは書けなくて当たり前なので、専門のライターさんをつけてあげるのです。編集者は今後ますます「素材を見つけて世に出す」という、パイプ役として期待されると思います。

――あとは売れる本にしていくということでしょうか。


小池義孝氏: そうですね。コンテンツとして価値があっても、売れる、売れない、というのは違います。潜在ニーズではなくて、そこに明確なニーズがあり、さらに荒らされていないことが必要条件だと思います。『ねこ背は治る!』も、“ねこ背”というキーワードにニーズがあったのです。“ねこ背”のタイトルだと、原幸夫さんの『ねこ背がすっきり治る本』は文庫本が4万部、5万部くらい出ていた感じでした。そうするとまだほとんど世の中は知らないわけです。世の人たちは、「自分は姿勢が悪い」、「ねこ背だ」と思っていたのです。それで、その“姿勢”というタイトルの本は出ていたのですが、みんな姿勢の本の前は通りすぎてしまっていたのです。自分はねこ背だと思っているので、タイトルをみてワンクッション置いてしまっているのです。ところが、ねこ背だと思っている人は、ねこ背というタイトルであれば、「あっ、ねこ背の本だ」「治る?えっ何?」と思って手に取ってくれると思ったのです。姿勢というタイトルでは止まってくれなかった、その辺の戦略ですよね。
「ねこ背をタイトルに」というのは、出版社が決めたのです。けれど、『ねこ背は治る!』は、ねこ背の本ではないのです。本当は、4つの意識の本なのです。コンセプトは、「意識をかえれば体がこのように変わる」ということなので、そのための重要なことを4つ紹介しています。ねこ背に集約すると潜在ニーズとして拾えるところは狭くなってしまいますから。



死ぬまでに、僕の技術を世界中に


――『ねこ背は治る!』は台湾、韓国と外国語にも翻訳されて、いよいよ世界へという感じですが、どんな心境ですか?


小池義孝氏: やはり、自分のストロングポイントは鬱病とか、対メンタルなのです。そこで色々なもの、例えば「異常反応の解体」などが開拓されて、結果も出ています。これを広めないと、死ぬ時に申し訳ないという気持ちがあります。だから僕が死ぬまでに、世界中で多くの人がこの技術を受けることができる状況まで持っていきたいと思っています。インターネット環境も世界中に繋がってきて、どんどん整っていくと思いますので。

――そういう時に電子書籍で出版していくのはどうですか?


小池義孝氏: 電子書籍はどんな感じかなと思って、『許し方』という本をKindle限定で出してみたのです。今、英語翻訳をかけるように依頼してあります。電子書籍だと英語にさえすれば、個人で海外にも出していけます。「異常反応の解体」のような技術をオンライン上で世界中に伝えていきたい、死ぬ時に、もう十分やれたという気持ちになれるまで持っていきたいと思います。

ホームランを連発しないと間に合わない


――患者さんと触れ合ったり、本の反響なども聞くと思いますが、どんな時に喜びを感じますか?


小池義孝氏: 治療や施術は、その場で結果が出るので、患者さんに良くなってもらった時はもちろん嬉しいです。ですが、先程の世界中に伝えることもそうですが、自分自身のことではいつも先のことしか見ていないので、それを達成する喜びももちろんありますが、達成するとまた直ぐに先のことを見始めてしまいます。自分の喜びということを考えているわけではありませんが、自分が何か達成することで、患者さんや、体が良くなった方たちの喜びがあるのだと思います。

――治療や本の出版とお忙しいですが、これからはどんな展望を描かれていますか?


小池義孝氏: やはり先の目標に向けて、地道にやっていたのでは自分の人生のなかでは間に合わないのです。だから、やはり影響力の大きい人に認められて、そこから波及させていくような流れを作りたいと思っています。そのツールとして、Kindleでの新刊『許し方』も英語翻訳にしようとしています。初めて本気で書いた本なので。『ねこ背は治る!』も、もちろん本気なのですが、自分にとっては分かりきっていることをどうしたら分かってくれるか、という伝え方を考えるという書き方でした。『許し方』は書くために、自分のなかでより深めなければいけない、考えなければいけないということがあったので、そういう意味では『許し方』は初めて本気で書いたのです。自分が届いていない境地のものを、書きながらそこに手を伸ばしていったという感じです。『許し方』、是非読んでもらいたいですね。

(聞き手:沖中幸太郎)

著書一覧『 小池義孝

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