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世界中の本好きのために

齋藤孝太

Profile

1973年東京生まれ。日本大学法学部法律学科を卒業後、広告代理店・企画会社・コンサルティング会社に勤務。大手企業・販売現場のマーケティングノウハウに精通する。その経験を生かし、2004年に独立。店舗系ビジネスにおいて顧客との関係を深めて売上拡大を目指す企業を対象に、顧客育成/CRMを現場で導入し、店舗に根付かせる店長向けのコンサルティング・教育・研修を実施している。独立後の受講者数は延べ7200人を超える。近著に『お客様は自分が欲しいものをわかっていない。』(クロスメディア・パブリッシング)、『店長の気持ちスイッチ33』(日刊工業新聞社刊)など。

Book Information

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お店もお客さまも「うれしい」、両方が良くなる関係づくりが私のコンサルの基本



株式会社SIS 代表取締役。1973年東京都北区田端生まれ。日本大学法学部法律学科を卒業後、広告代理店を経て企画会社へ。マーケティングプランナーとして、大手化粧品メーカー等のマーケティング計画策定や現場マニュアルを作成。その後、株式会社企画塾に転職。2004年8月独立。店舗系ビジネス(専門店・SC・総合小売り・サービス業等)において、お客さまとの関係を深めて売り上げ拡大を目指す企業を対象に、お客さま育成/CRMを現場で導入・根付かせる。オーダーメイドの人材育成、店長向けの教育・研修を実施し、独立後の研修の受講数は延べ7200人を超える。『お客は自分の欲しいものを分かっていない。』、『店長の気持ちスイッチ33』、『なぜ、CRMは現場の心に根付かないのか?』など、著書多数。今自分にできることを一生懸命の、齋藤孝太氏にお話を伺いました。

自分のためより人のための方が頑張れる


――㈱SISの代表であり、お客さまとの関係を深める専門家ということですが、どういったお仕事内容になりますか?


齋藤孝太氏: 仕事のメインは、街中にあるお店、特に店長さんに向けて、コンサルティング、教育や研修をさせていただいています。お店にとってはお客さまとの関係を深め、固定客が増えると売り上げが安定する。お客さまにとっても毎回違うお店に行くより自分が固定客として大事にされた方がうれしい。両方良くなるという世界を、コンサルティング、研修・教育を通じてお届けしています。

――どのような研修をされるのですか?


齋藤孝太氏: オリジナルで、その会社に合わせて研修メニューを作っていくことがほとんどです。ですから、仕事としては研修というよりも、打ち合わせをしたり資料を作っていることが多いですね。研修というとある程度パッケージがあって、それを講師が話して、「後は皆さんの会社でお願いします!」という感じが多いのですが、僕の場合は化粧品店やバイクショップなど、その業種の人しか参加しない研修がほとんどです。ですから、その人達にマッチングした内容にすることで、受ける方が次の日からでも使えるようなものがいい。本当に明日から使えるように作りこみます。当然、資料を作りこむ時間や打ち合わせ時間が長くなります。

――どのようなきっかけで今のようなお仕事を始められましたか?


齋藤孝太氏: 大学生の時に、何となくコンサルタントになりたいと思っていたんです。夢みたいなものでしたが…。

――コンサルタントに対してどんなイメージを抱いてましたか?


齋藤孝太氏: 大学生の時だったので、かっこ良さそうだなと思っていました。もうひとつは、僕自身の性格が自分の事業を拡大するより、相手の事業のためにやる方が一生懸命、仕事ができるんじゃないかと。自分がお金持ちになることに対してパワーが少な目で、あまりハングリー精神もない。そんな性格なんで、自分に向かってそんなに頑張れないんですよね。相手に対して僕が何をできるかということに力を向けた方が、僕はまじめに働きます。そういう意味で、コンサルタントという職業があっていたと思います。
ただ、コンサルタント会社を受けても全然受からなかったので、広告代理店の営業として就職しました。20人ほどの会社でしたが、1年半ほど営業をやり、やはり考える仕事がやりたいと、今度は5人の企画会社に転職したんです。24歳の時ですね。そこの会社が主に資生堂さんの仕事をしていまして、いくつかのブランドのマニュアルを作っていました。

――お店のマニュアルですか?


齋藤孝太氏: 春に売り出す商品について、どのようにトークをして、ポップを作り、陳列をし、顧客管理をするのかという販促マニュアルです。成功店に回らせていただいて、成功アクションをまとめて、編集して、それをマニュアルに落としこんでいきました。
販促マニュアルですから、セルフ店新人向けのマニュアルとは違って、ダイレクトに売り上げを上げるためのマニュアルです。僕が担当していた化粧品の専門店は、お客さまと関係を深めて固定客を育成しようというマーケティング方針です。「お客さまと関係を深めて、売り手も買い手も両方良くなる」という考え方は、実はその時の体験からきています。

本を出したことで、大手企業と仕事ができるように


――独立のきっかけはなんですか?


齋藤孝太氏: 実は僕、28歳の時にマーケティングプランナーとして、一度独立したんです。広告代理店の下請けで企画書を書いていました。でも、クライアントと直接やりとりしないと将来ダメだな~と思ってコンサルの道に進むことに決めて。コンサル会社に入ったんです。

――独立するために、ですか?


齋藤孝太氏: そうですね。それは就職する際に、コンサル会社の社長さんに事前に伝えました。その会社で修行をさせていただく形で、1年半いさせていただいて、それから2度目の独立をしました。

――お仕事は順調にいきましたか?


齋藤孝太氏: 4年位は仕事があまりなかったですね。その時に本を出せたのが良かったですね。CRM(Customer Relationship Management:顧客との関係を構築することに力点を置く経営手法)について書かせていただきまして、その本から仕事を頂けるようになりました。



本を出したことで、怪しい人間からそれなりの普通の人になった(笑)。いくら僕が「コンサルです」と言っても、価値が見えないですよね。そういう意味で本を出せたのは大きなきっかけになりました。
それから、大手のクライアントさんとお仕事ができるようになりました。カネボウ化粧品さんやバイクのカワサキさんは、最初の本を見ていただいてからのお付き合いなんです。もう5年になります。

一生懸命やることを、止めないこと


――大学生以前はどんなお子さんでしたか?


齋藤孝太氏: 今は全くやっていませんが、中学、高校では卓球をやっていたんです。キャプテンとしてインターハイにも出場しました。僕の出身校は、日大豊山高校という日大の付属高校です。インターハイに、10年位連続で出ていました。僕は、中学の時に関東大会に東京代表で行ってましたから、高校には卓球推薦で入ったんです。なんとか3年の時は、団体戦・ダブルスでインターハイに出ました。全国大会に行って思ったのは、自分が一生懸命やっても僕よりうまい人がこんなにたくさんいるんだなあという良い意味のあきらめを感じました。自分が一生懸命やっても、ある領域には届かない現実を知りました。
そこで大事だと思ったのは、まず一生懸命やること。一生懸命やっても、なかなか行き着けない場所はありますが、そこがないと未来はないと思って、頑張っています。あきらめたら終わりですからね。

――その話を聞くと、私ももっと頑張らないと、と思いますね。


齋藤孝太氏: 僕は高校3年生まで部活を一生懸命やっていたんです。自分が上級生になると、先輩がいなくなりますから、練習をサボり出す人がいます。それを見ていて、とにかく続けることが大切だと思うようになりました。ビジネスは期間が長いです。高校なんて3年間だけですが、ビジネスは30年あります。長丁場です。元々持ったセンスも大事ですが一生懸命やることを止めないことが一番大事です。

自分の専門領域で精いっぱいやる


――齋藤さんは、電子書籍は読まれますか?


齋藤孝太氏: 一度しか買ったことがないです。線を引いて読むのが僕の読書スタイルです。何度も読み返すので、効率を高めたい。もう一度本を読み返す時には、線を引いたところしか読まないですね。電子書籍でもマーカー機能はあると思うのですが、なかなか踏み込めないですね。電子書籍がダメというわけではないのですが、私にとっての「どうしても電子書籍でなければ」という決め手がないです。

――仕事とプライベートの境界線みたいなものはありますか?


齋藤孝太氏: あまりないですね。かと言って仕事、仕事と思っているわけでもないです。生活があって、その生活の中に仕事があって余暇がある。余暇も仕事の時間も、生活している中では同じと考えています。

――今後の展望を伺えますか?


齋藤孝太氏: 今、仕事としては教育とのかかわりが多いのですが。会社の中でこういうビジネスパーソンであってほしいという希望を話し合いながら、どんな教育が必要なのか考えていくスタイル、コンサルティング領域を深めていきたいと思っています。僕は、もともとマーケティングの世界から来ていますから、最初は人の教育にあまり興味を持っていませんでした。ただ、実際にやるのは人です。会社のあるべき人材像と現実のギャップを明らかにして、そのギャップを埋める教育をもっとやっていきたいと思っています。

――さまざまな変化の中で、これからが楽しみですね。


齋藤孝太氏: 特に最近意識しているのは、クライアントさんの要求に対して、柔軟に対応することです。自分がやりたいことよりクライアントさんが望むことを真剣にやる方が、自分の領域を広げられるからです。クライアントさんは時間とお金を使って依頼するわけですから真剣です。ですから、クライアントさんの要求に応えていく力を大事にしたいと思っています。
クライアントさんが求めてくれれば、私は一生懸命できます。その意味で、クライアントさんの希望・意向に一層敏感でいなければ!と思っています。

――今自分にできることを一生懸命やっていくことが大事ですね。


齋藤孝太氏: あまり大きいことを考えず、自分の専門分野でやっていくのが大事かなと最近よく思います。以前、「日本の新しい大学教育」みたいなことを考えた夢物語の企画を考えたことがありました。途中でやめましたが、やってみて思ったのは、大学には大学に心ある人がいて、頑張っている人がいる。政治家がダメだと言っても、政治家の中にも心ある人がいる。僕は僕で、自分の専門領域を頑張っていこう!自分の領域で完成度の高い仕事を世の中に届けることが大切だと思っています。

(聞き手:沖中幸太郎)

著書一覧『 齋藤孝太

この著者のタグ: 『コンサルタント』 『コンサルティング』 『マーケティング』 『教育』 『独立』 『きっかけ』 『研修』

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