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世界中の本好きのために

池田暁子

Profile

1969年生まれ、愛媛県出身。 神戸大学教育学部教育学科卒業、筑波大学芸術専門学群中退、セツ・モードセミナー修了。 1997年よりデザイナー、2003年よりフリー。イラストの他に、コミックエッセイを多く手掛ける。 『片づけられない女のためのこんどこそ!片づける技術』(文藝春秋)や『必要なものがスグに!とり出せる整理術!』(メディアファクトリー)など、整理整頓に関する著書で人気。 近著に『思ってたウツとちがう! 「新型ウツ」うちの夫の場合』(秋田書店)、『うっかり結婚生活 一緒に暮らす2人のルール 8』(メディアファクトリー)、『人生モグラたたき!』(文藝春秋)など。

Book Information

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足を向けられなくて立って寝るほど恩人だらけ。


――かなりの行動派だと感じます。実際にフリーとして独立するまでの道はどのような感じでしたか?


池田暁子氏: 当時は、人も仕事もどんどん増えてきた頃でした。デザインを始めたのも、イラストレーター年鑑を見たら、経歴が元デザイナーという方がすごく多かったので、一度作っている人たちの仲間に入れてもらおうと思ったからなのです。それでMacの操作を覚えて、次第にデザインの仕事もやらせてもらうようになって、講談社の『マガジンZ』という雑誌のお手伝いをしたりしました。編プロに入って1年半ほど経った頃に、「私はイラストレーターになりたかったんだ」と思い出して、そこを辞めることにしたわけなのですが、忘年会の席で、表紙デザインを作っているデザイナーさんにその話をしたら、「手伝いに来てよ」と言われ、そのデザイン会社で働くことになりました。その方もアルバイトをくださった先生も、私の周りは、足を向けて寝られないどころか、立って寝なければいけないような恩人だらけなのです。本を買ってウェブプログラミングの勉強もしていたら、別の知り合いから電話で「ウェブはやらないの?」と聞かれて「今日からやっています」と答えたら、また「手伝って」と。それは大きい仕事で、せっせとコードを書いてプログラミングをしていました。当時は今のようにスタイルシートもなかったので大変でした。紙のデザイナーの人とウェブがわかる人との間で、「データが重い!」などと言って戦っていました。

――今の電子書籍の状況に似ています。そこからイラストレーターにはどうやってつながったのでしょうか?


池田暁子氏: ウェブの仕事とデザイン会社の仕事を1年ぐらいしていて、再びイラストレーターの道に進むために仕事を辞めたら、知り合いから声が掛かって『ガンダムエース』という雑誌の立ち上げを手伝ったり、別の雑誌をお手伝いしているうちに、イラストのお仕事をするようになりました。派遣にも登録して単発で出版社に仕事をしに行って3、4日徹夜したりして生活費を稼いだこともあります。そうこうするうちに知り合いの方から『ひともうけ イラストエッセイで読む宇宙一カンタンな株式投資入門』のお話をいただいて、即、OKしました。株の体験談をまとめた本で、私のデビュー作です。その本を見て、唯一連絡をくれた知り合い以外の業界の人が文春の方で、その後文春に企画を持ち込んで本を出すことになったのです。このように、この世は全部つながっているので、悪いことはできません。

私の仕事には紙の本が必要。


――小さい頃から本はお好きでしたか?


池田暁子氏: インドア派だったので本は大好きで、小学4年生ぐらいまでは、学校から帰ったら勉強するふりして、親に隠れて毎日1冊くらい読んでいました。

――印象に残っている本はなんですか?


池田暁子氏: 図書室で借りた『小さな魔法のほうき』という、ハリーポッターの元ネタとも言われているイギリスの小説です。一度絶版になっていたのですが、復刊ドットコムでまた復刊されて、購入して読み返すことができました。こんな古い物を持っているから部屋が散らかるわけなのですが、色々な人とその本を通じて体験を共有していることや、その本を覚えている人がいることに、つながりを感じて嬉しいです。

――最近はどのような本を読まれていますか?


池田暁子氏: 資料的な物を読んだり、最近のトピックを調べたりと、勉強のために読むことが増えた気がします。少し前ですと『ウェブ進化論』、最近だと『ワーク・シフト』なども読みました。本に関しては新しい物も読まなければいけないと思っています。

――電子書籍はご利用になりますか?


池田暁子氏: まだ使ったことがないんです。私は、本を何冊も並べておいて、書いている内容を比較し、併行して確認しながら読むことが多いので、電子書籍の端末では、できないような気がします。だから部屋が散らかるわけですが、本に関しては必要な物は取り出せる方だと思っています。電子書籍の場合は、頭の中にある程度入れられる人は大丈夫だと思うのですが、私は少し記憶が弱いらしく、どうやって探すのかがよくわからないのです。

――そういうところも、電子書籍を遠ざけている理由ですか?


池田暁子氏: 使い分けではないでしょうか。例えばちょっと疲れた時に好きな音楽を聴いてホッとしたいなら、その曲を聴けばいい。だからウォークマンには10代の頃に聞いていた大貫妙子の曲などが入っていて、ちょっと心がザワザワしている時に、それを聴いて過去に浸って自分を甘やかしたりします。好きな小説を読むのもそれと同じだと思いますが、本に関しては、私は、電子書籍をそういうノスタルジックな使い方をしてはいけないと思っています。

――ご自身の本の読み方と電子書籍がマッチしない感じなのでしょうか?


池田暁子氏: 世の中がどんどん変わっていきますから、考え方や知識を無理矢理でも新しくしていくために、古い考えを捨てなければいけないことも多いでしょう。 お気に入りを入れておいて好きな時に楽しむ分にはいいと思うんです。私の周囲にも、Kindleが大好きで青空文庫が読み放題とおっしゃる方もいて、それも素晴らしいことだと思うんですが、私個人としては、まだたくさん勉強しないといけないことがあるので、本に関してはそういう安心を求めるという、ノスタルジックな気持ちにはなれないんです。音楽はダウンロードしますが、電子書籍は使ったことがないのでよくわからないというのが正直なところで、とくに推進派ではありません。

著書一覧『 池田暁子

この著者のタグ: 『女性作家』 『働き方』 『紙』 『イラストレーター』 『片づけ』

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