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柴山政行

Profile

1965年神奈川県生まれ。埼玉大学経済学部卒業。センチュリー監査法人(現・新日本監査法人)を経て、合資会社柴山会計ソリューション、柴山ソリューションズ株式会社、柴山政行公認会計士・税理士事務所を経営。同時に、執筆・講演・中小企業向けの会計コンサルティング等も行う。無料メールマガジン「時事問題で楽しくマスター!使える会計知識」は、読者5万5000人を超え、メールマガジンを解説したCDセミナー「経済・会計・時事ニュース通信」は200名以上の会員を持つ。近著に『ストーリーで頭に入る日商簿記3級合格一直線』(エクスナレッジ)、『速習! 日商簿記3級[トレーニング編]』(中央経済社)など。

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読書こそが右脳を鍛える


――電子メディアを通じた活動をされている柴山さんには、電子書籍の存在はどう映っていますか?


柴山政行氏: 大きい存在です。ただ、私はいつも紙の本を持ち歩いていて、電子書籍よりやっぱり紙の本が好きです。手触りがあって、書き込める。電子書籍も書き込めると思いますが、全ページを短時間で見られない。でも、先に電子書籍から入ればそれが当たり前ですね。私の場合は単行本が故郷のようなものですが、平成生まれ以降になると電子媒体が故郷になるでしょうし、それでもいいと思います。母国語と外国語のようなもので、私にとって母国語は紙で、死ぬまでたぶん電子書籍は外国語です。

――紙の本がなくなってしまうということはないと思われますか?


柴山政行氏: ないと思いますし、なくならない方がいいと思います。私は電子書籍がいまだに怖いと思っているのは、機械ですから、電気が消えたり故障したら、何も取り出せなくなる。ビルのセキュリティーシステムでも、暗証番号を忘れたり、中の配線が狂ったりしたら出られなくならないか、心配になる。後車のパワーウィンドウも、車が海に沈んで、手回しだったら開けられるけど、パワーウィンドウは怖い。要するに自分の力で何とかならないものが怖いです。それは私が思い込んでいるだけかもしれません。でもそれは感覚でいいと思います。
読書というのは感覚の部分が大きいし、感性を育てるものですから。言語能力をつかさどるのは左脳と言われていますが、私は右脳を鍛えるのが読書だと思っています。著書を書いていると「図を増やしてくれ」と言われたりしますが、例えば「雨が降った」と書いてあって、雨が降った情景を想起することで、右脳を刺激している。人によって、ぽつぽつの雨なのかザーザー降りなのかも異なるでしょう。テレビを見ると頭が良くならないと思うのは、受動的だからです。
脳って受動するだけではなくて、自分から発信しないと発達しない。想起することで1回受けたものを違うところに受け渡します。このような思考を伴うことによって、いろんな部分が刺激されて頭が良くなる。今、娘が小学4年生ですが、恋愛小説を手に取っています。恋愛小説って結構きわどい。「一夜を共にした」とか。「4年生には早いだろう」とも思いますが、小説を読んで自分の感情が呼び起こされて、どんどんイメージ化していくということ自体は、情緒にも良いことですので、大いにすすめています。

「珠玉の絶版集」を作ってみたい


――電子書籍の強みや可能性はどういったところにあるでしょうか?


柴山政行氏: もちろん携帯性が便利だということがあります。それと、私が重要だと思っているのは廃刊された本を復刻しやすいことです。電子書籍でやりたいことが1つあります。私にとって、後にも先にもベストだと思う財務会計の本は、井原隆一さんの『財務を制するものは企業を制す』です。でもこの本が、PHP文庫で廃刊になってしまった。この本はすべての会計人に読んでほしい。でも再出版はコストを考えるとできない。そこでこれを電子書籍にできないかなと思っています。
日本の知財は無数に埋もれていて、出版社の販売方針でお蔵入りになっているいい本がいっぱいあると思う。その発掘をするところに電子書籍の価値があると思っています。ある程度の年齢で成功されている方から「絶版している読みたい本はありますか?」というのを聞きまわって、100冊ぐらいを集めて「今の人に伝えたい珠玉の絶版集」みたいにしたら、売れる。というか、私は買いたい。電子書籍はコストが安いので、セカンドチャンスが作れるのではないかと思っています。

――初版当時とは違った読み方で再評価されることもありそうですね。


柴山政行氏: 最近売れた『100円のコーラを1000円で売る方法』は、前に秀和システムから出た本をベースに書きなおした、という話を聞いたことがあります。前に出した本に手を加えて違う版元で出したら売れた。そういうチャンスはいっぱいあると思います。私も本を20冊ぐらい出していますが、編集者の力量で売り上げが変わる事があってもおかしくないですね。「月に何冊出す」とかノルマを果たしている感じだと、気合が入らなくなりますね。私は日本の生きる道はコンテンツしかないと思っています。昔から資源がないと言われて、小さい国で人がひしめいていて、雇用の確保が必要です。そういう時に、穀物とか、アメリカやオーストラリアみたいに広い国土がある国と同じものを作っていても勝てない。アニメとか漫画とか、日本が強い分野で、人材が埋もれている。やっぱり日本人の発想って独特ですから。
私は100年後は日本式の文化が世界を席巻する可能性があると思っています。だから短期的に結果が出なくても見捨てないで育成する。「ひよわな花」とよく言われますけれど、弱いながらもほそぼそと丁寧に知識を伝承して、コンテンツを育てることです。育てるという概念が今の日本にはなくなってきて、欧米流の刈り取り、短期志向になっています。日本はそういうやり方は合っていない。

著書一覧『 柴山政行

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