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世界中の本好きのために

筧武雄

Profile

1981年に横浜銀行入社後、銀行派遣により北京大学留学。北京事務所を開設し初代駐在、帰国後、国際協力銀行出向等を経て、2001年に銀行退職。横浜国立大学経済学部非常勤講師、神奈川県産業貿易振興協会国際ビジネスアドバイザーなど多くの役職を経て、現在も横浜市企業経営支援財団グローバルビジネスエキスパートなど、日本企業を支援する中国ビジネスコンサルタントとして活躍中。主な著書に、『中国ビジネスの投資・ビジネスガイドブック』(エヌ・エヌ・エー)、『改訂版 中国のことがマンガで3時間でわかる本』(明日香出版社)、「中国がわかるトピック24」(通信講座「シゴトの中国語 速習パック」収録、アルク)、『中国ビジネスのツボ・ハウツウ集大成改訂版』(重化学工業通信社)など。

Book Information

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全世界どこでも読める電子書籍に可能性を感じます



チャイナ・インフォメーション21代表。1981年横浜銀行に入行、銀行派遣で北京大学留学。86年、北京事務所を開設し初代駐在員として勤務。海外経済協力基金派遣出向、銀行主任調査役アジアデスク長、川崎商工会議所中国ビジネスアドバイザー等を経て、2001年退職。現在は中国ビジネスに関わる日本企業の支援、セミナー、執筆活動などを展開している。『中国とのつき合い方がマンガで3時間でわかる本』(明日香出版社)、『中国ビジネス<超>成功戦術252』(明日香出版社) 、『中国ビジネスの“ツボ”-ハウツウ集大成版-』(重化学工業通信社)など、多数の著書を出版する筧さんに、中国ビジネスについて、電子書籍の活用法、心に残る本など、お聞きしました。

中国ビジネスに「役立つ本」を届けたい


――まず電子書籍についてお話を伺おうと思います。筧さんは電子書籍についてどう思われますか?


筧武雄氏: 電子書籍って、出始めたのが3~4年くらい前ですよね。紙媒体ではなく、問屋を通さずに、ネットでダウンロードして読むということですよね。私は、電子書籍が出始める前から、インターネットでやっていたことがあるんです。もう5~6年、もっと前かな。ネットが普及し始めて、いろいろな掲示板が使えるようになったじゃないですか。私は本を26冊ほど出していますが、私の投げかけたテーマについて、読者から質問や意見をネット上で挙げてもらったんです。私が一方的に答えるのではなく読者同士で議論をしてもらって、それにまたコメントする。これが結構活発になって、そこで出た情報や話題を元に、また本を書いたり雑誌を作ったり、立体学習とでも言えばいいでしょうか。それは紙の本・雑誌・新聞と平行してネット上でも同じものを出したんです。例えば当時われわれの業界では『チャイニーズドラゴン』という中国ビジネス専門情報紙がありました。そこで『中国ビジネス最前線』という連載をしていたのですが、その時、同じ『リアルタイム中国ビジネス最前線』の掲示板を同時にネット上でも立ち上げて、情報交換、質疑応答、意見・議論を交わしていました。その内容を整理して次の著書で活用したりもしました。そんな風に紙媒体に付加価値を付けることをウェブ上でやっていたんです。その後、電子書籍が出てきて、これはさらにいろいろな活用性があるなと思っています。

――どのような活用を考えていらっしゃいますか?


筧武雄氏: 私のやっている仕事、扱っている内容は、中国ビジネスのことなんですよね。でも中国で本を販売するためには、すごく制限がある。まず、日本語の書籍を売っている書店が中国には1、2店しかない。印刷物が手に入らない。ところが、日本からはすでに2~3万社の企業が中国へ進出していて、その人たちは最新のビジネス情報を欲しがっている。私は、ビジネスの実務の情報を出しているでしょう。どういう現象が起きたかというと、私の本が成田空港の書店で、過去開店以来最高の売り上げを記録したんです。飛行機に乗る前にビジネスマンたちが買っていく。むこうでは買えないから、社員に配ったりしていると思うんです。もう一つの問題は、中国で日本の本を買うとすごく高い。約2倍の値段になる。ここ1、2年くらい前から日本の物流業者さんが中国に入って書籍の流通を始めましたが、それでもやっぱり値段の問題が残る。あと、実際、本屋さんは北京と上海にしかない。日本企業が工場を作って進出している工業団地などは郊外の街ですから、手に入らないんですよね。Amazonで頼んでも送ってくれないからね。中国は物流もまだなくて、通関しなければいけないですから。となると、やっぱりソリューションとしては電子書籍しかない。ですので、3冊くらい前の本から電子書籍化して、最初はCDにしようという話でしたけど、ダウンロード式の電子出版でもいいんじゃないかって、出版社に話を持ちかけたんです。ところが、大手さんはなかなか渋いんですよ。

――そうなんですか。


筧武雄氏: 電子書籍そのものに関して、著作権の問題や、問屋さんに流通が届かないとかいろいろあって、決して熱くならないんですよね。特に、中国だから、いくらでも裏コピーして印刷されてしまうとか。流通でそれをやりすぎると国内で本が売れなくなっちゃうとか。色んな問題があって、大手さんでは今のところ実現していません。せいぜいできるのは、断片的にメールにつけて送るとか、コピーできないPDFにしてばら売りにするとか、その程度のことですね。実際、会社の方もあまりセールスしていないし、単行本の形では出せていないのが現実です。

――著作者が出したいと言っているのに出せない状況なんですね。


筧武雄氏: 便利な電子出版も宝の持ち腐れだという気がします。ニーズも必要性もあるし、意義もあることだけれども、実際の実用化には難しい問題もいろいろあるんでしょうね。

――2002年に初版が出た『中国とのつき合い方がマンガで3時間でわかる本』(明日香出版社)は、08年時点で40版を超えています。このような本も、電子書籍だと最新情報に更新しやすいですよね。


筧武雄氏: 紙の単行本でも基本的にはデータ化してメールでのやり取りになったけれども、修正や追加などの更新の手間そのものはそれ程変わらないんじゃないかな。

――電子書籍の方が、読者には、最新版になったことを伝えやすいですか?


筧武雄氏: 自分でメールなどすればできると思いますが、出版社はまだそういったことまではやらないですよね。出版社は基本的に、問屋ベース、書店ベースだから。ですから、読者より書店の売れ筋やニーズをマーケティングしている。読者とは直接つながっていないですよね。読者と直接情報をとっている出版社は、少ないですよ。

――著作者としては読者の顔を見たいと思いますか?


筧武雄氏: 書いた方からすれば、完全に読者に目が向いている。読んで役に立ってもらえればいいことなので、値段がいくらとか、売れ筋がどうとかあまり気にしないですね。多くの人に知ってもらうというより、やはり「役に立つ」ということですよね。情報やノウハウを知らないと失敗してしまう、間違ってしまうようなことも、あらかじめ知っていれば準備ができるし、覚悟もできる。特に中国ビジネスは、日本とは法律も習慣も社会の仕組みも全く違うから、つまずいたり、驚く人が多い。ですから、あらかじめ知識として頭に入れておくのは絶対に必要だと思います。そのために、いろいろ本を書いているわけです。

――個人的に電子出版できるとしたら、読者の声もダイレクトに伝わってきそうですね。そういったご予定やお考えはありますか?


筧武雄氏: 実は、翻訳会社をやっている知人が電子書籍を始めたんです。アップルストアと提携して、ブック集を出せるようになった。ですので、彼のところでやってみようかと。去年の暮れぐらいからだったかな。

――宣伝はされていますか?


筧武雄氏: ホームページにあげているだけ。でも、検索すると結構上の方にヒットしますよ。

――みなさん、欲しがっているんですね。


筧武雄氏: やはり、情報はみなさん欲しがっています。日本国内だと地方に行くほどニーズが強く、中国現地ではなおさらです。あと電子書籍にすると値段が安いじゃないですか。手ごろっていうのもありますよね。コピーを防ぐ技術も進歩してきたし。

40年たっても読み返す本


――筧さんと本との関わりについてお話を伺えればと思います。最近読んだ中で印象に残っている本はありますか?


筧武雄氏: 岩井三四二の『村を助くは誰(た)ぞ』(講談社) 。戦国時代、織田信長と斎藤道三の国取り争いのはざまで生き抜く、濃尾平野のただなかにある村の人々を描いた全6本の短編集です。戦いの中、どちらにつくべきか悩みながら懸命に生き抜く農民のしたたかさ、はかなさが非常によく書けているんです。背景や細かい部分まで、歴史の事実をよく調べて書かれていますね。何よりテーマがいい。利権を争う人たちの中で力を持って戦うのは戦国武将ですよね。その「はざま」で生きる一般庶民の賢さや「したたかさ」がよく描けています。結局、農民が一番強いみたいな。

――何か現代に通じる部分がありますね。


筧武雄氏: 例えば今の中近東やアラブの戦乱でも、コアな部分は共通していると思うんです。要するに何かの利権や資源を人間が荒らす。国と国もそうだし、個人と個人でも同じ。食べていく一つの収入源というかね。生きていく収入源を奪い合って争いが起きる。それが、歴史なんですよね。そういう意味で、この本は非常によく書けている。岩井三四二さんの本は好きで、ほかにもよく読んでいます。実はこの方、本を書くための取材で、何年か前に私のところに来たんですよ。中国の明時代の遣明船について、中国のことを教えてくれと言って。ですから、応援している人でもあるんです。

――筧さんは本をたくさん読まれますか?


筧武雄氏: 最近、特にここ10年くらい、ネットができてからは、読み物って言ったら本より電子情報資料が圧倒的に多いですね。時代小説なんかは、どちらかというと息抜きや夜寝るときに読みますね。

――筧さんの人生の転機となった本はありますか?


筧武雄氏: アメリカの小説家、カート・ヴォネガットの『スローターハウス5』(早川書房)。欧米ではベストセラーになって、私は英文でも読みました。SFですが、私は高校生のころ読んで、すごく印象が強くて。本はいろいろ読んでいますが、30年40年過ぎても、影響していますね。

――今でも読まれますか?


筧武雄氏: 繰り返し何度も何度も読みますね。今、手元にある文庫版も何冊目かですよ。古い本はみんな捨てちゃったので、生き残っているのはこれだけ。文庫版も、もう絶版かもしれないですね。

――古い本は捨ててしまいますか?


筧武雄氏: 持っているものもありますよ。定期的に見直して、読まないのは捨てるか売るかですね。でも、どちらかといえば、本としては持たないようにしています。ここ20年くらいは読むより書く方がメインですし、資料なんかも、とっておくとあっという間に膨大な量になるので、それは自分でデータベースを作って、自分で電子化してハードディスクの中に入れています。そうすれば、劣化も紛失もしないし、検索をかけられるから早いでしょう。じっくり読む本とは別に、そういう情報処理をやっていますから、瞬時に見極めて、使えると思った本はどんどんPCデータ化してとっておきます。

紙には紙の良さがある


――電子書籍は利用されていますか?


筧武雄氏: 私ね、毎日嫌っていうほどPC画面を見ているから、50代半ばになって目が悪くなっちゃって、本当は印刷活字で読んだ方が楽なんですよね。でもスマートホンやタブレットPCでは文字を拡大できるのはありがたいです。携帯もそうだけど、最大の大きさにして見ているんですよ。メガネは使いたくないので。ただ、画面があまり明るいとやはり眼が疲れますよね。一番いいのは、活字の大きな本ですけどね。残念ながら電子書籍は、そういう目の関係であまり。もう少し若ければ使うんですけれども・・・(笑)。あとね、iPadとか、高いですよね。普通の人が普通に買える値段ではない。もう少し、一般に普及するような装置、読める機械がないと。ダウンロードできるのはいいですが、いちいちパソコンを立ち上げてっていうのはちょっと手間がかかる。今の状況では、電子書籍で読むのは、やはり情報資料にとどまりますね。長編小説は読む気になれない。iPadクラスで安いものが出てくれば、ずいぶん普及するんじゃないかな。

――では今は、基本的には紙の書籍を読んでいらっしゃるんですね。


筧武雄氏: 画面ではなく紙に印刷してという感じです。自分で書く原稿でも、画面でやればいいんですが、画面で見るのと紙で見るのと、やはり違うんですよね。だから、一度必ずプリントアウトして、読み返して直します。雑誌類であれば画面で修正することもありますが、印刷業者の方のソフトが違うみたいで、単行本はまだそれができないようです。電子化となると、出版社や印刷会社のシステム自体の切り替えも必要になってきますよね。でもまぁ、今は税務署だって全部電子化していますし、ストックの保管・保存を考えれば、電子化した方がいいですよね。電子書籍の特徴は、世界全国どこでもダウンロードできて、本屋がなくても読めること。これなら、中国の片田舎で会社をやっている人でも、ネット環境さえあればすぐに情報を取れる。読者の立場を考えれば、本屋さんに行けない人たちがいっぱいいるわけだから、新しいものは電子書籍で同時出版できればいいんですが・・・。出版社もここ1、2年でだいぶ考え方が変わってきているような感じがしますね。

――ようやく、という感じですか?


筧武雄氏: ようやくですね。今、ネット絵本みたいなものも増えてきているじゃないですか。それこそ電子書籍を中国で事業にしたいっていう相談もあるくらいで。むこうはiPadがすごく普及しているので、ネット人口が何億人で世界一でしょう。スマートフォンだってすごい勢いで出ている。ああいうところで書籍を電子化したら普及しますよね。そういう意味で言えば、中国や台湾、フィリピンなどは日本より進んでいます。本だけでなく、気象情報、税金の申告、行政の各種届け出、許認可、決済・・・。ほとんど電子化されていますよ。合理的ですね。紙を使わない。

――電子化があまりに進むと、「電子だけじゃ味気ない」みたいなノスタルジックを感じたりなさいますか?




筧武雄氏: ノスタルジックとか、思い入れとかではなく、紙の本は紙の本でその利便性が別にある。要するに電気がなくても読むことができる。いつでもどこでも、持っていれば、電池なんか関係ない。それに、読み返すのも簡単ですね。ペラペラペラって好きなページをバッと開けられるでしょう。夜寝る前にひっくり返って読むときに、電源入れて立ち上げてって、やる気にならないですよね。あとは、書き込みができる。紙ならではの良さは、記録が残ること。私は、銀行に勤めていたので、そういうルールや規則をよく知っていますが、紙のものがなぜ大事かというと、修正したり、後から書き換えたり訂正したら、記録が残るから。電子書類では残らない。だから、銀行や保険所、お役所などの保守的なところは、紙ベースを手放さないんです。改ざんしたり、誰か書き換えたりしても全部わかるように。帳簿類なんかでも、0を一個書き足すとか数字を改ざんするとか、電子データだとできてしまうんですよね。ログをとることはできますが、なりすましをされちゃうと。ウイルスの問題もあるし、データを破壊されてしまったら大変ですからね。

作者と読者と出版社、みんながハッピーに


――筧さんの今後の展望を教えていただけますか?


筧武雄氏: 20代30代に「やりたい」と思っていたことは、実はほとんどやってしまったんです。本も出したしテレビにも出た、ラジオにも今出演しているし。だから、次のステップで何をやるかを今考えている最中です。私は、中国ビジネス関係のノウハウ本の出版や、情報発信、解説などをずっと手がけてきましたが、実は自分自身で中国で事業をした経験がないんです。人に「ああした方がいい、こうした方がいい、こういうやり方がある、これをやると失敗する」とアドバイスして、そういうことはいろいろ知っている。だけど自分自身が事業をしたことはない。だから実体験で、自分でやってみたいっていうのは常にありますね。具体的に言えば、自分が中国に行って何か事業をやってみるとかね。例えば古本屋とか貸本屋とか、電子書籍でもいいですけどね。自分で体験してみたいっていうのはありますね。一人ではできないから、誰か一緒にやってくれる仲間と、あとはタイミング。そこらへんが合えば、ぜひやってみたい。いろいろご相談に来るお客さんや問い合わせに来るお客さん、研究会やセミナーに来られる企業の皆さん方にも、新規事業を起こしたいという方は多いんです。その中で、「面白そうな波長の合うような人が、私と一緒にやってくれないかな」とか。そういう考えも時々おきますね。

――いいですね。中国語版のサイトで日本文化を紹介するものなどは多くありますか?


筧武雄氏: そういったサイトはいくつもありますよ。今特に多いのが旅行業界です。中国は人民元高で景気がいいから、日本にも中国の人がたくさん旅行に来ている。ツアーや料金など旅行の情報は、むこうのサイトでむこうの言葉で発信しないとわからないじゃないですか。中国で募集するわけだから。だから近畿ツーリストやJTBも、中国のウェブサイトのサーバーを使って発信して、顧客募集してツアー旅行を組んでいるんです。すごく積極的にやっていますよ。あとは、買い物。いわゆるインターネット通販ですよね。すごく伸びています。中国にはいわゆるバイヤーモールがあって、日本のサーバーにデータをのせてもむこうでは検索で引っ掛からないんです。ですから、日本でいくら立派なサイトを中国語で立ち上げてもダメなんです。中国のドメスティックサーバー、貸しサーバーを借りて、そこにホームページを立ち上げないとヒットしない。

――Facebookも使えないんですよね。


筧武雄氏: Twitterもダメ。政府が管理していないといけないから、仲間同士で勝手にできるものは認められない。You Tubeもダメ。自由にアップできるものはとにかくダメなの。全部検閲があるから。

――その中に飛び込んでビジネスは大変ですか?


筧武雄氏: 特にネット上では大変です。検閲があるので、中国政府に批判的な文章表現や内容で問題になったケースは、過去にいくらでもありますよ。でも、敢えてそういったところで、実際に自分が面倒を見てきた中で、今度は自分が何かやってみたいなって。

――最後になりましたが、筧さんにとって本はどんな存在ですか?


筧武雄氏: いわば「ショー・ビジネス」ですね。発表会、作品展示みたいなもの。初めて本を出してから、20年たっていますが、自分の言いたいこと、書きたいことを書いても、あまりみんな関心をもたないですね。独りよがりな感じになってしまって。言いたい放題、書きたい放題していた時期もありましたが、そういうものは面白半分で見られることはあっても、長期に部数を伸ばしたり、広く受け入れてもらえるものではない。なら逆に、どんな本が売れ筋かって、一生懸命マーケティングをして、同じような本を一斉に出しても、これまた全然売れない。読者の好みに合わせて書く本も、やっぱり売れないんです。
小説でもそうですが、要するに「読みやすい、読んでわかる、受け入れられやすい本」ってありますよね。あとは「役に立つ」。わかりやすくて、面白くて役に立つ。文章表現も一つのテクニック、こなれてこないとできないでしょう。だから、自分にとって本は、そういう技の見せ所。これを見てください、読んでくださいっていう。で、読者から、「役に立ちました」って言ってもらえれば一番うれしいですね。
出版社の方にもよく言うんですが、演劇と似ていますよね。俳優と観客と劇場 3つともハッピーじゃないと成功って言わない。本の世界でも同じですよ。作者と読者と出版社。この3人がハッピーになって、その事業は成功なんです。演劇や映画と一緒、どんな本も「作品」ですよね。作者だけが頑張っても、出版社だけが頑張っても、読者が置き去りにされてはダメなんです。みんな両立しないと、その事業は成功しない。いい作品を作るためには、そういう風に考えていかないといけないですよね。そういうところから「良い作品」、「良い本」、「ベストセラー」っていうのは生まれるんだと思います。

(聞き手:沖中幸太郎)

著書一覧『 筧武雄

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