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今一生

Profile

1965年、群馬県生まれ。千葉県立木更津高校卒、早稲田大学第一文学部除籍。 コピーライターを経て、現在フリーライター、編集者。親から虐待された人から公募した手紙集『日本一醜い親への手紙』3部作が累計30万部のベストセラーに。その後、自殺、家出、社会起業などを題材にした書籍が反響を呼ぶ。著書に『ソーシャルデザイン50の方法』(中公新書ラクレ)、『社会起業家に学べ!』(アスキー新書)、『親より稼ぐネオニート/「脱・雇用」時代の若者たち』(扶桑社新書)など。『月刊 高校教育』『アイソス』などの雑誌や『オルタナ』のオンラインニュースで執筆中。

Book Information

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ソーシャルデザイン、町作りは「急務」である


――今後どんなことをやっていきたいですか?


今一生氏: 実は、本格的なソーシャルデザインやソーシャルビジネスのマンガがこれまでにないので、マンガ原作を本格的に手掛けようと思っています。ソーシャル系のイシューにはドラマチックなストーリーがたくさんある割に、まだマンガでほとんど扱われていないので。そのために、ここ何年間はいろいろなマンガ雑誌の編集者の方とアイデアを話しています。
実際にこういうふうにやったらまちを活性化できたという事例が豊富にあるので、そうした取材を元にしたソーシャルデザインの話にしようと考えています。
現実に、医療や福祉、介護、過疎化などさまざまな社会問題で首が回らなくなっている地方では、画期的なまちづくりの仕組みに挑戦することが急務です。
まちづくりでは、コミュニティ(人口)をどうやって守っていくか、どのような産業を作っていかないといけないか、観光客をどうやって増やしていくかなど、やるべきことが山ほどあります。それを考えないままでは、ますますまちはさびれて、夕張のように破産する自治体が増えるのです。千葉県の銚子市も2017年度に破綻することが危ぶまれています。
今までまちづくりには莫大な税金が投資されてきましたが、税金でやろうとすると危機感が足りないからか、成功事例が少ないんです。民間の知恵やお金、ノウハウを使って、より楽しく、より速く、より費用対効果良く活性化できるあり方へと変えていく必要があります。
そうしないと、2人に1人が65歳以上という超高齢化社会が現実のものとなった場合、若者の福祉負担が増えていって、今よりずっと若者が生きづらい時代になってしまいます。これは国が傾くくらいのレベルの話なので、早めに何か手を打っておく必要があるんです。

――これからのまちづくりのあり方を示す手掛かりになるものはありますか?


今一生氏: 木下斉さんが全国でやってきた地域活性化の経験を元に書かれた『まちづくりデッドライン』という本があります。そこには、「行政の区割りでまちづくりを考える時代はもう終わっている」という話があり、なるほどと思いました。
「瀬戸大橋のせいで四国の過疎化が進んだ」という前例があるのに、アクアラインで川崎までつながった木更津市では、海側のメインストリートはシャッター通りと化してしまいました。
こうなると、「市」の範囲ではなく、このまちでずっと暮らしていきたいと本気で思える人どうしだけのネットワークによって新たにゾーニングした範囲を中心に活性化を進める必要がありますし、税金に頼らずに自分たちで市場活性できる枠組みを作って生き残っていくしかないのです。

お金や名声はなくても、人と人は「心」でつながれる


――みんながガマンしないですむ仕組みを作る人たちが新しい生き方を生み出していくと?


今一生氏: その通りです。数年前、早稲田大学の大隈講堂地下に300人の市民を集め、ソーシャルビジネスをしている人の話を聞くイベントを開催しました。その時、アイルランドで「ブラストビート」という若者支援活動をしているロバート・スティーブンソン(編注※U2をデビューさせたことで世界的に有名になったプロデューサー)にメールして、「日本に来てほしい」と頼みました。
僕には超有名人のロバートを招待するだけのお金なんてありませんし、まだ日本では認知度が低い「ソーシャルビジネス」のイベントでは入場料も無料にするしか大人数を集められないので、彼には無償でお願いするほかありませんでした。
だから、「あなたが日本人に向けてソーシャルビジネスの必要性とそれに挑戦する情熱を語ってくれたら、多くの若者たちがソーシャルビジネスに関心を持って動き出すはず。それが日本のみんなにとって明るい未来を作るチャンスになるんです」と、ラブレターみたいなメールを書いたのです。
すると、ロバートは「よし、行こう!」と即レスで快諾し、当日は笑顔で会場に来てくれたのです。そういうふうに自分の気持ちを伝えるだけでも人は動くと思いますし、むしろ、それが1番強いんじゃないかな。もちろん、ロバートには帰国子女でバイリンガルの女子大生たちをつけて通訳のアシストをしたり、講演の様子をUstreamで生中継とアーカイブをして世界中のみんなが見られるようにするなど、こちらでもできる限りのことはやりました。
ですから、「お金がないから無理」「知名度がないから無理」などとできない理由をあげつらってあきらめるのではなく、「何にもないならせめて心だけでつながろうよ」と言いたいのです。
自分の私利私欲を満たすのではなく、「みんなのためになる」趣旨のものなら社会のさまざまな人が協力してくれますし、自分から「あの人は有名人だから」と排除する必要もないんだと思うのです。
そういう発想は、本や電子書籍を作る時にも大事なことなんじゃないかな。

(聞き手:沖中幸太郎)

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この著者のタグ: 『ライター』 『ソーシャルメディア』 『視点』 『伝え方』 『スピード』 『シンプル』 『解決方法』 『ソーシャルデザイン』 『社会問題』

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