BOOKSCAN(ブックスキャン) 本・蔵書電子書籍化サービス - 大和印刷

世界中の本好きのために

相原孝夫

Profile

1965年生まれ。早稲田大学大学院社会科学研究科博士前期課程修了。マーサージャパン株式会社代表取締役副社長を経て、現職。人材の評価・選抜・育成および組織開発に関わる企業支援を専門とする。経営アカデミー(日本生産性本部)、日経ビジネススクール、早稲田大学エクステンションセンターでの講座ほか、講演を多数行う。 著書に『20代のあなたに、会社が期待していること』(ダイヤモンド社)、『仕事ができる人はなぜモチベーションにこだわらないのか』(幻冬舎新書)、『会社人生は「評判」で決まる』(日経プレミアシリーズ)、『360度フィードバック―チームを活性化し人材を育てる』(日本経済新聞出版社)など。

Book Information

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

人事の分野を極めるために、マーサーへ


――その後、マーサーに入ろうと思われたのはなぜだったのでしょうか?


相原孝夫氏: 中堅・中小企業相手に戦略や商品開発や人事など、色々なコンサルティングをやっていたのですが、たまたま人事に関する案件を多くやるようになり、なんとなくその会社の中でも人事の専門というような感じになっていきました。それならば、もう少し人事の分野を極めようと思い、マーサーという人事専門の世界的なコンサルティング会社に移ることにしたのです。

――本を書こうと思ったのは、いつ頃でしょうか?


相原孝夫氏: マーサーに入ってからです。いちばん最初に、この『図解戦略人材マネジメント』を書きました。マーサーの日本における認知度を高めるために書いたという部分が大きかったです。その頃の外資系の人事系コンサルティング会社はほとんど外資系企業だけを支援していたので、本当に認知度が低かったんです。その中でも3番手か4番手という認知度の低さでした。今後、日本企業にも進出していきたいと思っていたので、とにかく人事系コンサルティング会社の中では一番認知度が高くなるようにしたかったのです。広告をバンバン出す予算も無いし、日本においてはやっぱり活字が強いので、「出版だろう」という結論に達しました。その頃は出版社さんとのお付き合いが全く無く、メールも無かった時代でしたので、出版社10社くらいに「本を出させてください」という企画書をFAXで送りました。ダメ元です。運よくその中の1社、東洋経済新報社の当時の編集局長の方が「面白そうなのでうちから出しましょう」と言ってくださり、本ができあがりました。そういう経緯がありますので、最近はお付き合いはないものの、東洋経済さんには足を向けて寝られないという思いが未だにあります(笑)。



――認知度が高まってから作られた本は、相原さんの中で違った意味合いがあるのでしょうか?


相原孝夫氏: その本が幸いにも結構売れまして、会社の認知度がグッと上がっていきました。それで私の中で本を書くということは一段落したのですが、90年代後半から日本でも広く普及し始めた「コンピテンシー」について、ある大学の先生からのご紹介で、日本経済新聞社(現、日本経済新聞出版社)さんから依頼がありました。ちょうどその頃は2年程シンガポールで単身赴任をしていて夜も時間があったので、書き始めることにしたんです。それが2001年で、ちょうどコンピテンシーが日本企業で一巡していた頃でもあったので、「コンピテンシー」を専門としてきた自分としても「いったん取り纏めておきたいな」という思いもありました。2009年に出した『チームを活性化し人材を育てる360度フィードバック』は、弊社で多く支援している「360度フィードバック」という手法に関しても、あまり教科書的に使えるものが無かったので、「じゃあ自分たちで書こう」ということで書いたもので、ここまでの本は仕事そのものという感じです。

――その後、路線変更はありましたか?


相原孝夫氏: 路線が変わってきたのは、『会社人生は「評判」で決まる』という本からです。評判ということについて色々と興味を持ってきていました。企業の中では、「所詮人事は、評価より評判だ」ということをよく言われるのですが、私はずっと評価ということを専門にしてきたこともあって、そういった言われ方は少し不本意でもあったんです。ただ、「評価より評判だ」と言われるほど大きな影響力を持つ「評判とはなんだろう?」と思い、本や文献をあたってみたのですが、ほとんど情報がなかったのです。「コーポレート・レピュテーション」という企業の評判について書かれたものは、特にアメリカで多く発表されているものの、個人の評判となるとほとんどないのです。であるならば、自分で書いてみようと思ったわけです。

どんな人にも分かりやすく、役に立つものを書きたい


――本を書く時に、気を付けていることはありますか?


相原孝夫氏: 今回の、『20代のあなたに、会社が期待していること』に関しては、編集者の方が「分かりやすさ」を重視した本作りに長けている方で、彼の力に依るところが大きかったと思います。私自身、難しいことを難しいまま理解するのが苦手なので、分かりやすく書こうと思いながら書いています。分解してみたり、何かに喩えてみたりして、自分として十分に腹落ちするくらいまで理解したことを書いているので、読者の方にも伝わりやすくなっているであろうとは思っています。

――どういう思いで本を書かれていますか?


相原孝夫氏: 『チームを活性化し人材を育てる360度フィードバック』まではビジネス目的なので、人事の方々に役に立つ情報を提供しようということを考えていました。でも、『会社人生は「評判」で決まる』からは一般読者を対象にしていますので書き方が根本的に違います。一言で言えば、万人ウケを考えています。たとえば、セミナーなどで話をすることは多いのですが、セミナーの場合、受講された方の80%の人が「まぁまぁ良かったね」と思うようなセミナーをやっても、まったく仕事には結び付きません。半分の人が「良くなかった」と言っても、5%の人に「すごく良かった」と言ってもらえるような、少数に刺さるセミナーであって初めて仕事になるという側面があります。だからセミナーの場合は、あえて極端に強いメッセージを発することも多いわけですが、一般の読者向けに何か書く場合にはそれとはまったく逆の発想となります。8割の方、できればほぼ全員の方に「良かった」「まぁまぁ良かった」と思ってもらいたいのです。自分のお金を出して買ってくれるわけなので、「ガッカリさせてしまっては申し訳ない」という思いが強いからです。だから、どのような人が読んでも「役に立った」と思えるような内容がいくつかないといけない。去年出した『仕事ができる人はなぜモチベーションにこだわらないのか』は、その点が難しかった。1、2章には軽めの内容を書いて、5、6章は重たい内容を書くといったように章で区別して、どの年代のどういう知識レベルの人が読んでも、いずれかは良かったと思ってもらえるように、そういう構成で書きました。

――なぜ読者の対象を広げようと思われたのでしょうか?


相原孝夫氏: きっかけは「評判」について書いた本ですが、その本を出した後に、これまでとは比較にならないほど多くの方々から、その本に関するフィードバックをいただくことができたのです。その多くは、リップサービスもあってのことと思いますが、「これまで漠然と思っていたことが鮮明に理解できた」というような類のものです。中には、いろいろと持論をお話しくださる方などもいます。その本を書いたおかげで、「評判」ということに関して多くの方々と意見交換する機会が得られたのです。このように、仕事に関する本とは比較にならないほど、多くの反応や機会がいただけるということは、一般読者向けに本を書くことの醍醐味だと思います。

――お仕事をされている中で、早稲田大学の大学院に入られるわけですが、再び学ぼうと思われたのはなぜだったのでしょうか?


相原孝夫氏: それまであまり勉強や読書をしてこなかったという反省もあり、特に歴史や哲学などに関して改めて学んでみたいと思ったのが1つあります。あとは、人事組織コンサルということで、仕事上、企業の中だけを見て対応しがちなのですが、企業の中で起こっている問題というのは、実は企業の中だけを見ていても解決しないことが多いものです。社会思想なども深く関わってきます。そういうこともあり、より視野を広く持ちたいということで、社会学を学ぼうと思ったんです。加えて、これまで専門としてきた人事組織以外にもう1つ、「自分の専門といえる分野が欲しい」という思いもありました。

著書一覧『 相原孝夫

この著者のタグ: 『コンサルタント』 『コンサルティング』 『考え方』 『生き方』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
著者インタビュー一覧へ戻る 著者インタビューのリクエストはこちらから
Prev Next
ページトップに戻る