BOOKSCAN(ブックスキャン) 本・蔵書電子書籍化サービス - 大和印刷

世界中の本好きのために

山本陽平

Profile

1975年生まれ。Web関連技術を中心に組込みソフトウェアからインフラまでの設計が主な仕事。2005年ごろからRESTという技術に着目し、ブログを中心に雑誌連載や監訳、講演で国内での啓蒙活動に従事。主な著書に『Webを支える技術』(技術評論社)。
共著・監修に『XML教科書』(ソフトリサーチセンター)、『RESTful Webサービス』(オライリー・ジャパン)などがある。

Book Information

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

XMLに着目し奈良の大学院へ進学



山本陽平氏: そのころ、自分の中で「XMLがいい」と思っていた時期で、インターネットで調べたらXMLの研究をしている先生は日本に2人しかいなかった。ちょうど奈良の先端科学技術大学院大学に、吉川先生という方がいらして、「その研究室へ行きたいな」と思ってそこの大学院へ進んだんです。

――XMLに着目された理由は、どんな点だったのでしょうか?


山本陽平氏: 当時ウェブの技術としてHTMLとかHTTPとかURIがあったのですが、HTMLがウェブのデータそのものを表す表現方法であって、それの拡張版としてXMLが出てくると。これはすごく面白そうだと思ったんですね。

―― XMLに関しても、RESTに関してもそうですけども、日本にはなかったり、まだ普及していなかったり、理解されてないものに着目して広められているのですね。


山本陽平氏: そうですね。僕は技術者なので、正しく技術が伝えられていないと嫌なんですね。誤解をされていたり、大きな会社の都合で宣伝目的に使われていたりする。そうではなくて、技術自体がきちんと理解され、普及してほしいと思っています。僕自身はすごくやりやすい職場にずっと恵まれているのですが、常日ごろ、仕事をする上で大事にしていることは、技術者として正しいと思ったことをやるということですね。やはり組織で働いているので、自分の考えを曲げなきゃいけない局面もありますが、そういうときでも、「技術に関して間違っている」ことはしない、そのポリシーは守りたいですね。

――正しい技術というのは、どのようなものなんでしょうか?


山本陽平氏: 今、新しい技術というのは、単にキーワードだけが先行してしまったり、過大評価されてしまったりしがちなんですね。そういうのって本質的じゃないと思うんですよ。

お客さまの声を聞く、製品を使われているのを見るのが喜び


――世の中が少しずつ変わっていく様子を見て、技術者で良かったと思う瞬間はありますか?


山本陽平氏: やはり、自分が開発した製品が、実際にユーザーの方に使われているのを見たり聞いたりするのが1番うれしいですよね。価値のないものにはお金を払っていただけないと思うので。お客さまにとって1番重要なことを大切にしたいと思っています。

技術者として考える「電子書籍の可能性」


――電子書籍についてもお考えを伺いたいと思います。山本さんご自身は電子書籍を利用されていますか?


山本陽平氏: 僕はあまり早い段階ではやりを取り入れるタイプではないので、iPhoneは持っていますけどiPadをまだ持っていないんです。携帯の中のiBooksに4冊しか入っていないですね。

――それは電子書籍ストアで買われたものですか?


山本陽平氏: 『知る、読む、使う!オープンソースライセンス』(達人出版会)をこの間1冊買ったのと、後の3冊は無料配布のものです。

――電子書籍というのも1つの技術だと思うんですが、実際にお使いになって要望はございますか?


山本陽平氏: いや、そんなに不満はないですね。「こういうものだ」と思って読んでいるので。電子書籍にはEPUBという規格があるのですが、EPUBってベースはXMLなんですよ。だから「XMLが使われていていいな」と思っています。

――普段、お仕事や研究で資料として使われるのは紙ベースですか?


山本陽平氏: あんまり紙は使わないですね。研究のときには、ウェブで気になる技術系のブログを読んだり、論文を見たりします。

――実際ご著書が裁断、スキャンし、電子化されて読まれることに対して抵抗はありますか?


山本陽平氏: いや、ないですね。知り合いも自炊しまくっていますし、僕の本をみんな裁断してスキャンしたって言っていました(笑)。僕は全然自炊には興味がないので。みんなすごいなと思っています。

紙の本でできないことができるのが、電子書籍の可能性の1つ


――技術者として電子書籍にはどのようなメリットや可能性があるとお思いですか?


山本陽平氏: 紙の本じゃできないことができた方がいいですよね。検索ができるとか。今の紙の本が、アナロジーじゃなくてもっとインタラクティブになってもいいと思うし、ハイパーメディア的なものになってもいいと思います。本の形態を取っていなくてもいいと思う。後は更新が可能なところがいいですね。達人出版会の電子書籍もそうですけれど、「データ版で出してどんどん更新できる」というのがものすごくいいと思いますね。紙の本だと1回出したらもう次の版まで変えられないのが普通だと思うので。

――今後、本に限らず、やっていきたい取り組み、もしくは今現在取り掛かっているものを最後に教えていただけますか?


山本陽平氏: ブログを書くなどの個人的なアウトプットよりは、会社の新しいプロジェクトをまずは軌道に乗せたいということと、2人目の子どもが生まれたばかりなので「子育て」にも積極的にかかわっていきたいですね。

(聞き手:沖中幸太郎)

著書一覧『 山本陽平

この著者のタグ: 『インターネット』 『可能性』 『理系』 『ウェブ』 『XML』 『技術者』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
著者インタビュー一覧へ戻る 著者インタビューのリクエストはこちらから
Prev Next
ページトップに戻る