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谷川真理

Profile

24歳でマラソンを始め、1991年東京国際女子マラソン、94年パリマラソンを大会新で優勝。92年に都民文化栄誉章、朝日スポーツ賞を受賞。現在もマラソンランナーとして走り続け、1年に30本以上の大会に出場。タレントとしてもテレビで活躍中。2002年に。「マラソンの楽しさを多くの人たちに伝えること。そして、 たくさんの人が走るためのお手伝いをすること」の実現のため、ハイテクスポーツ塾を開設。2007年第1回東京マラソンでは2位に入賞。地雷廃絶の啓蒙にも積極的で、2002年より地雷廃絶の活動を始め、パキスタン、スーダン、カンボジア、コロンビアを訪れ、2009年、地雷廃絶活動で外務大臣表彰受賞。

Book Information

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『走ること』を軸に、今しかできないことにチャレンジしていく



国際大会での優勝など、日本の陸上界に輝かしい成績を残すマラソンランナーの谷川真理さん。現在も現役のランナーとして走り続けながらテレビなどでのタレント活動、ランナー専門ジム『ハイテクスポーツ塾』の経営、大会の主催やチャリティー活動などに、精力的に走り回っています。そんなパワフルな谷川さんに、マラソンを始めたきっかけ、大切にしている言葉、困難を克服する力の源などについてお伺いしました。

ゲストランナーとしての大会参加は年間30本。『谷川真理』の冠付きのハーフマラソンや駅伝も主宰する


――谷川さんの最近の活動を教えていただけますか?


谷川真理氏: 私はランニングのためのジム『ハイテクスポーツ塾』と、ランニングショップを神田の神保町で開いています。お店ではシューズ、ウエアなどのランニング用品の販売と、皇居を走る人たちのためにシャワーとロッカー室の貸し出し、ランニングの指導などを行っています。私は常駐ではないのですが、自分の練習をやっている時に、会員の皆さんに声を掛けたり、月に1回ほど、会員の方と練習会を開いて指導をしたりしています。先日は長野でランニング合宿をしたんですよ。あとは、講演会でマラソンの魅力についてお話をしたり、市民マラソン大会のゲストランナーとして皆さんと一緒に走ったりします。市民レースは大体年間30本ぐらい呼んでいただいています。



――谷川さんご自身も、大会を主催されていますね。


谷川真理氏: 谷川真理ハーフマラソン、谷川真理駅伝、今年から始まった谷川真理テンケーという10キロのレースがあります。谷川真理ハーフマラソンが一番最初に始まったのですが、今年で13回目を迎えて、12000人ぐらいに走っていただきました。私の名前がついているこれらの大会は、地雷廃絶のチャリティーマラソンなのですが、大会を1回開催するごとに300万円位の寄付金を集めて、国際NGOの『難民を助ける会』に寄付させていただいています。

――谷川さんはコメンテーターとして、テレビ番組に出演されている姿も印象的ですが。


谷川真理氏: テレビの影響力はとても大きいと思いますね。私の今の活動は、TBSの『オールスター感謝祭』の『赤坂5丁目ミニマラソン』に引っ張っていただいた気がしています。皆さんのおかげで、オリンピックに行っていないのに、行ったようなフリをしていますけどね(笑)。こういった形で走らせてもらえるということは幸せなことだなと、いつも思いながら走っています。

OL時代、片道約10キロを走って通勤した日々


――現在の活動の礎となっているマラソンですが、選手としては『遅咲き』だと伺いましたが、いつごろから本格的に練習を始められたのでしょうか?


谷川真理氏: 中学、高校時代は陸上部だったのですが、その時は先生にやらされているという感じで、自分の意志では走っていなかったんですね。そのまま専門学校を卒業した後、普通に就職して大手町でOLをやっていた24歳のころ、たまたま会社の同僚から、「お弁当を持って皇居にお花見に行こうよ」と誘われて、行ったらたくさんの人が走っていたんです。「じゃあ、私も明日から走ってみよう」と思ったのがきっかけですね。きっと当時は若くてエネルギーがあったんでしょうね。夜遊びやサーフィンとかいろいろやっていたけれど、それ以上に何かもっと、エネルギーを発散する場所が必要だったんだと思います。やっぱり24、25歳は、女性にとって人生の区切りのような時期でいろいろと考えますよね。「このまま仕事をするのか、それとも結婚をするのか」とか。私は専門学校を卒業して4年が過ぎていて、営業の部署で契約書を作ったり注文書を書いたりと事務的なことをやっていたのですが、「月末はこういう作業をやって」と、何かずっと同じことをやっていることに物足りなさを感じ始めていたんです。それで「このまま人生が終わっていいのかな。何かやったほうがいいんじゃないのかな」と思ったんです。

――当初、ランナーとしての目標やモチベーションは何だったのでしょうか?


谷川真理氏: 走り始めた時の第一の目標は『おしゃれなランナー』になることでしたね(笑)。普通のウエアを着て走るのは嫌だったし。今でこそ、ランスカとかいろいろきれいなウエアがあるけど、当時はそんなものはないので、サーフィンのブランドのトレーナーとかショートパンツを履いて、ピンクのレッグウォーマーを付けて、髪をポニーテールにして。自分の世界に入って走っていたんです。そうしたら見かけない女の子がいるからなのか、男性ランナーがハァハァ言いながら後を追ってくる(笑)。それを振り切るのが楽しかったですね。毎日知らない男性のランナーと無言で競争していました。その当時は、日本人のトップになったらシドニーの大会に出場できるというレースがあって、シドニーへ行きたかったので、そこでの優勝を目標にしていました。

――会社まで走って通勤されていたそうですね。


谷川真理氏: 当時住んでいた中野坂上から大手町まで走って、お昼は皇居を走っていました。今考えるとめちゃくちゃなことをやっていました。

――計算すると片道約10km。プラス皇居1周が5kmで、往復すると合計30キロ以上ですが、それを毎日走られていたのですか?


谷川真理氏: さすがに毎日は走りませんでした。「行きを走って、お昼に走って、帰りは電車で帰る」とか。「行きは電車で行ってお昼に走って、帰りも走って帰る」とか。変則的なコースでした。帰りに歌舞伎町の前を通ると、焼き鳥とか焼き肉のにおいがして、「ああ…」みたいな(笑)。

今しかできないんだから、もっとやれ!と自分を追い込んだ日々


――走り始めて、仕事への取り組み方も変わりましたか?


谷川真理氏: 私の働いていたビルは、窓はあったけど開かなかったから、空気が対流しなかったんですね。そういう所にずっといると、水槽の中の金魚みたいに感じて、外の空気や風が恋しくなる。それで上司に「契約書か何か、届けるものはありませんか」と聞いて、「じゃあこれを持っていってくれ」って言われると心の中で「やったぁ!」って。ボードに「谷川直帰」って書いて直帰で帰る(笑)。でも、仕事をサボっていたわけじゃありません。当時は結構忙しい所にいて、月末近くになれば残業も多かった。でも走るようになってから、自分のランニングの時間が欲しかったから、ものすごく集中して仕事をしていました。だから、女性ランナーは特に、走り始めてから時間の使い方がうまくなったとか、集中力が高まったとか、あとは自分に自信が持てるようになったという方、すごく多いですね。自分の好きなことをやるには時間が必要だから。

――その後、国際大会で優勝されて頭角を現された谷川さんですが、けがに見舞われるなど苦しい体験もされましたね。その時のことをお聞かせいただけますか?


谷川真理氏: オリンピックを目指して頑張っていたんですが、選考会の東京国際女子マラソンを走る予定で、アメリカで練習していたときにひざを痛めたんです。マラソンというのは、1本走るのには3ヶ月ぐらい練習するんですが。その時は2ヶ月間すごくいい練習ができたんですよ。でもラスト1ヶ月でけがをしてしまって。それで東京の主治医に連絡をしたら、持久力を落としたくないんだったら、ひざに負担のかからない動きで泳ぎなさいと言われた。もともと、25メートルしか泳げなかったんですが、次の日から気合を入れて、時計を60分セットして、「絶対に足をつかない」って決めて毎日泳いでいました。1時間泳いだらぐったりで、本当にきつかったですね。あとはマウンテンバイクを買って走ったり、筋トレをやったりとか、1日のうち8時間は膝に痛みの出ない練習をやっていました。

――メンタル的にもつらかったのではないでしょうか?


谷川真理氏: かなり精神的にもやられていましたが、オリンピックにも行きたいし、東京国際女子マラソンに向けて、最大限の努力をすれば、ギリギリでも間に合うんじゃないかと思っていました。その時に思ったのは、「今しかできないんだから、もっとやれ!」ということ。人生80年だったとしても、70歳になってオリンピックを目指してこれだけ頑張るということは無いと思ってやりましたね。私はニューメキシコ州のアルバカーキという所で合宿をしていたんですが、印象に残っているのが、夕方にものすごく大きい太陽が地平線に沈む、その光景です。どんどん空が赤くなっていって、その色がすごくきれいだった。それを見ていて、「人間の一生なんて、地球規模から見たらあっという間なんだ」と思ったし別にオリンピックに行けなくったって死ぬわけじゃないし、別にどうでもいいなということも考えられて、すごく気持ちが癒やされましたね。

著書一覧『 谷川真理

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