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福澤英弘

Profile

1963年生まれ。上智大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院経営管理研究科修了、ストックホルム商科大学国際経営プログラム修了。(株)富士銀行、(株)コーポレイト ディレクションを経て、(株)グロービスの設立に参加。創業時より企業研修部門の責任者を務める。2007年、戦略実行のための人材・組織能力開発を支援する(株)アダットを設立。 著書に『図解で学ぶビジネス理論 戦略編』(日本能率協会マネジメントセンター)、『不確実性分析 実践講座』(共著。ファーストプレス)、『人材開発マネジメントブック 学習が企業を強くする』(日本経済新聞出版社)、『定量分析 実践講座』(ファーストプレス)など。

Book Information

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ユーザーの立場に立ってやさしく、かつ新しい切り口で書く


――本を書くにあたっては、どのようなことを重視しているのですか?


福澤英弘氏: 定量分析でいえば、経営ですから数字は昔からテーマにあるわけです。数字というと、財務や会計、統計学というように分化していますが、ビジネスマンにとって科目は関係ありませんし、使えればいいのです。そういった部分を横串に刺して書いたのが『定量分析』です。そこが新しかったというか、良かったのだと私は思います。実は難しいことをやっていないのに、専門家の先生はサプライヤーの論理で、本を難しくしているように感じることもあります。私はどちらかというとユーザーの立場だから、いかに使えることをやさしく書くかを考えました。私は経営学の知見を使う立場。その視点を持ち込んだのが、MBAシリーズであり定量分析の本、そして『人材開発マネジメントブック』です。人材開発は非常に重要なジャンルであるにも関わらず、人事や教育の専門書はたくさんあっても、ビジネスパーソンが「使える」いい日本語のテキストがありませんでした。そこで、私がそれまで体験的に学んできたことと、研究者による学問的知見を融合し体系化したテキストを自分で作ろうと思ったのです。このように、結果としてそれまでにあまりなかった、新しい切り口を掲示できるような本を出してこられたのではと思っています。

――難しいものを噛み砕いて、わかりやすく書くのは難しいように思いますが。


福澤英弘氏: さっきも言ったようも、私も定量分析の研修を担当することになった時は、かなり多くの本を読みましたが、学者の先生がそれぞれ自分の分野として書いている本が多く、ビジネスパーソンが使うには難しいと感じました。だから、自分でそれを統合しなければいけなかった。でも本当に理解しないと統合はできないのです。よく「引用の集まりじゃないか」という批判をする人がいますが、単にコピーしているわけではなく、引用元のことを完全に理解した上で、統合して引用しているわけなのです。頭の中でそれをやるのが、一番大変な作業です。読者に対して、「こういうプロセスで理解をすればわかりやすいですよ」という風に紙に落とすのです。頭の中で書きながらその作業をするから、まさに考える技術、書く技術なのです。考えながら書く、書きながら考える。今発売中の「Think! 2014年秋号」にも、定量分析のテーマで書いていますが、そういう風に書いています。

徹底的にやりあわないと、一緒に本を作る意味がない


――どのような感じで編集者の方とやり取りをされているのでしょうか?


福澤英弘氏: 私もコンサルタントの端くれだから、どうやってクライアントに付加価値をつけるかということを常に考えています。賢いお客さんは、コンサルタントと付き合うことによって、自分や会社にどれだけのメリットがあるか、どういう付加価値をつけてくれるのかということを常に考えています。我々はその期待に応えるために、どうすればお客さんに喜んでもらえるか、お客さんが見えていないものをどうやって見せるか、などと一生懸命、努力をします。つまり対話なんです。仕事というのは、全部そうだと思います。編集者に関してはその逆の立場で、一生懸命、自分の持っているものを書くけれど、編集者がそれにどういった付加価値を付けてくれるのかと考えます。その人なりのスタイルがあるし、どういう付加価値を付けるかは、人によって違います。だから、私もできるだけ理解しようと努めます。原稿を出しても、そのまま素通りされたら、付加価値をつけていないと感じるわけです。赤を入れるということは、私が見えないことが見えたからできるわけですから、私としては徹底的に赤を入れてほしいのです。それによって、私も新たな視点に気付く可能性がある。編集者とやり取りをした上で変更をしないこともありますし、書き直すというケースもあります。でもそれがないと、一緒に本を作る意味がないと私は思うのです。

――新たな視点や切り口が、編集者とのやり取りから得られることもあるのですね。


福澤英弘氏: 初めて読んだ時にどういうリアクションをするのかが、書き手としては一番知りたいのです。電子書籍という新しい形が広まって、Amazonで電子出版をして、幾ばくかのお金が入ればいいと思えば、別に編集者は必要ないでしょう。でも、より良いものを作りたいという欲求があれば、やっぱり第三者の目、編集者を通してほしいと思います。もちろんその分、費用がかかるわけだから、それに見合うよう編集者には徹底的にやってほしいです。ビジネスとは、そういうものです。書く技術があれば、「編集者なしで1人でやります」という著者もいると思いますので、編集者はこれから、本当の実力を問われることになると私は思います。「あなたと仕事がしたい」という関係を築けるように、常にアンテナを立てて、努力をしないといけないのではないでしょうか。

著書一覧『 福澤英弘

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