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世界中の本好きのために

村山涼一

Profile

1961年、東京都生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。オリコミ(現オリコム)、講談社、NTTアド、東急エージェンシー、旺文社を経て、現職。競争戦略、コミュニケーション戦略が得意分野とし、企業のマーケティング業務をアウトソースで請け負い、プランニング、コンサルティング、組織構築、社員教育などを行っている。就職活動やマーケティングに関する講演も多数。 著書に『ささる。プレゼン』『ゆさぶる。企画書』『就活を採用者視点で科学する』(日本経済新聞出版社)、『100円の不良在庫を5000円の商品に変える方法』(中経出版)など。

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合理的に作られた仕事場


――執務室ですが、デスクが3つに分かれていますね。どのように使っているのでしょうか?


村山涼一氏: 1つのデスクにはパソコンはありませんが、残り2つには、パソコンを置いています。そして後ろに本棚があります。パソコンがあるデスクでは、企画書を書いたり、データ解析をしたり、あるいはネットサーフィンをしています。ですから、椅子をくるくると回しながら、本棚とパソコンに向かっています。パソコンのないデスクでは、いわゆる紙ベースのものを読み込んでいます。紙を読んでいるうちに知りたいことがでてくると、それを探す時に、先ほどのパソコンのデスクを使います。そしてもう1つのパソコンのデスクでアウトプットしています。仕事をする時は、すぐに本や書類が見つかるデスクをメインに使っています。

――とても合理的ですね。


村山涼一氏: 僕は合理的じゃないと嫌なんです。だから新聞でも、切り抜きなど一切せずに、必要なものだけを残しておきます。例えばノンフライヤーがすごく大ヒットしたという記事があります。僕にとって知りたいのは、ノンフライヤーの記事の中で何が成功要因なのかということ。この商品はもともと「エアフライヤー」と言っていたという記事があります。マルチ機能だったものを日本は単機能にしたため、「ノンフライヤー」という名前にしたそうです。これは「カテゴリを作ったから成功したんだ」という絵なんです。

――すぐに分析ができますね。


村山涼一氏: 読むと図形化できるというのが僕の売りです。記事を全部覚えることはできないので、要旨だけ、人に話さなくてはいけないことだけをまとめておき、それを置いておきます。そうすれば、元の記事に戻ることができる。本も一緒だと思います。「あのページに戻りたい」と思った時に付せんの部分を開けば、すぐに戻れるわけです。要するに索引を作っているのです。

――情報の整理とは、少し違うのですね。


村山涼一氏: 整理しないと自分の頭の中に意識付けできませんが、整理し過ぎると面白くなくなるので、そのまま置いておくんです。そして、いらないものは容赦なく捨てます。必要なものだけを大事に大事に取ってあります。

重要なのは「意味」


――電子書籍が登場したことによって何か変わったこと、もしくは今後も変わらないだろうと思われることはどのようなことでしょうか?


村山涼一氏: 実は、横で書かれたものの方が理解が早いのだと脳の専門家が言っています。縦書きのものは記憶しやすいけれど、横書きのものの方が情報処理をしやすいそうです。だから電子書籍で横書きになっているものはすごく重宝しています。それと電子書籍なら、本を溜め込まずに済みますよね。最近は電子書籍をよく読むので、紙の本を買わなくなりました。最近本屋に行くと「村山さん、最近はあまり来ませんね」と言われるようになりました(笑)。でも、紙じゃなきゃいけないものもあります。脂汗を流しながら読んでいくタイプのものがそうなのですが、そういう本を電子書籍で読むのは、僕の場合は無理ですね。だけど、基本書やちょっとした読みものならば、早く読みたいので電子書籍で読んでいます。

――村山さんにとって、紙の本の良さとは?


村山涼一氏: ソシュール的に言うと、「物には形態と意味とある」。本に執着する人というのは形態にとらわれているのだと思います。「紙」だとか「デジタルコンテンツ」などと色々と言いますが、そもそも僕にとってはその本が持つ「意味」が重要で、自分が好奇心を持つ、まだ知らないことを教えてくれるものだったら、形はなんでもいいんです。ただ、格闘しようと思う時は、紙の方が線を引っ張って消せるとか、読みながら書くことができるのでいいですね。僕は「本をいじめる」と言っているんですが、紙の本の方がいじめられるんです。電子書籍はいじめるタイプの本ではないし、できるだけ早く自分が必要としている内容に到達したい。そういった自分の中の使い分けができているだけであって、自分の好奇心を満たすということの意味では、どちらも同じです。

――今後の展望をお聞かせ下さい。


村山涼一氏: リーマンショック以降、消費というものが、生きるために存在していたように感じています。2011年の大震災を経て、生存のためだけに物を食べて生きていくような未来しかないと思っていた人が、この2010~2012年で多かったように思います。特に若い世代にそういった意識が多く見られるので、そういう人たちに、「いや、そうじゃないよ。日本という国はアベノミクスが始まってから、価値が享受できる時代に戻ってきたじゃないか。やっぱりそれが日本のポテンシャルだし、未来なんだ」ということを、マクロ的に言っていきたいと思います。いわゆる「価値」というものをしっかりと知らしめていきたい。それから、先ほど申し上げた「意味が重要なんだ」ということも、執筆活動などを通じて言っていきたいと思っています。

(聞き手:沖中幸太郎)

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この著者のタグ: 『生き方』 『働き方』 『マーケティング』 『ビジネス』

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