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世界中の本好きのために

田島弓子

Profile

成蹊大学文学部卒業。IT業界専門の展示会主催会社を経て、1999年マイクロソフト日本法人に転職。営業、マーケティングに一貫して従事、当時数少ない女性の営業部長を勤め、在籍中はプレジデントアワードを2回受賞。2007年ブラマンテ株式会社を設立。「個人のハッピーと会社のハッピーをすりあわせる」をテーマに、キャリアアドバイザーとして、若年層向け働き方論、ビジネス・コミュニケーション、女性活用支援に関する講演、研修、執筆活動を中心に活躍中である。中高大とスポーツで鍛えた「体育会系」気質。自他共に認める無類の仕事好き。座右の銘は「事件は現場で起こっている」「あたしは仕事したなーって思って死にたい」

Book Information

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――早速ですが、現在のお仕事についてご紹介頂けますか。

田島弓子氏: はい、肩書はキャリア・アドバイザーです。キャリアコンサルタント、アドバイザーというお仕事をされている方は世の中に沢山いますので、私は3つの内容に絞って活動させて頂いています。
1つ目が『働くとは』という内容で、若い方に向けて、就労観みたいなものをお話しながら、働く事というのは働き方次第で面白くなる、というような事をお伝えしたくてやっています。
2つ目がビジネス・コミュニケーションですね。特に中間管理職の人達って組織の中で色々な人に囲まれている時期だと思うので、やっぱりコミュニケーションがすごく大事だろうということで、その観点でビジネス・コミュニケーションのお話。
3つ目が、女性活用という言葉はあまり好きではないんですけれど、もっと会社の中にいる女性を戦力にして、今いるメンバーでもっともっと結果を出していくために、『次の一手が女性』というイメージで、女性活用について進めています。
企業さんで講演をさせて頂くというのがメインなんですけれども、あとは関連で書籍を出させて頂いています。先日、3冊目の本が実は出たばかりでございまして。

――そちらをご紹介いただけますか。


田島弓子氏: はい。持ってきちゃった。

――ありがとうございます。写真に撮らせていただいても宜しいですか。


田島弓子氏: ぜひ!「働く女性28歳からの仕事のルール」という本です。

――こちらは概要は、どういった内容になりますか。


田島弓子氏: 女性向けという事で書いてます。大体30歳前後の女性は、仕事も一通り覚えてきて一段落ついた頃。そして、『次の人生私どうしよう』みたいに人生のモヤモヤ悩みを抱き始めるのがこの年頃だという前提で、人生についていろいろ悩んだりするのはもちろん大事な事だけれども、でも目の前の仕事が疎かになっちゃったらだめ。そもそもキャリアというものは、「つくられる」ものだと思っています。自分のやった仕事の結果が周囲に認められて、ステップアップしていくものだと思うんです。だけど、モヤモヤにとらわれて、目の前の仕事が疎かになってしまったらそれができなくなる。だから『モヤモヤと仕事はパラレルで走らせよう』と書いているんです。そして、両方をパラレルで走らせるために、仕事はどんな風に取り組んでいけばいいかとか、どうやって自分のメンタルをマネジメントしていくか、というような事を書かせて頂いています。
あとは、『いい本読んだ!』って思う事は、それはそれで1つの本との付き合い方だと思うんですけれど、やっぱり私は、読んで何か動いて欲しいなと思っていて。できるだけ実践できる内容を沢山、どの本にも書きたいと。なので、これもそういった視点で書きました。

――拝見させていただきます。


田島弓子氏: どうぞ。良かったらお持ちください。あの、一応女性ターゲットなんですけど、男性の方たちにも読んで頂いているんで(笑)。働くことって基本は男性も女性も同じですよね。なので男性でも、やる気の出ない仕事にどうやってあたっていくかとか、「会社行きたくねー」みたいな時にどうやって会社に行くとか、リアルにお役にたてるんじゃないかと(笑)。

――こちらの執筆期間はどのくらいですか。


田島弓子氏: ええと、私、遅くて。大体、企画が持ち上がって私の手を離れるまで10か月ぐらいかかります(笑)。だから遅い方だと思います、私。多分、他の方はもっとパンパンと書かれているんではないでしょうか。頭の中に書くことがバシッと決まっている方は、もっと早いと思うんですよね。

――「先の見えないモヤモヤをワクワクへ」というコピーについて伺えますか。


田島弓子氏: はい。結局、人間って一生やりたいことを模索してモヤモヤし続けるんだと思うんです。私だって未だに今の仕事が天職かどうかわからないですし。ただ、だんだん経験を重ねてくると、そのモヤモヤとの付き合い方みたいなものが、ちょっとずつ分かってくるんですよね。
今年新人研修をしていて思ったんですが、新入社員たちの『やりがいのある仕事は会社が与えてくれる』みたいな発想が気になりました。
なので、『最初からやりがいのある仕事なんてありませんよ』って、思わず言ってしまってですね(笑)。そして、『仕事において、やりがいとは自分で作り出すもの』という話をしました。
最初に言っておけば、知っているか知らないかだけの差なので、知っているだけで違いますよね。最近、母校で学生向けにお話をさせて頂く機会を頂いているので、『やりがいというのは降ってこない』とか、『「何」をしたいかより、目の前の仕事を「どう」やるかが大事』というようなことをお話させていただいています。仕事とはそういうものだとわかれば、対応できるようになると思うからです。
学生から社会人になるということは、立場が180度変わるということですよね。『だとしたら考え方も180度変わるよね』ということも、『言われてみればそれはそうだな』と理解できると思うんですよね。
今の若い子たちは、やる気はあるんですよ。だから、やる気満々で指示を待っているんですよね(笑)。なので、そのやる気の所に、まずちゃんと着目してあげて欲しいんですよね、上司の皆さんには。
若い子たちはすごく真面目だし、素直だと思うんですよね。だから、真面目に自分なりに考えて、『この仕事、意味あるんですか?』って言う(笑)。だけど、上の世代、おじさんの世代は、『え?』ってびっくりしちゃうじゃないですか。『仕事に意味があるもないも関係ないだろう』みたいな。でも彼らは、決して反抗している訳でもないと思うし、すねている訳でもない。世代が違うから価値観が違う、いいと思っている事が違うということなだけ。
だけど、素直な部分もあるから、ちゃんと伝えさえすれば『あ、そういうものなんですね!』と理解できるはずなんです。だから、まずは大人が仕事のルールについて、ひとつずつ今までの考え方をひっくり返していってあげないといけないですよね。一方で、若い人も『そうか、こういうものなんだ』と受け止めて、我慢したり妥協したりということではなくて、社会に「適応」することができるようになって欲しいと思うんですよね。

――そこで大事になるのがコミュニケーション力ということになりますか。


田島弓子氏: そうですね。コミュニケーションについて言えば、最近、若い人達のコミュニケーション力が気になります。っていうのは、同世代の友達たちとはおしゃべりできるんですけれども、『この人何考えているんだろう』というような、違う世代の人とうまくコミュニケーションがとれない子が多いように感じるんです。何を喋っていいのか分からないとか。例えば、研修の時にも思ったんですけど、講師の私に対してどういう会話をしていいのか分からない、というような戸惑いがすごく感じられたんですよね。それをみて、今の若い人達って、違う世代の人達との交流が昔より減っているのかなぁと。あとは対面のコミュニケーションよりも、やっぱり何かといえばメールでやり取りしたりだとか。でも、そうなると、社会に出た時にそれはとても困ると思うんですよね。
学生まではそれで良かったけれども、会社に入ったら、ちゃんと上司とか、もっと上の世代の人達ともコミュニケーションを取れるようにならなきゃいけないという意識は、持ってもらう必要があると思いますね。

――田島さんの仕事での失敗談のようなものをお聞かせいただけますか。


田島弓子氏: 失敗談ですか?社会人時代の?私がサラリーマン時代の人生最大の失敗といえば、マイクロソフトにいた時、営業部長になりたての頃にやっちゃった大失敗があるんです。部長になりたてで気合いが空回りしていたんですよね。部長になったから頑張らなきゃ、みたいな。すごいプレッシャーを1人で勝手に感じていて。
っていうのは、上から売り上げの数字のシミュレーションを指示されて。それってあとから振り返れば、私が1人でやらなくてもいいし、むしろ1人でやっちゃいけない仕事。経理か数字のスペシャリストに頼まなきゃいけないのに、私が全部やらなきゃと思って、数字もわからないのにとにかくガーッとやってしまったんです。で、案の定間違えたんです。数字のシミュレーション。(笑)
桁に近いぐらいの間違いで。売り上げの数字だから、下に間違えていればよかったのに、上に間違えてですね。『本当にこの数字やるのか?』みたいな(笑)。しかも社長にまでコミットしちゃった、というような失敗をしたことがあって。

――その時はどんな雰囲気だったんですか。


田島弓子氏: ミーティングで反省会みたいなものをやっていた時に『あれ?この数字おかしくない?』という事になったんですよ。私の上司が気付いて。で、『これ、お前ちゃんと見てもらったのか?』って言われて。『いや、自分でやりました』みたいな(笑)。で、部下もいる前で涙も出ない位怒られて。『私クビかも』ってその時はちょっと思いましたね。
今となっては笑い話ですけど。部下の前ですごく怒られて、ほんとシャレにならなかったですよ。
それがあって、仕事ができる人というのは、人を巻き込める人の事だと、その時思ったんですね。偉い人達は、自分で全部やっているから偉いんじゃなくて、人と一緒に動けるから偉いんだ、だから大きな仕事ができるんだ、という事にその時気づいたんですね。なので、もう一回やり直す時に、じゃあ、まず誰に手伝ってもらうか、というリストを作るところから始めましたね。すごい失敗談ですけど、すごい大きい学びがありました(笑)。

――(笑)。では、続いて電子書籍について伺います。電子端末で本を読まれますか。


田島弓子氏: 本は読んでないです。新聞ぐらい。

――新聞を電子端末で読まれるんですね。


田島弓子氏: 日経の電子版を取っているので、ウェブの記事だけじゃなくて、紙面をスキャンしているもので見たりというのは最近します。女性にとって紙の新聞って結構大きくて疲れちゃうので、端末で見ているとすごく便利です。

――紙と比べてどうですか。


田島弓子氏: 私にとって、新聞が電子化する事によってのマイナスは、全部の記事が平等な扱いになっちゃうこと。そうなると私は、興味のある記事しか読まなくなっちゃうんです。でも、紙面だと大きな記事、小さな記事というのが分かるじゃないですか。だから、興味のない事でも世の中的にはこれが大きなトピックなんだというのを、紙面の扱い方で見ていたんですね。
あとは日経だと『マイ日経』といって自分のページを作れて、そこに検索ワードを登録しておくと、それに引っかかる記事をどんどんためていってくれるので、データベースみたいに使えて、結構それは重宝しています。
結局、今自分がデジタルなもので本を読んだり情報を得たりするのって、データベースとして使っているイメージだと思うんですね。趣味だとか教養を得たりだとか、あとは感動したいとか、という目的じゃなくて、どちらかというと仕事目線で考えた時に、本がデジタル化した時に受ける恩恵というのは、情報を効率的にまとめられたりだとか加工できたりだとか、という点では便利かなという風には思います。

――では、普段の読書スタイルとしては、こういった紙の本を読まれますか。


田島弓子氏: そうですね。

――月にどのくらい読まれますか。


田島弓子氏: 実はあまり本を読まなくて。本当に、月に2、3冊読むかどうかぐらいですね。

――どういったジャンルのものを読まれますか。


田島弓子氏: すごくバラバラなんですけど、最近は、興味がある物の専門書的なものが多いですね。本当はもっと小説とかも読みたいんですけど、コミュニケーションに関する専門書のようなものを読む時間で手一杯で、なかなか趣味の本までいかないんですけど、ただ唯一、今ハマッているトライアスロンに関する専門書だけは読んでいますね(笑)。
何となく読むのではなくて目的があるので。例えば仕事の専門書だったら、この中からこういう私の疑問に対する答えが欲しいですし、トライアスロンも、やはりタイムを縮めるためにどういう練習をしたらという目的があるから真剣に読みますし。やっぱり目的があると違いますよね。
本当はもっと感動だとか新しい教養だとかを得る読書をしたいんですけど、今まだそこまでいけていないですかね。

――幼少期、学生時代を含めて、どんな本を読まれていましたか。




田島弓子氏: 学生時代…。私、たぶん小学校とか中学生位の頃が一番本を読んでいたんじゃないでしょうか。すごく好きだったのは、平安女流文学。源氏物語とか枕草子に始まる、あの一連の女性が書いた昔の文学みたいなものは、結構はまって。もちろん原文では読めないんですけれど。なぜ好きだったのか分からないんですが、感性みたいなところですかね。昔の日本人って着物を着るので、色もすごくきれいな名前を付けていたりだとか、十二単を着る時に1番上には何色のを着て、2番目には何色のを着てっていう。そういうのを読んでいるだけでワクワクしちゃって。素敵だなと。あとは自然に対する洞察みたいなものだとか。でも、意外に昔の人たちも人間的にドロドロしていたんだなとか(笑)。むしろ昔の人たちの方が自由よね、みたいな。
源氏物語は恋愛小説ですよね。ぶっちゃけて言えば光源氏という、超イケメンの超プレーボーイが、顔が良くて性格もいいのをいいことに、あちこちで色々なヤンチャをするという話です。だけど、嫌われないという。すごい世の中ですね(笑)。
天変地異が起きるとそれは祟りだ、とかね。そういう非科学的な事をリアルに信じていたりだとか。病気をするとお医者さんに見てもらうよりも、お坊さんが祈祷する。そうやって治すものだ、とか。
平安時代なのにメッチャ進んでるな、と思う部分と、やっぱり平安時代だなというのもあり。でも、やっぱり感性を刺激される文章を読んでいるのが、子供なりにすごく楽しかったんでしょうね。昔の方が本当に、本をよく読んでいましたね。

――それは今でも何か影響を与えていますか。


田島弓子氏: やっぱり古い物とか自然はすごく好きですね。自然は本や写真集で見たり読んだりするだけじゃなくて行くのも好きです。

――どういった所に行かれますか。


田島弓子氏: 今ハワイにも住んでいるのですが、ハワイもすごく自然が素晴らしい所で。ハワイというと海のイメージが強いと思うんですが、島の人達はむしろ山の方にスピリチュアルなものを感じるみたいです。私も、もちろん海も好きですけれども、それを知ってから、ハワイの山が本当にすごく美しいことに気付きました。なのでそういうのをボーッと見ていると自然のパワーを感じます。

――島によって違いますか。


田島弓子氏: 違うんです。島の一個一個の古さが違うんですよね。オアフ島は比較的、古い島なんですけど、ハワイ島はまだ活火山があるぐらいですから、若い島なんですよね。

――ところで直近で読まれた本というのはありますか。


田島弓子氏: 東北の震災は自分の中で風化させちゃいけないと思っていて、実はこれ、友人が編集をした本なんです。だから読んでみてと言われて貰った本なんですけど。小説家の方なんですが、その方がご自分で福島原発の周囲の立ち入り禁止区域に放置されてしまった可哀そうなワンコとかニャンコとか、野良豚とか野良牛とかを保護するペットレスキューに加わって、そこでの事実、そしてそれを体験して、感じたことを書かれた本なんです。

――ペットは飼われていますか。


田島弓子氏: 猫を飼っています。自分も飼っているから人ごとに思えなくて。辛いのは、言葉が通じないので、この子達が今、悲しんでいるのか大丈夫なのかみたいな想像力を勝手に働かせてこういうのを読んでいると、本当にいたたまれなくなるというか。福島原発の20キロ圏内に入るというのは、それは違反行為だという意見もあるけれども、でもその中でこの動物たちがすごく困っているのを助けてあげようとがんばっている人達がいる。どっちが正しいのかは分からないけど、でも、救われている子たちは確かにいるよね、と。そういう視点でこの震災を見てみたいなと思っていたので、すごく考えさせられました、この本は。

――ペットを実際に飼っている方だと読み方が変わりそうですね。


田島弓子氏: ペットを飼っている方だったら、すごく分かると思います。特に犬とかは人に依存する動物だから。読んでいるとね、もう本当に…。レスキューの人が来ると嬉しそうにワンワンって駆け寄って来たり。
という子もいれば逆に、あまりにも長く放置されてしまって、もう人間に対して不信感を持っちゃった子とか、色々なパターンの子がいるんですね。飼い主さんと再会するシーンなんて、ウルっという感じですよ。

――お仕事される時に使うツールというのは何がありますか。 


田島弓子氏: 主にはパソコンと、あとはiPhoneですね。

――では、仕事の依頼は、ホームページとか人伝えにですか。


田島弓子氏: そうですね。

――ご自宅の仕事場なんですけど、どんな感じなんですか。


田島弓子氏: (「28歳からの仕事のルール」の表紙をみながら)こういう感じです(笑)。この写真に決めたのは、「あ、私っぽい」と思って(笑)。

――でも、ご自身では資料がどこにあるか分かっているんですよね。


田島弓子氏: そうなんですよ。自分の中では整頓できているんですよね。見た目は良くないけど。私は机の上には必ず、次やる仕事をスタンバって置いています。原稿をチェックするんだったら、もう前の晩の内に、そこからのページをダンっと置いておいて、ペンも置いておいて。そうするとすぐ取り掛かれる。
集中しなきゃいけない時は、全てオフラインにしますね。ソーシャルとか。ついつい見ちゃうじゃないですか。投稿しちゃうと気になりますよね。「いいね!」付くかなとか思っちゃうじゃないですか(笑)。あれがダメなんですよ。だからオフラインにするのは大事だと思います。現代人にとって必須ですね(笑)。

――そんな仕事論についてお聞きしていますが、田島さんはどんな方をプロと定義されていますか。


田島弓子氏: 結果を出すことにコミットできる人はプロだと思います。全ては結果。やっぱり仕事をしていれば難しい、その数字いくわけがないだろう、みたいなものもあると思いますし、本当にあそこの取引先の部長、性格悪いとか、色々とあると思うんですけど。私が今まで見てきた仕事ができる人達というのは、そこでスタックしないんですよね。障害にはなっているんでしょうけど、その性格の悪い部長がいやだ、という自分の感情は障害にならない。仕事の結果を出すために、その部長にどう対応するかということに意識が集中してる。で、必ず結果を出すんですよ。なので、やっぱりそういう人がプロなのかなという。

――言い訳をしない方たちですか。


田島弓子氏: 言い訳しないし、自分というものと仕事人である自分みたいなものが、ちゃんと別にあるっていう感じですね。だけど決して我慢している訳じゃなくて、飲んでいると「シャレになんねー」なんて毒吐くんですけど、でも会社に来るとスイッチが変わるんですよね。そういうところにプロ意識を感じます。

――田島さんが仕事する上での、こだわりを教えてください。


田島弓子氏: 私は仕事をする時は、もちろん結果を出すため、依頼して下さった相手のためにやっているんですけど、根っこの部分では、ガーッと集中している感じが好きだったりだとか、『無事終わった、ビール!』っていう瞬間が好きだったりだとか。そういう気持ちを味わいたくてやっているのかなという気はしますね。
今やっている仕事にしても、昔サラリーマンやっていた時もそうですけど、私の場合、おそらくどんな仕事でも基本的に構わないんだと思うんですよね。目の前の仕事に対して自分のスイッチ入れて、『どうやって結果を出そうかな』、『どうやって買ってもらおうかな』、『どういう風に喜んでもらおうかな』という風に、その『どう』の部分にフォーカスして、全力を尽すことが、自分にとって仕事をする事なんですよね。
だからあまり、何かというのにこだわりはないのかもしれないなと、思います。

――そんな田島さんの今後の野望をお聞かせ頂けますか。


田島弓子氏: 野望はあまりないんですよね。と言ったら怒られるよね(笑)
サラリーマン時代、会社から与えられている大きなミッションをどういう風にやっつけるかという事が自分のミッションにもなっていたので、個人的野望という発想がないんです。そういう意味では仰る通り、フリーランスになって、何でも自分の責任で好きなようにやっていいよという立場になって、これからは、野望的なものも持つべきかもしれないですね。

――趣味のトライアスロンではいかがですか。


田島弓子氏: あ、そっちはありますよ。私は、スポーツは楽しみだけでできない性格なので、やる以上はタイムを上げたりだとか、上位に入りたいだとか、そういうのがないとつまらないんですね。で、トライアスロンのレースは5歳刻みで年齢ごとにランキングするシステムになっているので、私の年齢のカテゴリーの中で年間のトップ3に入りたいというのは、一応目標として持っております。去年は4位だったんですね。男性は本当に大変なんですけども、女性の場合はまだ競技人口もそんなに多くないので、頑張ればいけるかなって目標にしてます。

――大会はどこでやっているんですか。


田島弓子氏: 色々な所でやっています。日本の中でも、今、ランキングがつく対象の大会が20ぐらいありますし、そうじゃない大会だったらもっともっとありますよ。今、日本もまたトライアスロンがブームになっているみたいですね。なので、女性の裾野がもうちょっと広がってくると、いいなと思うんですけれども。

――トライアスロンに関する本を書かれたりしますか。


田島弓子氏: 少しずつ、トライアスロン絡みの仕事とかも出てきたりしているので、それは楽しいです(笑)。
トライアスロンは1つのレースの中で3種目やるんです。水泳をして、自転車に乗って、最後に走る。

――距離は男性と一緒なんですか。


田島弓子氏: 一緒ですね。距離は、4種類ぐらいあって、オリンピックで採用されている距離が、オリンピック・ディスタンスといって1番メジャーなんですね。1.5キロ泳いで、40キロ自転車に乗って、最後10キロ走るのが、いちばん一般的な距離です。オリンピック・ディスタンスに関して言うと、男性だったら初めての方でも、3時間半位で帰ってこられるんじゃないでしょうか。
フルマラソン初めてやると大体5時間程度かかりませんか?だから、単純にトライアスロンの方が体力が少なくて済むんですよね。という風に考えると、トライアスロンの方が時間も短いし、体の色々な所を使うのでダメージも分散されるし。実はイメージよりは取り組みやすい競技です。ただ、3種目練習しなきゃいけないので、大変なんですけど。

――きっかけは何だったんですか。


田島弓子氏: きっかけは元々うちの旦那さんがやっていて、レースを応援しに行っているうちに色々な友達と知り合って、「やればいいのに」みたいな感じです。私も元々スポーツが好きなので、ついやってしまいました。

――最後の質問になりますが、田島さんにとって読書とは、どんな存在になりますか。


田島弓子氏: 本を読むことによって気持ちに刺激が欲しい、感動したい、という存在ですね。今は本当に仕事のために情報を取ったりデータとして使ったりという事が多いですけれど、本質的にはそういう、映画を見るような感覚で本を読むことによって感性を磨きたいなという存在ですね。

(聞き手:沖中幸太郎)

著書一覧『 田島弓子

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