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世界中の本好きのために

浜口直太

Profile

1960年生まれ、兵庫県出身、東京在住。米国テキサス大学経営大学院経営学修了(MBA取得)。在学中より、国際経営コンサルタントとして活躍。米国KPMGピート・マーウィック、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)で、最短・最年少で役員待遇に。1997年には日本へ逆進出。現在、株式会社JCI、Musubu Dining株式会社、株式会社Sbarro Japanの創業者・取締役会長。外食事業を主に展開しながら、コンサルタントとして組織研修のほか、個人向けセミナー、勉強会等も行う。今までに、1,200億円以上の資金調達と50社以上の上場を支援。また、ビジネス作家として、執筆100冊以上、発行300万部以上の実績がある。『あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール』は28万部を突破。

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実は本を読むのが苦手でした。ベストセラー『ルール』シリーズ誕生秘話。


――次に、ベストセラーになった『あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール』についてお聞きしたいと思います。最初は自社向けのマニュアルとして作られたとのことですが、どういったきっかけで書かれることになったのですか?


浜口直太氏: 実は私は本を読むのがすごく苦手でした。専門書以外は大学を卒業するまでに2冊しか読んだことがないのです。『小鹿のバンビ』と『野口英世』、その2冊とも読み切ることができなかったんですね。

――そうなんですか!?


浜口直太氏: そう。8年前にアメリカから正式に帰国したのですが、7年前くらいに、苦手を克服するために本を書くことに挑戦しようと思ったんです。まず、自分の経歴書と企画書を持って、出版社回りをしました。文章が下手だし中身もないので、どこも軽く門前払いだろうと想定し、とりあえず自分の出したい出版社、出してくれるかもしれない出版社を150社リストアップして、業界トップの講談社から回り始めました。

――150社回られる覚悟だったんですね。


浜口直太氏: はい。33社目に行ったところが明日香出版社。企画書を5つ持って行ったのですが、出てきた編集者に見せた瞬間、「これだめ、はいこれもだめ」という感じで見事撃沈。ところが帰りがけに「浜口さんってユニークですよね」という話になり、「実は今、仕事についての書籍企画があって新たに著者を探しているんです」と。仕事の本は、当時から山ほど出ていたので、どう差別化するかがポイント。それでその編集者は、著者はユニークな人がいいんじゃないかと考えていたようです。そのとき私が現れた。

――お話する中で、明日香出版社の編集者は浜口さんのユニークさに気づかれたんですね。


浜口直太氏: たぶん。私はその話を伺って、「ちょうど今会社を作って新入社員用にマニュアルを書いているので、そんな感じであれば」と提案したら、編集者は、「じゃあもう、構成とか任せます。ただ、できたら仕事の規則的なものとか成功術とかルール的なものにしたいんです」と言われましたので、私は仕事の100のルールを紹介しようと思いました。タイトル名もストレートに『仕事のルール』と、そのとき決めてしまいました。

――その本がきっかけで『ルール』のシリーズが始まったんですか?


浜口直太氏: 書いているうちに出版社さんに『ルールシリーズにしたらいいと思いますよ』と提案したのですが、その編集者は「いやいや、とてもシリーズにはならない」と反論されたので、「じゃあ『仕事のルール』を出してから、売れ行きを見ながら考えましょう』と。そしたら、結構売れちゃったんです(笑)。それで、当時の明日香出版社の社長が飛んできて、「ご提案通り、シリーズにしましょう! 次の本を至急書いてください」とハッパをかけられました(笑)。

――第一作が成功して、シリーズが誕生したんですね。


浜口直太氏: 次の本のテーマは何にしようか考えて、『仕事のルール』が新入社員用であれば、上級クラスの管理職用にということで、『組織のルール』として書いたら、それもまた売れちゃった(笑)。「じゃあもっと書いて」との依頼を頂いて、真ん中辺の30代くらいをターゲットに『出世のルール』を書いたらそれもまあまあ売れました。

――どんどんシリーズが増えていったんですね。


浜口直太氏: 出版社の方には「もっともっと」と言われたのですが、私は「似たり寄ったりの本になるので、もう限界です。申し訳ないのですが私の友人を紹介しますので、彼らに書いてもらっては如何でしょう?」と打診したところ、受け入れられ、友人たちに引き継ぎました。今ルールシリーズは60タイトルくらいあるのかな。本当にひょんなことで始まり、まさかあんな地味な感じの本がこんなに売れるとは思ってもみなかったですね。表紙が黄色かったから目立ってよかったのかもしれません(笑)。

101冊目からの「挫折」。世界の「トップ」を目指すために必要なこととは?


――出版社へ売り込みに行き、32社に断られた時点であきらめていたら、『ルール』シリーズは誕生しなかったと思いますが、33社まで続けられた気力というのは、どこから湧いてくるのでしょうか?


浜口直太氏: そもそも私は挫折慣れしているんです(笑)。小学校の時から勉強からスポーツから人間関係から何をやってもうまくいきませんでした。今でも、うまくいくと「あれっ、おかしいなあ。自分じゃないみたい」って警戒してしまう。だから、『仕事のルール』が売れたので、すごい警戒しました(笑)。「あり得ない。自分の人生でこんなに最初からうまくいくなんて、そのうち落とし穴が出てくるに違いない」と思ったくらいです。そこから勢いで100冊まで一気に書いてしまったのですが、101冊目からは正直少し挫折気味ですね。何でミリオンセラーを1冊も出せてないかって。自分は努力しないからけしからんなって(笑)。

――100冊を一気に書かれたというのは、すごいことだと思いますが、著作を出版するにあたって目標のようなものはありましたか?


浜口直太氏: 当初は100冊書いて1冊10万部発行で1000万部の予定だったのが、実際には300万部ですので、その3分の1もいっていない。それはもうめちゃくちゃ自己嫌悪ですよ、ちょっと自分を許せないですね。私は物事を始める場合、別に野心はなく、ただやるからにはそこで一番になるというのを最終目標にします。でも一番になるというのは確率的に非常に難しい。

――1番を目指されていらっしゃるから、努力を続けていらっしゃるんですね。


浜口直太氏: 何事でもトップを目指していますから、ビジネス書においてもトップを目指し、世界一のビジネス作家になりたいと思います。そうすると今自分のやっている結果や努力について許せない。だって世界一を目指すんだったら世界一の努力をしないといけないのに全然していないので。やるからには全部世界一の努力をしないと。事業もやっているので、物理的、時間的な制約もありますが、最低でも限られた時間の中で全力を尽くさないと。

今の自分では、世界の「トップ」に100%なれない自信がある


――ビジネスでは結果を求められるかと思いますが、「トップ」を目指し続ける浜口さんは、やはり結果を求めていらっしゃいますか?


浜口直太氏: 正直結果はどうでもいいと思っています。よく中学校、高校に講演に行きますが、「学年で300人いる中で要領を使ってトップになるよりも、誰よりも努力してペケの方が価値がある」と必ず言うんです。誰よりも努力することで人間が磨かれますし、魅力的になれます。要領を使ってトップになる人はまず人間的に魅力がない。

――なるほど。人間的な魅力を培うことが重要なんですね。


浜口直太氏: ペケかどうかは別として、全然結果が出なかったという人は、悔し涙を流し、挫折します。そこから乗り越えて成長していくことで、人間的にどんどん磨かれていき、人間としてすごく輝いていく。そこが一番ポイントです。

例えば「稼ぐ」ことをテーマにした私の著書があります。私がこの本で一番言いたかったのは、「稼いだかどうかはどうでもいい。常時稼げる人になれる努力を絶えずする」こと。そこまで努力し続ければ、お金は必ず後からついてきますから。

――「稼ぐ」ことが目標だけれど、すぐに結果を求めるのではなく、努力があってこその結果を得ることが大事なんですね。


浜口直太氏: 例えばオリンピックでも競争がありますね。その前に皆さん不安になります。「どうしよう、決勝に残れるかな? 優勝できるかな?」と。それは運命が決めることなので、そんなことを悩んでいてもしょうがない。そんな悩んでいる時間があれば、まず誰よりも練習する。それで結果が出なかったらそれはそれでしょうがない。運命ですから。努力もしないで、また人よりも練習しないで、結果だけ一番になろうとするのはあり得ないし、虫が良すぎる。

同じ考え方で自分が今やっていることを見ると、先ほど「世界一を目指す」と言いましたし、実際目指してはいますが、今やっているレベルの努力では100%絶対にまだ世界一になれないという自信があります(笑)。もっともっと努力している人は数えきれないほどいるでしょうから。

著書一覧『 浜口直太

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