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世界中の本好きのために

倉園佳三

Profile

1962年福岡生まれ。音楽家、インターネットマガジンの編集者を経て、ITコンサルタントに。現在はiPhone・iPad、ガジェットやクラウドがテーマのブログ「zonostyle」を主宰するほか、質の時代に求められる「いまを手段にしない新しい働き方」を伝えるために、全国でワークショップやセミナーを実施、音楽活動も再開する。著書に大橋禅太郎との共著『すごいやり方』(扶桑社)、『iPhone×iPadクリエイティブ仕事術』『できるポケット Amazon Kindleクリエイティブ読書術』(インプレスジャパン)など。

Book Information

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人が幸せになるためには「今に生きる」ことが大切だ



ミュージシャンでもあり、元「インターネットマガジン」編集長である倉園佳三さんは、音楽活動を行いながらも、独自の視点でクラウドサービスやガジェットの活用法を提案し、数々の著書も出されています。ミュージシャン・編集者・著者の三つの顔を持つ倉園さんに、電子書籍について、これからの編集者の役割について伺いました。

9時5時でしか仕事をしない人には、クラウドやガジェットは必要ない


――近況を伺えますか?


倉園佳三氏: 僕はもともとインプレスという会社の『インターネットマガジン』という雑誌の編集長をしていまして、インターネットによって僕らの暮らしがより良くなるということを目指して雑誌作りをしていました。iPhone、iPadなどのガジェット系や、クラウドサービスについての話をすることが多いのですが、最近のiPhoneなどのスマートフォンについてのことも、その延長なんです。突き詰めていくと、ああいうものは9時から5時まで会社で働いて、家に帰ったら一切仕事をしたくないという人には必要がない。フォトグラファーの方も多分そうだと思います。例えば休みの日でも好きなアーティストの写真展があれば行きますよね。自分自身がそういう状態になっていないと、実はクラウドもガジェットもあまり有効ではない。そうすると、まず何をしなきゃいけないかというと、楽しく仕事をするか、もしくは仕事が楽しいか、どちらかの状態を先に作ってほしいですね。

――楽しく仕事をする、もしくは仕事が楽しい状態ですか。


倉園佳三氏: 以前は「好きな仕事をしよう」とみなさんに勧めていたんですが、最近は考えが変わりました。好きな仕事なんてそんなに簡単に見つかるわけがないし、僕自身も今やっていることが好きかどうかよくわからない部分も実はあるんです。好きな仕事と一言で言っても、すべてが好きになれるわけじゃない。例えば僕があることをやりたいとします。でもそのためには営業をしなければいけない。営業は僕にとって苦痛だったとする。そういうことがあるので、単に「好きな仕事をすればいい」と人に勧めるのは危険かなと思ったんです。だから逆に、今している仕事を楽しくするにはどうすればいいかを考えようと。
どんな仕事であっても受け入れて楽しい状態を作りたいと僕は思ったんです。今はそういう考えを広める活動をしたいと思っています。どんな仕事にもつらい部分はある。もちろん究極的には、好きな仕事を見つけた方がいい。それを将来見つけるためにも、今の仕事を楽しめなければダメなんです。そういう考えを講演やセミナーを通して伝えていくというのが、今年やりたいことの1つです。

本が豊富にある家に育ち、「本当のことは何か」を探求するのが好きだった


――倉園さんの読書経歴や影響を受けた出来事などを伺いたいと思います。


倉園佳三氏: 僕は福岡の黒崎というところで生まれまして、母親が飲食店をやっていました。お客さんは、八幡製鉄所の人が多かったようですが、その会社が新日鉄に買収されて千葉の君津に何万人と大移転したんです。それまで郡だった君津という場所は、そのために市になり、小学校が1校だったのが5校になった。だからクラスメートが40人いたら38人が九州人で八幡の人間なんですよ(笑)。僕は6歳で君津に引っ越したんですけれど、高校までクラスの中で九州弁を使っていました。君津はリトル九州、リトル八幡でしたね。

――民族大移動ですね。小さいころから本はお好きだったんですか?


倉園佳三氏: 僕は幼稚園に入る前から本を読んでいたようです。家はそんなに裕福ではなかったんですが、本だけはものすごく芳醇に与えられていました。本棚に『なぜなぜ絵文庫』が何十巻とあるのが大好きだったんです。今でも覚えているのが、「なぜ太陽に手をかざすと赤く透けるんだ」とか、「鯨はあんな大きいのになぜ浮くんだ?」とか、そういう読み物をよく読んでいました。小さいころから「本当のことが知りたい」という欲求が非常に強かった。そういうことが好きな人は理数系に行くんでしょうけれど、僕はどちらかといったら人間に興味があったんです。いつも、「幸せって何だろう」と考えるのが僕の問いだったんです。

――文章をお書きになるのも早かったのではないでしょうか?


倉園佳三氏: 僕は文章を書くというよりも、小学校のころからわら半紙に雑誌を作っていました。挿絵を入れてクラスのニュースや事件を書いて、束ねて毎週クラスの皆に回し読みしてもらっていました。作文もうまかったようです。オイルショックのときに省エネの作文が募集されていて、全然やってもいない省エネの話を作文に書いて賞をとったりしました(笑)。ませた子どもだったので、大人が何をすれば喜ぶかわかっていたんです。先生の考えてることも、手にとる様にわかりました。大人の本音と建前、世の中の裏表や人間関係の機微を感じ取る感覚は、6歳ごろから鋭くて、今とあまり変わらないんです。

著書一覧『 倉園佳三

この著者のタグ: 『考え方』 『インターネット』 『音楽』 『目的』 『幸せ』 『今を生きる』 『手段』 『バンド』

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